今の歌声は

ohtaと申します。M!初演の中川晃教さんに感動してこのブログをはじめました。ゆるゆると更新中。よろしくお願いします。

キャンディード

2010-06-20 11:27:05 | musical
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帝国劇場
ジョン・ケアード版 ミュージカル「キャンディード」

見て来ました。
面白かった!

キャストは

市村正親  ヴォルテール/パングロス
井上芳雄  キャンディード
新妻聖子  クネゴンデ
村井国夫  マーティン/トドロック男爵
坂元健児  マキシミリアン
阿知波悟美 老女
駒田 一   カカンボ
安崎 求   ヴァンデルデンデュール
須藤香菜  パケット



ステージには舞台床に大きな円が描かれてあって、序曲が始まると二重になったその円の上の部分が持ち上がっていって、宙に浮く感じになります。舞台上には下と上に二重の輪ができて、その間でストーリーが展開する。
床の円のところが道になったり、国境になったり…
ヴォルテール役の市村さんが最初その輪の中心にいて、出演者を操っていく…みたいなオープニングでした。












セットはほとんど無く、場面によって箱がでてきたり、その箱から布が出てきて上に向かって上がっていって室内を現したり、船の帆になったり、とってもシンプルだけどスタイリッシュで素敵な舞台でした。
床の照明とかもとっても綺麗だった。席が2階だったので、全体が良く見えてとてもよかったです。


ストーリーは前に見た宮本亜門氏演出で晃教くんが主演した舞台と、場面の順番が違ってたり、歌も印象がかなり違ってて、どっちがどうと比較はできないけど、亜門版よりも私は判りやすかったです。
歌詞がわかりやすかった、というのもあるし、クラシック畑の人とミュージカルの人が混合で出ていた亜門版と違って手堅いミュージカル畑の出演者でまとめている、ということで歌の技術力にバラつきがなかった分、とても聞きやすくて安心して見られたと思います。


プログラムを読んだら、ケアード版では原作の詩を補足したり、少し改定しているのですね。補足詩のスタッフにはスティーブン・ソンドハイム氏の名もあり、かなりスタッフが充実しているな、という印象。それだけ、細心の注意をはらったんだなあ…と。
「キャンディード」という作品がそれだけ深い意味を持つ作品であり、また、時代の違いを認識しつつも現代の観客をも引き込むための努力というか、配慮を凄く感じました。


市村正親さんはヴォルテールとパングロス先生の二役。
ヴォルテールが進行役なので、ほとんどいつも舞台上にいます。でも、歌が少ないのがちょっと残念。喋りっぱなしでご苦労なことです。ケアード氏の強い信頼感があるんでしょうね。市村さん、お疲れ様~そして頑張れ~

キャンディード役は井上芳雄くん
衣装は白一色で楽天主義を信じて疑わない純真な雰囲気。青年らしい熱血な感じも上手く出ていて、よかったと思います。どうしても、キャンディードというと、私は晃教くんを思い浮かべてしまうんですけど、あっきーは‘少年’、井上くんは‘青年’って感じでしょうか。
例えば、あっきーの時はクネゴンデとのラブシーンとかちょっと幼い感じだったけど、井上くんの場合は納得って感じ。ただ、当時の年齢もあるから、今だったらどうかな。相手役のこともあるし。でも、あっきーが持ってる少年っぽさがやはりあると思うので、井上くんとのイメージの差を改めて感じました。


クネゴンデは新妻聖子さん。
はい。素晴らしい歌唱力でしたよん!あっきーと見てみたかったなあ!(よっしーゴメン)「着飾って輝いて」のアリア、技巧だけに走るのではなく、きちんと演技の中で歌ってるので、リアリティがありました。コケティッシュな雰囲気も良く出てたし、ピッタリだったと思います。

マクシミリアンは坂元健児さん。
雰囲気がもうそれっぽくて面白かった(爆)、こういう雰囲気も出せるんだ、って。どうしても亜門版の時のガガンボのイメージがあって、配役見た時は意外な気がしましたが、よかったです。


老女は阿知波悟美さん
凄く納得できる「老女」でした。全然違和感なく、お尻がかたっぽの話の場面が見られました。というか、引き込まれてしまった感じ。「すぐに馴染むもの」の場面もダンスも上手で役者っぷりを堪能させていただきました。

後、村井国夫さん、安崎求さん、駒田一さんなど、ベテランがしっかり固めて、ほんとに手堅い布陣だなあ。パケットは東宝アカデミー出身の須藤香菜さん。これから東宝の舞台での活躍、期待したいと思います。


比較はできない、と言いつつ、でもしちゃってる自分がいるのですが(苦笑)
大雑把に言うと
亜門版は「大項目」、ケアード版はそこから落とし込んだ「中項目」から現実的な「当年度目標」みたいな…
変な例えでごめんなさい。今職場で自己点検評価やってるもんで(爆)

判りやすい「歌」とその歌詞、ケアード氏演出の群集の動かし方の上手さ、出演者の実力の確かさ、などなどが、どんなに悲惨な状況でも全てが最善と考える人間の愚かさ、滑稽さを描く「キャンディード」という荒唐無稽に思えるストーリーに現実感を与えることに成功していたと思います。

実は…
帝劇でやるにはちょっとどうなのかなあ…などと不届きにも判った風なことを思ってしまって、申し訳ない(爆)
見てよかったです。
オーケストラは塩田さんの指揮。舞台奥にありました。素敵な音楽を楽しく演奏してました。もう少し編成が大きければよかったなあ…





















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