今の歌声は

ohtaと申します。M!初演の中川晃教さんに感動してこのブログをはじめました。ゆるゆると更新中。よろしくお願いします。

宝塚花組 カサノバ

2019-04-27 17:54:50 | takarazuka



宝塚花組公演「カサノバ」を観てきました。
脚本、演出は生田大和氏。
音楽はドーヴ・アチア氏。
アチア氏は、宝塚では「1789〜バスティーユの恋人たち〜」「アーサー王伝説」「太陽王〜ル・ロア・ソレイユ」などが上演されていて、お馴染みの方ですね。

今回は生田先生の脚本で、アチア氏全曲書き下ろしの新作ミュージカル、そして生田先生にとっては初の大劇場1本もの、ということもあり、期待の膨らむ公演でもありました。


カサノバというと、数多くの女性遍歴ゆえに色事師というイメージですが、実際はかなりの教養人で、科学的な知識も豊富で、人当たりがよく社交上手な人だったようです。
女性にモテるのも頷ける。

ベネチアを追放され、諸国を遍歴するのも、本当はベネチア共和国のための情報収集、つまりスパイ活動だったとか。

宝塚ではリアルを追求する訳ではないので、その辺りはサラッと処理されて、あくまでもエンターテイメントとして、恋に生きる自由人として描かれていました。
タイトルも 祝祭喜歌劇となっていて、喜劇で終始明るい雰囲気でした。

「人生には恋と冒険が必要だ」
カサノバのこの台詞が全てを物語ってます。


アチアさんの音楽は、分かりやすくて親しみやすい。
そしてバラエティに富んでいます。
ロック調ありラップあり。懐メロっぽいのもあって、とても楽しかったです。
生田先生曰く、鰻丼にゴルゴンゾーラソースが添えられているような楽しさ(笑)

ただ、アチア氏の曲を優先した?結果、芝居部分の尺が足りなくなった感があり、その点ちょっと残念でした。

例えば、冒頭のカサノバが異端審問にかけられる場面と、後半、冒頭とは反対にカサノバが コンデュルメルを追い詰める場面が対局になっているんだけれど、後半の方があっさりとしてしまって呆気なく終わってしまったのは残念でした。
最初の異端審問の場面が重厚な感じで、曲も同じだったので余計にそう感じました。
クライマックスだったのに残念だ〜

主演の明日海りおさんは、女性にモテモテのイケメンぶりがハマっていて、正に超スーパー男子でした。
衣装も素敵で、特にポスターにもなっている薄い水色の衣装が、とても凝っていて素晴らしかったです。
襟というか、前立ての飾りのところが革にカットワークを施してあって、ちょっと見レースのように見える。
明日海さんのソフトな雰囲気にぴったりで、見ていてうっとり。眼福でした。

トップ娘役の仙名さんはこれが退団公演。
お芝居、ダンスと達者ぶりが遺憾なく発揮されて、生き生きした感じが良かったです。
衣装もポスターにもなった青いオーガンジーが何重にも重なったドレスがとても素敵でした。

東京公演も千秋楽まであと少し。
花組の皆さん、頑張ってくださいね。












サリエリは誰?

2019-04-26 21:28:32 | takarazuka
昨日、宝塚星組の次期トップコンビが発表になりました。
予想どうりというか、順当な人事で、それはそれでいいんですけど、トップお披露目公演の演目を見てびっくり!

な〜んと、ロックオペラモーツァルトです!

今、花組でやっている「カサノバ」が、ロックオペラモーツァルトの曲作りに携わっていた、ドーヴ・アチアさんの全曲書き下ろしの新作なので、なんだか繋がりを感じます。
アチアさんは、宝塚では「1789」「アーサー王伝説」などでお馴染みですが、まさか、この作品が来るとは思ってもいなかったです。

アッキーと山本耕史さんがやったのは2013年2月だから、もう6年前。
そのメンバーでの再演をずっと望んでいたけれど、叶わず、意外にも宝塚で見ることになりました。

嬉しい気持ちとちょっと複雑な気持ちと入り混じってます、が、礼真琴さんは、歌がとても上手いし、期待も大きいです。

宝塚バージョンでは、きっと役の比重が変わってくるだろうし、かなり違ってくるかもですね。

注目はサリエリを誰がやるのか、ということですね。
「痛みこそ真実」「殺しのシンフォニー」を歌うのは誰なのでしょう。

役の位置付けとしては「スカーレット ピンパーネル」のショーブランのような感じになるのではないかと、勝手に想像しています。

多分、日本語訳も違ってくるでしょうから、印象が大分変わると思うし。
いろいろ考えると、楽しくってしかたがないです。

東京公演は、池袋にできる新しい劇場ですね。
それも楽しみです。

演出はベテランの石田昌也先生。
多分、手堅い演出になるのではないかと想像しますが、さて、どうなるのでしょう。

乞うご期待。
チケットが取れますように。





宝塚雪組 ミュージカル ファントム

2019-02-10 21:11:27 | takarazuka




脚本 アーサー・コピット
作詞 作曲 モーリー・イェストン
潤色 演出 中村一徳
翻訳 青鹿宏二

1月12日、30日、2月8日と3回観てきました。
もう、素晴らしいとしか言いようがありません。
2004年の宙組初演から花組で2回の再演がありましたが、トップコンビの歌の上手さでは群を抜いている気がしました。
ヅカファン目線なのは十分承知の上で、しかし、やはり素晴らしいものは素晴らしい。

主人公エリック役の望海風斗さん、ヒロイン クリスチーヌ役の真彩希帆さん、エリックの父親キャリエール役の彩風咲奈さん、とにかく皆歌が上手い。
聴いていて全くストレス無く、まさに耳福、幸せな時間を過ごせました。
皆歌が上手いと、オーケストラも安心して鳴らすんですよね。
その相乗効果があったと思います。

望海さんのエリックは、とってもピュアさを感じる役作りで、歴代ファントムの中でも、繊細で儚さを感じさせるエリックでした。

オペラ座の影の支配者、怪人という重い存在感よりは、音楽を愛するが故にオペラ座を利用して自分の野心を満たそうとする俗物が許せず、対決せざるを得ない切羽詰まった気持が切なくて胸に響きました。
「 僕の叫びを聞いてくれ・・・ 」
登場の場面の歌から、孤独に音楽を愛し、クリスチーヌの歌声に母の面影を感じるファントムの優しくも切なく哀しい感じが、ひしひしと伝わってきて胸を打たれました。

そんなエリックの理解者であり、オペラ座支配人だったキャリエール。
彼はエリックの父親でもあるのです。
二幕の銀橋での父と子の場面は感動的でした。

実はエリックの繊細さにちょっと戸惑っている自分がいたのですが、エリックとキャリエールの親子の場面を観てこれでいいのだとわかりました。
キャリエール役の彩風咲奈さんは、若々しい感じの方なのでエリックの父親役としては若すぎる気がするので、
望海さんのエリックが重々しいと役のバランスがおかしなことになってしまうんですね。
エリックがピュアな青年風で脆い感じがちょうど良かったと思いました。

ヒロイン、クリスチーヌ役の真彩希帆さん、鈴を振るような声、その輝かしい響き、ほんとに素晴らしいクリスチーヌでした。

そして、改めて感じたのが、舞台転換の素早くてスムースなこと。
特に、エリックが自分の領地、森でクリスチーヌに素顔を見せたが故に拒絶される場面は凄く良かったです。
緑の花咲く森から一転、たくさんの蠟燭の炎に照らされる地下室へと一瞬で変わるんです。
エリックの絶望感がよく出ていたと思いました。

もう、千穐楽ですね。
雪組の皆さん、お疲れ様でした。
素晴らしい舞台をありがとうございました。


そして、このミュージカル ファントム、ちょっと先ですが、11月には城田優さんと加藤和樹さんがダブルキャストで梅芸主催の公演があるのですね。
なんと、城田さんが主演で演出もするんですね。
凄い!
出演者も手堅い感じで、非常に楽しみです。


しかし、和樹マン、9月アッキーと共演で「怪人と探偵」、11月ファントムって出ずっぱりですね。
お体気をつけて。

宝塚花組 MESSIAH~異聞・天草四郎~

2018-10-23 22:55:49 | takarazuka



9月はシアタークリエでジャージーボーイズでしたが、その前の東京宝塚劇場では宝塚花組が公演中でした。

お芝居は「MESSIAH 異聞・天草四郎」、ショーは「 ビューティフルガーデン-百花繚乱」の二本立て。
前回は「ポーの一族」一本立てだったので、ショーは久しぶりかな。


「MESSIAH 異聞・天草四郎」
作・演出  原田 諒
作曲・編曲 玉麻 尚一
振付・所作 尾上 菊之丞
装置    松井 るみ

天草四郎が実際にどういう人物であったのかははっきりしていないため、いろいろな設定が可能ということで、今回宝塚版四郎様はカイラギ、海賊という設定でした。

嵐で難破し、天草に流れ着き、そこで益田甚平に助けられ、彼の四番目の子供、四郎となり、苦しむ民を率いて立ち上がる、という流れでした。

苦しむ民衆を率いて蜂起する四郎がいつキリシタンになったのか、とか唐突感もありましたが、1時間半という限られた尺の中で、蜂起から幕府軍による鎮圧まで、コンパクトによく纏められていたと思います。

特に江戸幕府での石高の審議場面やキリシタンによる一揆ではなく、あくまでも百姓一揆として処理するのだと話合われる場面など、キリシタンによる氾濫などあってはならないという幕府の意向を挟み込むことによって、民衆の気持ちが踏みにじられていく流れは凄く良かったと思います。

幕府軍との原城での戦場面は、大階段を原城に見立てての設定になっていました。
大階段での立ち回りは迫力がありましたが、大階段に布が敷いてあって、みんな滑ったりしないか、見ていてちょっとハラハラしたりもしました。

宙組の「神々の土地ーロマノフの黄昏ー」の時もお芝居中に大階段が印象的に使われていたけれど、今回の花組でもインパクトありました。

四郎役の明日海りおさん
美貌の四郎様でした。海賊ということでワイルドな感じもあり、悲劇的ヒーローがぴったりでした。

山田右衛門作役は柚香光さん
あの有名な陣中旗を描いた南蛮絵師として、また、幕府側との交渉役として、一揆鎮圧後はただ1人の生き証人として、キリシタン一揆を後世に伝える役を担う重要な役どころ。
押さえた演技で今までにない役どころだったと思いますが、成長振りが感じられて良かったです。

他には憎まれ役となる松倉勝家役の鳳月杏さん
冷酷な目つきが堪らなく美しい。まさに宝塚の悪役として一つの形ができていて目を奪われました。
この役がしっかりと存在するからこそのこの悲劇。
素晴らしかったと思います。


花組は次回本公演は 祝祭喜歌劇「CASANOBA 」
また一本ものですね。
明日海さんと演出の生田大和先生とは三島由紀夫原作の「春の雪」で組んでいるし、生田先生のカサノバがどういう風に表現されるのか、とっても楽しみです。
画像も宝塚公式HPにアップされましたが、う、う、美しい!
期待しちゃいます。















朝夏まなと コンサート MANA-ism

2018-04-13 22:02:56 | takarazuka
昨年宝塚を退団した朝夏まなとさんのコンサートに行って来ました。
日本青年館です。

朝夏さんは手足が長くてスタイルがいい。
歌えて踊れてまさにミュージカルスターという感じ。

前半はラテン系の音楽が多かったです。
朝夏さんの明るい性格にピッタリだと思いました。
後半は宝塚での歌とこれからの舞台の曲とか。
チャレンジな感じの歌もあってこちらはまだ発展途上の感じも。

今年12月にクリエでやる オン・ユア・フィートからの曲もありました。
ラテン系の雰囲気がよく合っているので、オン・ユア・フィート 凄く楽しみになりました。

ポスターも素敵


コンサートの演出は荻田浩一氏
選曲がいいのはさすが
スタイリッシュでセンスのいい舞台でした。

話がそれますが、荻田氏は先日ツィートで、宝塚を辞めたことを毎日後悔するだろうと思った、
というようなことを言っていた。

え〜っ💦
だったら辞めないで欲しかった。
宝塚に対する社交辞令かもしれないにしても、少なからずショック
在団してても外の仕事はできたのに。

荻田氏の作るショーは陽の光というより月の光のような感じ。
今そういうテイストのショーを作れる演出家はいない。

オギー カンバーック!
もっと宝塚で素敵なショーを作って欲しかったよ(涙)

すみません。
朝夏さんの話なのに・・・

でも、在団中に荻田氏に関わったジェンヌさんが退団後のコンサートで荻田氏と組むことが多いのはそんなこともあるのかなあと思います。