宝塚花組公演「カサノバ」を観てきました。
脚本、演出は生田大和氏。
音楽はドーヴ・アチア氏。
アチア氏は、宝塚では「1789〜バスティーユの恋人たち〜」「アーサー王伝説」「太陽王〜ル・ロア・ソレイユ」などが上演されていて、お馴染みの方ですね。
今回は生田先生の脚本で、アチア氏全曲書き下ろしの新作ミュージカル、そして生田先生にとっては初の大劇場1本もの、ということもあり、期待の膨らむ公演でもありました。
カサノバというと、数多くの女性遍歴ゆえに色事師というイメージですが、実際はかなりの教養人で、科学的な知識も豊富で、人当たりがよく社交上手な人だったようです。
女性にモテるのも頷ける。
ベネチアを追放され、諸国を遍歴するのも、本当はベネチア共和国のための情報収集、つまりスパイ活動だったとか。
宝塚ではリアルを追求する訳ではないので、その辺りはサラッと処理されて、あくまでもエンターテイメントとして、恋に生きる自由人として描かれていました。
タイトルも 祝祭喜歌劇となっていて、喜劇で終始明るい雰囲気でした。
「人生には恋と冒険が必要だ」
カサノバのこの台詞が全てを物語ってます。
アチアさんの音楽は、分かりやすくて親しみやすい。
そしてバラエティに富んでいます。
ロック調ありラップあり。懐メロっぽいのもあって、とても楽しかったです。
生田先生曰く、鰻丼にゴルゴンゾーラソースが添えられているような楽しさ(笑)
ただ、アチア氏の曲を優先した?結果、芝居部分の尺が足りなくなった感があり、その点ちょっと残念でした。
例えば、冒頭のカサノバが異端審問にかけられる場面と、後半、冒頭とは反対にカサノバが コンデュルメルを追い詰める場面が対局になっているんだけれど、後半の方があっさりとしてしまって呆気なく終わってしまったのは残念でした。
最初の異端審問の場面が重厚な感じで、曲も同じだったので余計にそう感じました。
クライマックスだったのに残念だ〜
主演の明日海りおさんは、女性にモテモテのイケメンぶりがハマっていて、正に超スーパー男子でした。
衣装も素敵で、特にポスターにもなっている薄い水色の衣装が、とても凝っていて素晴らしかったです。
襟というか、前立ての飾りのところが革にカットワークを施してあって、ちょっと見レースのように見える。
明日海さんのソフトな雰囲気にぴったりで、見ていてうっとり。眼福でした。
トップ娘役の仙名さんはこれが退団公演。
お芝居、ダンスと達者ぶりが遺憾なく発揮されて、生き生きした感じが良かったです。
衣装もポスターにもなった青いオーガンジーが何重にも重なったドレスがとても素敵でした。
東京公演も千秋楽まであと少し。
花組の皆さん、頑張ってくださいね。