新谷研究室

新谷研究室の教育・研究・社会活動及びそれにかかわる新谷個人の問題を考える。

講義の喜び。

2012年05月08日 14時32分24秒 | 教育・研究
歌集 林檎の感触
クリエーター情報なし
櫂歌書房


 日赤看護大学の教育学の講義は今年は10人を切る少人数。
 それはともかくテキスト第一章は人間。土戸敏彦御大の名文である。毎年このテキストを素材に人間について学生に語りかけているが、毎年ちがった議論になってしまうくらい僕は楽しみにしている。
 今日の講義が終わったあと、居残っていた学生が「人間って何だろうか。答えが出ない。家で家族と話し合ったけど、わかんない。」
と言う。
 で、しばらく補講。それなりに講義を真面目に受けとめている学生がいるというのは悪くない。

滝野川村始末

2012年05月08日 08時28分08秒 | 教育・研究
歌集 林檎の感触
クリエーター情報なし
櫂歌書房


 7日の学校文化史では鈴木その子「公立小学校に於ける大正新教育―東京都滝野川尋常高等小学校の「綜合教育」―」を読んだ。
 まあ、社会人のゼミだとはいえ、歴史の論文は歴史の論文として読んで欲しいというのが最初の感想である。このことは社会人学生にとってはかなり難しいことだ。日ごろの職務から思考と思考様式が離れないからだ。しかし、それをやらないと自分は進歩しないとし、高い授業料原って大学院に来ている意味もない。
 それはさておき鈴木論文。着実に論文としてまとめているが、〈なにゆえに公立小学校と新教育なのか〉という課題意識がすっぽりと抜けている。〈公立学校であるが故に・・・〉というのは実におもしろい課題設定だと思うのだが、本人は気づいていないのかもしれない。
 帰って昨夜から寝ながら読み返していた『鬼平犯科帳』に驚いた。「浮世の顔」(文庫版14巻)の舞台は滝野川村であった。