新谷研究室

新谷研究室の教育・研究・社会活動及びそれにかかわる新谷個人の問題を考える。

大学史を作る

2008年10月26日 23時34分26秒 | 教育・研究
反大学論と大学史研究―中野実の足跡

東信堂

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 『九州工業大学百年史』の校訂作業のために三日間九工大に缶詰状態で作業していた。おそらくは日本の近代工業教育史において前代未聞の金字塔となる大学史となるだろう。とQ大のA馬教授は草稿を見て叫んだ。
 それはひとえに専任でこの仕事に当たってきたわが研究室出身の左左(mixiname)さんの仕事のおかげだ。実にいい仕事をする。彼女がこの仕事についてまもなく前述のA馬教授は「いい仕事をする人だ。自分で仕事を作ることのできる人だ。それがこういう仕事の場合、たいせつなのだ」と評していた。
 実際、その仕事ぶりを見ていて指導教員としては世界中に自慢したいほど嬉しかった。実にいい仕事をする。いい仕事とは信頼される仕事をすることだ。その信頼感が彼女にはある。
 朝食の時に九工大のM教授は「左左さんの史料管理はすごい専門的な技術なのですね」と僕に言う。史料整理の苦手な僕としては穴があったら、いや穴がなければ掘っても入りたいくらい恥ずかしかったが、それは彼女の自己研鑽以外の何ものでもない。だから誰もが彼女を信頼する。そうしていい仕事が世に送り出されるのだ。

そうそう『九州工業大学百年史』は予約販売だ。手に入れたいと思う方はお早めにこちらへ

女大学

2008年10月17日 12時14分52秒 | 教育・研究
女大学集 (東洋文庫 (302))
石川 松太郎
平凡社

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某大学の大学院の非常勤を代打で始めた。その一回目。「女大学」というものを読んでみることにした。これまでもこれは講義で使ったりはしているが、話し合いながら読むとまた違った深まりがある。
書かれたものの現実感という問題にどうしても至るのだ。当時の人はほんとうにこのように考え、感じていたのか、と。
嫉妬みたいな感覚はわかりかねるようだが、女とはこんなものだと「五疾」について断定的にいわれると「洗脳されそう」という反応もあった。言えることは現代でもよくあることで「配偶者以外の異性と恋愛関係になってはいけない」という道徳律はある。みんなそう思っているが、ドラマなどではそれがよく主題となる。われわれはそうしたこと(ここでは不倫)はけっこうあるのだろうけれど、自分の周辺には起こらないし、自分はそうではない、と思っている。これが時代の良識という範囲であって、「女大学」に書かれている倫理も自分はその範囲に居ると思いつつ、逸脱する人たち(恋愛なんか)を遠くに見て心中ものなどに熱中していたのだろう。いずれにせよ、「教化」書としての「女大学」に書かれていることは守ったか守らなかったかは別としてその時代の標準的価値観であったのだと言える。もちろん、守らない人がいるのでこういう「教化」書が作られるわけで、そこが人間学である教育史のおもしろさなのだろう。
問題は現在の価値観でその時代を見るのではなく、その時代の価値観をこのようなものを通して推し量ることだ。
そのことが史眼を磨く。

休暇

2008年10月04日 10時30分29秒 | 教育・研究
食肉の帝王―と暴力で巨富を掴んだ男 (講談社プラスアルファ文庫)
溝口 敦
講談社

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10月1日~3日の間、休暇を取った。んで、4,5日は土日なので5日間の休みとなる。で、ずっと北の某所にいる。父親と一緒にいるのが目的なので基本的に炊事以外何もしない。本も読みかけのこの本を持ってきたが、ほとんど読んでいない。こういうすごし方もいいだろう。
今夜は高校の同期の仲間と呑むことになっている。これも目的のひとつだ。リフレッシュして月曜からお仕事に復帰だ。

ホームページの大改訂

2008年10月03日 11時36分51秒 | 管理・運営
学習指導要領を読む視点 2008年版 (2008)
竹内 常一
白澤社

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最近、ホームページを大幅に改訂した。基本的コンセプトはどこからでも記事を書き換えられるようにブログシステムを採用したことだ。このブログと併用しつつ、随時新情報も書き込めるようにした。
それと授業との関係も深くして、教育的な活用も図ることにした。
それと九大の研究者情報なども活用することにした。このことで大学評価情報システムへの書き込みを恒常化することを自身に課することになる。
で、隠しページなんかもちょこちょこ入れている。
いろいろ探検してほしい。