八尾北医療センター労働組合

藤木 好枝 執行委員長

⒈・21 ガザ虐殺弾劾!パレスチナ連帯!「いのちを守る」医療福祉労働者は戦争反対のデモに立つ!基調報告

2024年01月27日 | ともに生きる医療・介護をともにつくろう
⒈・21 ガザ虐殺弾劾!パレスチナ連帯!「いのちを守る」医療福祉労働者は戦争反対のデモに立つ! 集会とデモ が 約100名の結集で PLP会館で開催されました。

 末光道正八尾北医療センター院長の基調提起 全文を 末光院長のブログより転載します。







1)イスラエルのガザへの病院攻撃、虐殺を許すな 

 イスラエルはガザ爆撃で多数の死傷者を出し、更に運び込まれる病院、救急車、救出隊を攻撃。
北は危険だとビラを撒き、南に避難した人々の難民キャンプを又爆撃する。
カルテを燃やし報道陣を殺して(92名)証拠隠滅までやっている。
イスラエルのガザ攻撃100日で死者は24000人(死亡診断書)。
まだ7000人以上が瓦礫の下に埋まっていると推定。
死者は3万人を超え、子供の死者が1万人、死者7割が子供と女性。
※ロシアのウクライナ侵攻1年間の民間死者は8000人、子供の死者は487人だった。 
誰が考えても無差別大量殺戮、民族浄化だ。こんなことは絶対許せない!
 スマホのライトを頼りに行われる分娩や大手術。新生児が保育器の中で亡くなって行く。
清潔な水がないため感染症でも命が奪われる。「助かるはずの命」が、爆撃で奪われ、医療崩壊で奪われ、上下水道の破壊で奪われている。今すぐ止めよう!
 ガザ保健省の責任の下、医療従事者は病院に留まって命懸けの治療(医療従事者死亡491名)。
14000人の救助隊は瓦礫の下に残された人々の救出を休む暇もなく手作業で続けている。
こうした「命を守る」ガザの人々の姿に心打たれます。
 パレスチナ人民は、分離壁で取り囲まれ、労働、農業、医療、食料、住宅、上下水道、電気光熱、通信、全てを奪われ、国連やNGOの支援がなければ生きられない状況に追い込まれても、確固とした共同体を形成し助け合ってきた。指導部が殺されてもその意思を引き継ぎ、裏切りを乗り越え、何度何度も立ち上がってきた。
パレスチナ解放闘争は、帝国主義の抑圧、差別分断支配と闘う象徴となって人々の心を打ちます。
何とかして虐殺を止めたいと何十万規模(国によっては100万単位)のデモに繋がった。 
 10月16日ガザのパレスチナ労働組合総連合から世界の労働組合に「イスラエルの戦争に協力している兵器産業をはじめ、自国の政府や企業に対して加担しないように抗議する反戦闘争」が呼びかけられ(参照)、勇気をもらった高槻医療福祉労働組合と八尾北医療センター労働組合は連帯の声明を出して反戦闘争を取り組んできました。
 本日の行動から地域医療交流会の組織を更に拡大し、医療・介護・福祉労働者はパレスチナ連帯反戦行動の先頭に立とう。アメリカと一体となった岸田政権の戦争加担を止めましょう。




2)戦後の日本に生まれた地域医療も「命を守り戦争に反対する砦」

 資本主義の侵略戦争と闘うパレスチナ人民の怒りと強固な共同体には階級的普遍性があります。
病院は「命の砦、団結の砦、闘いの砦」です。日本の地域医療にも引き継がれています。
(参照 8・8地域医療交流会 その1~19)
 1947年のゼネストまで上り詰めた戦中・戦後革命期に、長野佐久、京都堀川、八尾西郡、高槻富田で、
貧困、差別、伝染病蔓延のため、必要な医療が受けられなかったため短命だった地域住民が、
生きるための診療所を自分達の力で立ち上げました。
 ロシア革命・米騒動の影響を受けた労働運動、学生運動、農民運動、部落解放運動、民族解放運動を土台とした
「二度と戦争を繰り返さない」「自分たちの命と健康は自分たちで守る」という共同体です。
「医者がいない。共に地域で闘ってほしい」との呼びかけに応えて、
・「731細菌部隊出身の教授が支配する医局」を飛び出した良心的な医師、
・八路軍に加わって共に中国革命を担った衛生兵や看護師、
・そして60年、70年安保闘争を闘った医師や看護師がここに合流。 
それゆえ日本の地域医療には、ロシア革命、中国革命の炎が燃え続けています。
再び世界戦争に突入し、中東が帝国主義支配の最も弱い環となった今、
地域医療を拠点にして、「医療と戦争は相いれない。ガザの虐殺とめろ」の旗を掲げ、
パレスチナ人民、世界の労働者人民と連帯して、第三次世界大戦を始まる前に止めましょう。





3)医療現場から医師をはじめ医療福祉労働者の戦争動員攻撃が始まっている

 日本政府はコロナパンデミック、ウクライナ戦争を「有事」と捉え最後的に戦争への舵を切りました。
「超えてはならない一線を越えた『同意』」について以下の2つを取り上げます。
その一つ目は遺伝子ワクチンです。
アメリカで起こった2001年の炭素菌事件を契機に世界各国が「表ではワクチン、裏では生物兵器」の研究を進めてできたのが遺伝子ワクチン。
 ある東大教授は、「欧米では平時からバイオテロなど有事に備えた研究をしている。ワクチンは外交や国防の要であるという意識の希薄さが支援の金額やスピード感の遅れに」と「敗因」を語っています。
ウクライナを最新兵器の実験場に、コロナパンデミックを遺伝子ワクチンの実験場に。
 特にイスラエルは武器輸出世界第10位という最強の軍事国家。
ファイザーの最高経営責任者はユダヤ人で、ネタニヤフ首相とは親しい間柄。
2020年真っ先に大量のワクチンを買い入れ、「人体実験」のデータを全てファイザーに提出。
ワクチンという鎧を身に付けたイスラエルは翌年にパレスチナ空爆を行いました。
(参照)BS世界のドキュメンタリー「ガザに留学した医学生」2021年
 日本でも「非常事態」だからと臨床試験もせず、遺伝子ワクチン接種を医師から開始。
医師が診察室で十分な説明をしない「ワクチン接種の『同意』」を患者からとります。
私たちは「遺伝子ワクチンではなく公的医療の拡充を!」で闘ってきました。
(参照)
二つ目はマイナ保険証です。
 国民皆保険制度の改悪であり、国民総背番号制度の具体化です。
患者の個人情報を全てマイナポータルへ、国家が一元管理し監視・徴税・徴用・徴兵に。
11月の利用率は4.33%に下落。2024年1月から「利用が増加した医療機関に支援金」の飴。
「受け付けることは義務。利用できなかったら、総合フリーダイヤルに“密告”」とムチ。
ここでも医師が患者に窓口で「個人情報提供の『同意』」をとります。
医療の「安全と秘守義務」=医師の良心、階級性が奪われたとき、「徴兵検査」「731部隊]への道はすぐです。
私たちは「マイナ保険証は現代の赤紙、紙の保険証で診察受けよう」と闘っています。
(参照1)
(参照2)
(参照3)
(参照4)




4)医師(医療労働者)は731部隊(石井細菌部隊)を繰り返すな

 1932年、京都帝国大学医学部出身の軍医石井四郎は、大蔵大臣高橋是清と交渉し、
年間1000万(現在の100億円)、合計1億円(現在の1000億円)の資金を得て、
ハルピンに「関東軍防疫給水部」(ワクチンや浄水器などを作って使用した合法的な施設)、
ピンファンに巨大な研究実験施設(細菌兵器をつくって人体実験を行った非合法の施設)を建設しました。
(参照)「731部隊と医学者たち」
全国の大学から技師、医師、科学者を集め、
隊員には秘密を守るために石井の故郷・千葉県山武郡加茂(現在の芝山)から、
兄弟、親戚、地域の繫がりで口の堅い人々が集められました。
(【証言】731石井部隊 郡司陽子 徳間書店)              
 日本帝国主義の侵略に対して民族解放戦争に立ち上がった人々を逮捕して「丸太」と呼んで、
細菌、毒ガス、爆弾、凍傷、静脈塞栓、脳刺激、等々人道上決して許されない人体実験を行い、
3千人を超える中国人、ロシア人などの人々を殺害しています。
いかにしたら安価で大量に人が殺せるかという実験でした。(ホロコースト、原爆投下、ジェノサイド)
 731部隊に従事した医師や技師は、データをすべて提供することと引き換えに戦犯を免責され、
東大医学部、京大医学部、あるいは製薬会社でその経験を重用され、「白い巨塔」とよばれた医局と医学・薬学界に引き継がれその支配は今も続いています。
※私達医学生は彼らから人体実験のデータを使った教科書で授業を受けましたが、731部隊のことはまだ知られていませんでした。
しかし1960年代、1970年代の医局解体闘争の根底には、こうした教授達に対する様々な疑問や違和感、怒りがあったのです。
 石井は部隊を解散させる時、隊員3000名に「見聞きしたことはしゃべるな」と緘口令で脅しましたが、
1949年ソ連ハバロフスク裁判記録に後悔の念を込めて真実を語る元隊員の証言が残されています。
(参照)NHKスペシャル「731部隊の真実~エリート医学者と人体実験~」
朝鮮戦争で「アメリカが細菌兵器を使用、石井が関わったかも」という報道もありました。
日帝の国策として細菌戦を実戦したにもかかわらず、日本政府は731部隊をいまだに認めていません。
三里塚闘争・70年安保闘争は、石井細菌部隊を徹底弾劾し、二度と戦争をさせない闘いです。




5)国公立病院・大学の独法化は医療福祉労働者の労組破壊と戦争動員のため

(1)2001年1月6日独立行政法人制度の発足。新自由主義は、国公立病院に民営化を開始。
2006年、維新の橋下は大阪府立病院を全国の都道府県立病院として初めて独法化。
大阪府の公的医療機関の民営化の結果コロナ死者は全国一となった。保健師が多いとコロナ罹患率は低下。
2019年9月厚労省は、全国424公立・公的病院病院の「再編・統合」実名公表。
2022年7月1日小池都知事、都立病院(8病院)と公社病院(6病院・東京都がん検診センター)を一体として地方独立行政法人化し、地方独立行政法人東京都立病院機構が設立。
都立病院独法化は、直営の都立病院を全廃し、法人による民間運営を強行し民間への売却も可能。
今後の全国的な公立・公的436病院再編・統合の先鞭を付ける攻撃。

病院独法化で何が起こるか。板橋区の「健康長寿医療センター」の例
①病床が711床から550床に ②有料個室は病床の25% ③最高2万6千円の差額ベッド代 
④入院時10万円の保証金。⑤自費負担は、都議会の審議なしに変えられる。
独法化によって海外富裕層向けの「医療ツーリズム」など「稼ぐ医療」へ傾斜。

2022年6月17日、政府は「内閣感染症危機管理庁」を設置し、公立・公的病院に「医療提供・医療人材派遣」を罰則付きで義務化した。
「東京都立病院機構」の定款:「災害及び公衆衛生上の緊急事態等に対処するために必要な業務を行うこと」⇒1万5千人もの労働者を有事動員することを意味する。
「公的医療・福祉増進」の公務をはぎとり反戦意識と誇りを奪い「命の選別」をさせる攻撃。
高槻医療福祉労組や二和病院労組のストをはじめ広範な労働者の闘いが広がっている。

(2)2023年12月1日から参議院本会議で国立大学法人法の改正案。
大規模な国立大学法人に学長と3人以上の委員でつくる「運営方針会議」の設置を義務付け、
会議の委員を文部科学大臣が承認する。反対する4万人あまりの署名。
2023年12月13日に参議院で可決。「稼げる大学」にし、大学の自治を奪い、政権に不都合な発言をした人物は任命拒否。2020年に大問題となった日本学術会議の任命拒否と全く同じ構図。

1933年滝川事件、1934年天皇機関説事件、大学の自治や学問の自由が破壊されアジア侵略へ。

<東京大学でなにが起こっているか> 
先端科学技術研究センター経済安全保障プログラムと、NATOが共催したシンポジウム
2023年12月5日 朝日「東京大学 水面下の政策 大学の軍事研究 社会議論は」(参照)
「平和主義を謳ってきた日本の大学がNATOや一般も参加できるイベントを催すのは異例。
テーマは、先端技術をめぐる経済安保政策やサイバー防衛、他国に混乱をもたらす偽情報への対応など新しい時代の安全保障だった。・・欧米の中国に対する警戒感の強さが肌身で感じられた。
国立大学の理事経験者は『よく東大執行部が認めたね。しかも本郷で』と驚いた。
半世紀前の東大紛争のころなら、想像もつかないイベントだろう。
いわゆる軍事研究をめぐって日本の大学はいま岐路を迎えている。
政府は、軍事にも民生にも使える先端技術の研究資金を大幅に増やし『介入』を強めている。
日本学術会議の会員任命拒否問題は、軍事研究に否定的な声明を出したことへの『みせしめ』。
世界トップクラスをめざす大学に巨額支援で優遇する国際卓越研究大学の制度も焦点に。 
ウクライナ戦争や台湾海峡の有事リスクなど、激動する国際情勢が背景にあるが、それをテコに現状変更を促そうとする強い力を感じる。政策論議が一部の人たちだけで水面下で進められ、見えたときには事実上決まっており、詳しい内容も明らかにされないことだ。むしろ当事者である大学こそが議論を深められる立場ではないか。」
※「独法化は金儲け医療への転換」元東大医学部付属病院職組書記長 早川恵子さんに聞く
 実力闘争貫いた分院職組 2001年激変した労働・医療環境

<京都大学でなにが起こっているか>
2023年12月1日 元防衛副大臣 中山康秀講演「テロとの戦いと日本の使命」

※京大全学自治会同学会 再建準備会のXから
「参加した学生が、パレスチナ人民の武装闘争のみをひたすら「テロ」と罵倒し、排外主義を満展開する中山に対し、「米・イスラエルのやっていることはテロじゃないのか。ふざけるな。」と弾劾したところ、複数の警察権力と大学職員がやってきました!」
12月12日国立大学法人法改悪反対学内スタンディング 学生有志

当局「告示第12号共用スペース無断占有、大音響を発する行為などの迷惑行為 法的措置も」

12月14日 駐日パレスチナ代表部大使から感謝のメッセージ

12月15日(金)12時より京大総人広場にて京大全国反戦集会

文学部准教授 川島隆氏のメッセージ

12月25日、1月10日「京大のイスラエル支援=戦勝協力許すな 窓口抗議行動」

 
ベトナム反戦と結合して、全学バリケードストライキで大学の自治を奪い返した70年安保。
パレスチナ反戦闘争と結合した学生運動を復権する闘いが京大の処分撤回闘争から。
ここから地域医療を担う若手医師が大量に生まれてくる予感がします。





6)医療労働者は聖職者意識を乗り越え、労働組合と共に地域医療を担おう

(1)厚労省調査では、勤務医で2 万人が年1,920 時間超(過労死ラインの倍)、
 6 万人が960 時間超(過労死ライン)で勤務医20 万人の4割が過労死ライン超。
 2024年4月から開始される「医師の働き方改革」は、医師の絶対的な不足を解決しない。
 不十分な診療報酬や財政措置の改善を放置し、時間外・休日労働時間がクリアできない病  
 院にペナルティをかけて地域医療を崩壊させます。
 本田宏医師「医師数がOECD平均と比べ13万人少なく、公立・公的病院の割合も低い」

(2)アジア一のベッド数を誇るT病院の医師は、十分な医療が行える患者数の3倍を担当。
 良心的医師は転職するか開業して辞めて行き、経営を優先する医師に置き換えられている。 
 その皺寄せが聖職者意識とスキルアップで頑張ろうとする研修医に向かう。これは全国共通。
 週4回の当直で翌日も勤務。過労と責任感。多くの青年医師が鬱や自死に追い込まれている。

(3)これを変える力は、最も現場のことを知っている労働組合にあります。
 その団結で、医師・公立病院を減らす岸田政権の戦争国家化を打ち破ろう。
 職場の権力を取ることだ。学生時代のバリケートストで私は一瞬「その萌芽」をみました。

(4)大学を卒業して2年後に無医村だった現在の地に赴任し今年で50年。
 80になった今でも、後任の医師がなかなか見つからず、一日も休みが取れない状態です。
 医療事故や、患者さんの病状が気になると寝られなくなり安定剤を飲みながら仕事をつづけて来ました。
 2000年に労働組合が結成され、八尾市の民営化、病院潰しと闘って裁判にも勝ちました。
 八尾市が手を引いたあとは、労組の自主管理で医療・介護を続けています。
 私も労組に加入し、悩み事は何でも相談し、みんなに助けられて診療を続けられているのです。
 労組の存在がどんなに心強いか、いかなる困難も共に乗り越えていけると確信しています。

(5)再び地域ソビエトの「きざし」がはっきり見えて来ました。
 いよいよ2024年、55年前に私の目から鱗をはがした情勢をも遥かに超える激しい時代です。
 資本主義の全ての矛盾が噴出して、ガザと世界中が「生きさせろ!」の闘いで繋がっています。
 「パレスチナ虐殺やめろ、命を守り戦争を止めよう」のビラを大量に撒き、
 集会・デモを頻回に行い、多くの人々と繫がって組織を拡大しましよう。
 世界戦争を実力で止める年にしよう。闘えば必ず勝利できる。共に闘いましょう。


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