先日の熊本旅で創業1911年のDenkikanにて映画「骨なし灯篭」を観た。
【ストーリー】亡き妻の骨壺を抱え、死に場所を探し、彷徨う男がいた。古き時代の佇まいを残す、熊本豊前街道の温泉町「山鹿(やまが)」で、男は祭りのポスターに描かれた「灯籠娘」に、妻・ゆかりの面影を見る。元・美術教師の男・市井祐介(49)は、灯籠師見習い・直樹(30)に誘われるまま働き始めるが、一年が経ち、妻の三回忌を迎えても、深い喪失と孤独は拭えない。町を出ようと決めた、祭りの日。突然、ゆかりの双子の妹だという、あかりが現れる。「あなたにお願いがあって」千人灯籠を踊るために、スペインからやってきたというあかり。彼女の目的とは―――。脚本・監督木庭撫子
2015年に訪れたことのある熊本県山鹿を舞台にした作品で、八千代座やさくら湯をはじめ風光明媚な山鹿の魅力を伝えるとても静かな内容だった。灯篭師なる仕事があることを初めて知ったが、山鹿灯篭まつりで女性たちが頭に乗せる灯篭が紙で出来ていて卵一個分の重さであることに驚き、同時に見栄えが悪くならないようにのりしろがなく紙の厚みだけで成型する作り方にやたら魅せられた。劇中で灯篭師として認められた息子に対して母親が送る「自信を持て 過信するな 〇△■」のエールが素敵だったのだが、そのあとに続く台詞がどうしても思い出せない・・・私を含めて男性の多くはどこか妻が先立つことを想定していない気がする。その準備もしておかなきゃいけないと思った。
青森ひとり旅で観た映画「バカ塗りの娘」のようにその地元にゆかりのある作品はその地元で観ると気持ちが違う。