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山里ひぐらしの小径

木曽路の入り口、岐阜県中津川市から
人と自然とのかかわりをテーマに、山里、植物、離島など。

道端の草を料理する

2007-04-01 | 植物利用

あぜ道で採った食材=雑草。おいしくなさそう……。

でも料理次第でおいしくなります。縄文人はこうやって草を食べてたんだなぁ……。ついでに、戦時中の人たちも。縄文の人はもっといい料理法を知っていたかもしれません。

この日食べた草は

ノビル、カンゾウ、ニラ、シロツメクサ、コメツブツメクサ(?)、カラスノエンドウ、カスマグサ、ワサビ、ナズナ、タネツケバナ、セイタカアワダチソウ、ヒメジョオン、タンポポ(葉、根)、アザミ、フキ、ヨモギ、キンミズヒキ、セリ、ゲンノショウコ、ハコベ、ウシハコベ、カキドオシ、ギシギシ、スイバです。

不評なのはスイバでした。使いすぎはいけません。


カラスノエンドウのおひたしイタリアの磯風味

2007-03-30 | 植物利用

シデコブシが咲きそろい始めた。あちこちで3~5分咲き。まだまだ寒いけれど。水仙やタンポポも咲いている。昨日から風邪で寝ていたら、その間にぐんぐん春が進んでいる。

25日の足助新盛裏山塾では、野草を料理した。カンゾウの酢味噌和え、蕗味噌、ノビルといった定番はもちろんおいしかったが、ハコベのバター炒め、クローバー(コメツブツメクサの類)のバター炒めなどもよかった。講師の篠原さん伝授のタンポポの根のきんぴらや、アザミ寒天も作った。中でもすごくおいしくて評判だったのは、私が提案したレシピの写真のもの(自画自賛!)。カラスノエンドウをゆでてから醤油と花かつおで和え(ここまでは普通のおひたし)、オリーブオイルをたらして上に刻み海苔をふりかけたものです。海苔+かつおの組み合わせが食べられる日本はすばらしい。


足助新盛裏山塾 野の菜を食す

2007-03-27 | 植物利用

 

恵那、中津川では、シデコブシが咲き始めました。ソメイヨシノも早いところでちらほらです。3月から寒さがずっと続いていましたが、咲き始めはいつもよりかなり早いようです。

25日の裏山塾講座は、田畑の畦などに生えている「雑草」を食べるもの。4人ぐらいの班毎にオリジナル料理を作ってもらいました。

台所に立ったこともないという男性も、大活躍でした。

とりあえず食べられそうな草を撮ってきて、講師の篠原さんと私が「鑑定」した後、料理にかかります。野草を洗って種類別に分け、「どんな料理を作ろうかなー」と先生のアドバイスを受けながら考えます。


裏山塾 栗の板をけずる

2006-10-31 | 植物利用
古い時代にはのこぎりはなかったので、それを体験してみようと講師の丸山さんに言われ、極力なたを使って作業しました。
縄文時代の人は、石器でけずったりしてたのでしょう。

今回のなたは豊田市森林課にお借りしました。とてもよく切れるなたでした。

そろそろ紅葉が始まりました。
今年はいつまでたっても昼間はTシャツで過ごせます。
10月の終わりだというのに紅葉もさえません。

栗はきれいに割れます

2006-10-27 | 植物利用
栗はまっすぐに割れてくれます。細いものはなた、太いものはよきを当てて、その上から木槌でたたくと、すぱっと割れます。
中には曲がっている木があり、そうすると木目どおりに曲がって割れます。

昔から屋根などに使っている栗のへぎ板は、この性質を利用したもので、
のこぎりでひかず割ったままの状態で木目がつぶれていないからこそ、
水が木目を伝って流れ落ち、板がいたみにくかったという話を聞きます。

割れるということは、鉄の刃物がなかった時代、利用するためには大事な性質でした。

タマアジサイ いい感じに見ごろ

2006-08-25 | 植物利用
タマアジサイには両性花と装飾花があります。
外側の5つの白っぽいのは装飾花といっておしべもめしべもありません。
内側にたくさんある薄紫の粒粒は両性花で、まだつぼみ。
全体としては咲いているように見えます。


明日は大きな環境教育プログラムの仕事があります。
そのため本日は早仕舞い。

ホームページもあります&イラクサの帯

2006-08-12 | 植物利用
写真は、イラクサの帯を間近に見たところ。北海道で。
手で織るんだから根気がいります。


植生調査の取りまとめや講座、会議が続き、連日寝不足でした。
仕事がたくさんあるのはうれしいことですが、さすがに続くと苦しくなります。
今日は会議をパスさせていただき久しぶりに少しのんびりしました。
とはいっても油断しているとまた徹夜になってしまいます。

そんなわけで、ほかにいろいろ片付けるべきことがあるのですが、
ついついホームページのちょこっと改造などに時を費やしてしまいました。
山里文化研究所のホームページは
http://www.yamazato4.com/ です。よろしく。


連日暑い日でした。本当に人の住める世の中じゃなくなってきたような……
昨日の街中はまるでフライパンの上みたい。

イラクサの帯

2006-08-05 | 植物利用
帯というのは正確ではなく、アイヌの人が刀を身につけるときの飾りです。その刀も実際に使うのではなく、祭礼で正装するときのものです。

イラクサにはとげがありますが、夏を過ぎるととげが痛くなくなるので、その時期にイラクサを採取するそうです。

イラクサで衣服をつくるのは西洋にもあるようです。

この続きのお話はまたの機会にします。


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今週は仕事が山積してへとへとでした。何とか一週間が終わりました。明日はほんの少しだけのんびりしますが、来週半ばのある案件の納品まで緊張が解けません。
普通にゆっくりしたいですが、きっと働いている人はみんな同じなのでしょう。

イケマの根の保存

2006-07-31 | 植物利用
今日中津川ではアブラゼミが鳴き出しました。本格的な夏になったと思ったら、夕方ツクツクボーシが鳴き出しました。
もうそんな季節?と思ったけど、明日から8月だから、変ではありません。今年は梅雨が長かったのでおかしな感じがするのでしょう。

ヒグラシを秋の虫だと思っている人が多いようですが、ここでは6月の終わりか7月の初めから鳴き出す、梅雨時のセミです。夏の始まりを告げてくれます。ハルゼミの次に早いセミです。
ツクツクボーシも、都市部の暑いところよりずっと早く鳴きだします。


さて、北海道の植物利用です。

イケマの根はビーズのように使われています。根を適当な大きさにぶつ切りして、面取りをします。すると、外側の茶色い皮から内側の白いところが見えて白黒のビーズという感じになります。このあたり、エンジュの木彫りの色合いと似ています。
その真ん中にひもを通して、こんなふうにしまっておくのです。これができあがりの形ではなくて、必要なときにここからイケマのビーズをはずして、この前の帽子の飾りのように、使うのです。

イケマの葉

2006-07-31 | 植物利用
後日博物館でアイヌがイケマの根で魔よけを作ることを知り、分かったのです。
イケマはちょうど今頃が花期。1996年ごろだったか、8月6日に恵那山麓の川をさかのぼりイワタバコを見に行ったとき見つけました。

アイヌの魔よけ~イケマ~

2006-07-27 | 植物利用
帽子につけた赤い飾りの先についているのは、イケマの根。ペヌプと呼ばれていて、そのときは植物名が分かりませんでした。
イケマは有毒植物で、盛夏に白い小花を真ん丸い房状に咲かせ、なかなかきれいなものです。どちらかというと涼しい地方にあります。中津川でも恵那山麓の標高500mぐらいのところから現れます。

樹木布 アツシ~オヒョウの皮

2006-07-20 | 植物利用
6月中旬に北海道に行きました。前半はアイヌの植物を使った布やかごづくりを見に、後半は森林の研修会です。

写真は、オヒョウの皮を干しているところ。浦河町で見せていただきました。
オヒョウはシナノキより少し早く、6月上旬には皮をむいてしまいます。
樹皮をはいで、外皮は取り除き、内皮をこのように干します。こうして干しておけば、何年も保存できるそうです。
これだけあればかなりのものが作れます。

広い作業場で盛大に干したりするのかと思ったら、裏庭でちょこちょこっとやるのですね。植物布づくりは昔のアイヌでは職業的なものではなく誰もが家庭でやっていたということです。

オヒョウは今では少なくなり、入手しにくいそうです。山の奥深くに行かないとないとか。使うときには、木を買い取り、1本切り倒して皮を全部はぐそうです。そうすると切り株から萌芽更新するので心配ない。昔は樹皮の3分の1だけをはぐ、ということをしたが、今のやり方の法が合理的で木にもいいようだと言われました。

庭にも何本かオヒョウが植えられていますがまだ小さいのです。
オヒョウは直径15センチぐらいのものがいい。樹齢30年ぐらいで育つそうです。
意外に成長の早い木です。

岐阜県中津川市の恵那山の標高1200~1300mあたりにオヒョウがとってもたくさんあると言ったら、驚かれて、採りにいきたい、といわれました。

オヒョウはアイヌ語ではアツといい、これで織った着物をアツシというのです。