2か月ぶりの山歩きだ。
コースは、娘が3,4歳のとき家族そろって歩いて以来の高水三山縦走。
ゴールデンウィーク初日の4月29日とあって、登山口の軍畑駅前は大勢の登山客で大賑わい。
トイレは長蛇の列。
スマホで調べると30分ほど歩いた高水山の登山口にもあるようなので列をはなれて歩き始めた。
平日の山は、我々のようなリタイア組が多いが、休日なので若い人のグループが多い。
子ども連れも何組かいた。
とにかく新緑が光をあびてまぶしい。
道沿いの沢をのぞき込むといろんな花が咲いている。
これはヤブデマリ。近くでこんなにきれいに咲いているのは初めてみた。
途中の民家の庭にも色とりどりの花が咲いていて、中でもフジが濃厚な香りをただよわせていた。
道端に祠があって不動様を祀ってあった。二体の童子が付き従っている。
あちらにもこちらにも、ヒメウツギが咲いて道をかざっていた。
道は、榎峠をこえて上成木へ抜けるので、ときどきツーリングのバイクが通り抜けていく。
その道を途中から左にそれて登山口へとむかう。
ここが登山口近くの高源寺。門のわきに公衆トイレがあったのでここを利用した。
振り仰ぐと竹の葉が逆行にかがやいていた。
歩いているとウグイスの声があちらでもこちらでも。
すぐ近くで鳴いていてもなかなか姿は見つけられない。
ツピツピというシジュウカラのさえずりも頻繁に聞こえてくる。
お寺からもう少し舗装の車道を歩くと釣り堀があって車道はおしまい。そこから登山道がはじまった。
少し歩くとかなり大きな砂防堰堤にぶつかり、わきの階段を登る。
2月末に屋久島に行ってきたHさん。それ以来の山歩きで、ここが最初の試練(笑)
高水山の山頂近くにはお寺があるので、このコースは参道でもある。
立派な石の標石がところどころにあった。
沢を詰めたあたりから尾根までしばらく急な登りが続いた。
ようやく尾根に。
多くのグループに追い越されながらゆっくりと登ってきたのでもう11時半近くになっていた。
尾根に出てからお寺まではゆるやかな登りで道も幅広くなり歩きやすい。
12時25分。常楽院に到着。昼食タイム。
途中で追い越していった若い人のグループが出発していき、入れ替わりに外人さんのグループが現れた。
奥多摩は米軍関係のアメリカ人をよく見かける。
常楽院の狛犬。あまり犬っぽくない。
口元を別にすればコアラに見えなくもない。
このお寺は波切不動と呼ばれているらしく、堂の前にボートが3そう船底を上にしてそなえてあった。
食事を終え、記念撮影をして出発。
これから岩茸石山、惣岳山と歩くというのに、もう1時をすぎているぞ。
のんびりしすぎ。
でも、初夏の日差しの中で新緑がかがやいて美しい。
お寺からほんのひと登りで高水山山頂。ここでふたたび記念撮影。
岩茸石山までの道は、水平でとても歩きやすかった。
前に歩いたのは40年も前のこと。こういうところはまず記憶に残っていない。
その快適な道も終わっていよいよ岩茸石山への登りだ。
木の根を踏んでの急登だが、標高差はあまりない。
すぐに793mの山頂に到着。午後2時だった。
山頂にはまだ大勢が休んでいた。座る場所がないほど。
立ったまま川苔山から奥武蔵の方向に連なる山なみをながめていた。
するとMさんが、ここまで時間をかけすぎているからと先にすすみだした。
このコースの最高点であり、しかも展望のよい山頂をあっさりと後にして次の惣岳山へとむかった。
しばらく急な下りだ。
岩茸石山付近から少し涼しい風が吹いていたが、登りではちょうどいい感じだった。
下り始めて、道も楽になると少し肌寒く感じ始めたので、途中で一枚着込んだ。
岩茸石山から惣岳山のコースは去年の3月に棒の嶺から歩いたことがあったので、惣岳山の皆伐の状況は知っていた。
眺めはよくなるが、それにしてもこれだけの面積が丸裸。
植林はされているらしく、鹿よけの新しい柵が設置されていた。
でもこの新しい柵にだまされて道を間違えてしまった。
木の根まじりの岩場を登るところで、先を歩いていた女性陣が柵沿いに入っていった。
なんとなく歩けそうな感じなので私もあえて後に従ったがこれが間違い。
土の急斜面なので歩きにくいうえに、最後の登山道へでるところが急すぎてなかなかあがれない。
しかたがないので私がわきから回り込んで先行し、上から引き上げることになってしまった。
山頂に近づいたとき、なんとこの季節なのにタチツボスミレの咲き残りがあった。
展望のない惣岳山山頂の神社。ここは山頂をパスするう回路を利用した方が楽だし、時間的にも早そうだ。
でも5分だけ、といって休憩をしていると、地面の向こうで動物の耳がピコピコ動いた。
ウサギ? でも少し形が違うなと思っていたら、ひょっこり鹿が顔をのぞかせた。
まだ若い鹿だ。様子を見ていると、むこうもこちらに気が付いているのに、斜面をのぼって全身を見せてくれた。
お疲れのHさんには3っ目の山頂をがんばったごほうびになったかも。
そこから御岳へむかう道をくだり、途中の分岐で沢井へくだった。
疲れてしまったHさんに登り返しはつらいのと、沢井に下ればすぐに舗装の道にでられる。
そうすれば少し長くても惰性で歩けるだろうと考えたのだ。
まあ、この考えは間違っていなかったようで、なんとかがんばって直近の電車に乗ることができた。