大雪の予報で赤城山でのスノーシューを中止した。そのことで雪の赤城山に行ったことを思い出した。
もう6年前になってしまったが、雪の中を歩きたくなって初心者向きの赤城山主峰、黒檜山に車で出かけた。
3月も16日なのでもはや残雪の春山といっていいかもしれない。
赤城山ビジターセンターがある覚満淵から赤城神社のほうにむかう途中、駒ケ岳への登山口に駐車場があってきれいに除雪されていた。7時20分登山開始。
少し高度をあげると木々の間から小さなスキー場が見える。
リフトもない小さなゲレンデ。利用者もほとんどないようだ。
しばらくは急な登りが続く。雪はたっぷりとあった。
風が斜面にいろいろな造形をつくっている。
ようやく稜線に出て、これから1685mの駒ケ岳へとむかう。
雪面にある足跡も雪をかぶって浅くなっている。
このときはワカンも用意せず、ずっとツボ足で歩いたのだが、からだが慣れておらず、かかとが沈んだりしてよろけながら歩いた。
雪の中に自分の足跡だけが点々と続いている。
はっきりしたトレースのないところを歩くのは、うれしいものだ。
途中で振り返ると長七郎山の右に小沼の白い湖面が見えた。その向こうには関東平野が茫洋と広がっている。
駒ケ岳への登りも東側が開けていて、日光方面の山々が眺められた。
8時50分、駒ケ岳山頂に到着。1685mだ。
木々のあいだから主峰の黒檜山が見える。
見通しのよい尾根が続く。
左手に結氷した大沼とその向こうに地蔵岳が見えた。もう地蔵岳よりも高いところに来ている。
花見が原への分岐の標識があった。もう山頂は近い。
黒檜大神の鳥居がある。社殿はなくて石碑だけが祀られている。
そして山頂の北にある展望台にくると、上越国境の白い山々の連なりが見渡せた。
11時40分。駒ケ岳から3時間近くかかっている。
山頂には4人の若者が休んでいたが、大沼のほうから直接登ってきたようだ。
駒ケ岳から続いていた浅い足跡はやはり少し前に登った人のものだったようだ。
山頂標識に戻り、これから大沼へと急なくだりとなる。
雪が深い中での急なくだりは、足元が定まらず苦労をさせられた。
急な道には木の根や岩、そして雨でえぐられた大きな段差などが隠されている。
登りなら危なそうなところは雪を払って確認するが、下りではそうもいかない。
雪の具合でおおよそ見当をつけて足を踏み出すのだが、予想がはずれてバランスを崩す。
樹林の中なのでそう危ないことはない。雪とたわむれながらよろけながら歩くので、からだは疲れる。
大沼とすぐ足元に赤城神社を見下ろせるポイントがあった。もう少しだ。
11時42分、大沼のほとり、黒檜山の登山口に無事到着した。
そこは沼田へむかう道路と大沼を周回する道路の分岐点だった。
結氷した大沼では氷の上でワカサギ釣りを楽しんでいる人もいた。
私も少し氷の上に出てみた。振り返ると黒檜山が正面に見えた。堂々として立派な姿だ。
このあと赤城神社によって、駒ケ岳登山口に停めてある車へと戻った。