毎日が山のこと

最近の山歩きの記録はもちろん、作ってみた山行プラン、過去の山歩きの記録も順次掲載中です。

雪の奥多摩御前山(2022年2月16日)

2022-02-18 08:31:15 | 山日記

今年は毎週末ごとに南岸低気圧が通って、関東にも雪をもたらした。

先週は、平野部には積雪はなかったものの、奥多摩や秩父はかなり積もったようだ。

これは行かないわけにはいかない。

どこに行くか?

最初は、このブログにも書いたまだ登っていない奈良倉山にしようと考えていたが、直前になって考え直した。

かなりの積雪があった場合、下山後のバスの時刻にしばられているとろくなことはないと。

そこでしばらく登っていない奥多摩の御前山に行くことにした。

標高は1405m。大岳山と三頭山という便利で人気の山にはさまれており、奥多摩湖から登ると550mくらいの湖畔から標高差850mの急登となるので二つの山に比べると登山者は少ないと思う。

バスから降りて、9時少し過ぎに出発。

ダムの堰堤からみえる山々も雪化粧だ。

鷹ノ巣山からのびる榧ノ木尾根の先端、倉戸山が冬の日差しをあびて暖かそうな色に染まっている。

こちらは六ツ石山。ここもダムそばの水根からだと急登が待っている。

ダム湖の見晴らし台に登る階段は雪におおわれていた。雪の階段は滑ると怖い。

足元が危ないので中途の広場によって軽アイゼンを装着した。持ってきたのは4本爪の最低限のもの。

どんどん高度があがる。

山頂から北西にのびるこの尾根では、ちょうど登る方向から日が差してくる。

雪の質感をだして写真を撮るのはむずかしい。撮ってみてもなかなか見たようなイメージにはなってくれない。

1時間以上歩いているので、腰掛によさそうな倒木を見つけて休憩にした。

出だしの急登では、4本爪の軽アイゼンでは足元が安定せず、6本爪のものを持ってくるべきだったと反省した。

そういえば、先ほど追い越していった若い女性二人ずれはチェーンスパイクを装着していた。

足の裏全体に爪が配置されているので効果的なのかもしれないな。

木々のあいだから三頭山が見えていた。買ってきた大福をほおばる。

休憩した地点から少し登るとそこがサス沢山940mだった。

標柱のわきには木製の展望テラスがあって奥多摩湖と三頭山などが見渡せた。

ただ木製のためかアイゼンのまま乗らないようにとの注意書きがしてあった。

さっき休憩したばかりなので、写真を撮っただけで登り始めた。

サス沢山からはしばらくゆるやかな尾根となり、そのあと80mほど急登。その後しばらくゆるやかになり、今度は100mほど急登。

平らになってほっとしては次の急登へとむかう。

こうしてみると急登のところは余裕がないので写真を撮っていない。

だから写真だけ見るとずっと平らなところを歩いているように見えるかもしれない。

部分的には、トレースではなくて、深い足跡のつらなりになる。

斜面に雪に木々の影がリズミカルだ。

しだいに雪が深くなってきて、吹き溜まりのところでは膝までもぐるようになった。でもしっかりした足跡があるので比較的楽に歩ける。

天気は上々。

斜面に鹿の足跡らしいものがあった。

逆光の雪のきらめきを捉えてみたいがなかなか・・・・。

三頭山へとつづく尾根の葉を落とした木々がまだらな頭髪に見える。それでも私の頭よりはずっとましかも。

地形図の1128m標高点付近だとおもうが、右手に富士山が見えていることに気がついた。

木が多いのですっきりとは見えないが、やはり見えているとうれしくなる。

隙間をみつけて写してみるが、くっきりというわけにはいかない。

なんとなく山頂稜線という雰囲気だと思ったが、どうしてどうしてまだ先は長かった。

振り返ると遠くに変わった形のピークが見えた。方向と形から日原の奥、雲取山から長々と伸びている長沢背稜にある三ツドッケ(天目山)だろうと思う。

このあたりから惣岳山の手前の急登には苦しめられた。

私の軽アイゼンでは、からだを支え切らずにずるずると落ちてしまう。

持っていたポールを横にして手も使ってなんとか乗り切ったが、疲れた。

惣岳山から尾根通しに栃寄へ下るルートがあるが、踏みあとはついていなかった。

ここまでかなり苦しめられてかなり足に来ていたが、傾斜がゆるくなれば元気になる。

御前山のこのあたりは春になればカタクリの名所らしい。

植生保護の柵がはりめぐらされている。そんな季節にまた登れたらいいなと思う。

あと300mだ!もう午後1時をまわってしまった。

頂上手前には昔から富士山のビューポイントがある。

ここはかわっていないなぁ。

北西の風に頂上に雲がまとわりついている。

やっと頂上だ。

少し遅くなったので、もうだれもいなかった。

頂上付近の北側の木が伐採されたらしく、奥多摩の山々が一望に見渡せる。

雲取、飛龍から鷹ノ巣山、六ッ石山。長沢背稜の峰々。何度もかよった川乗山はどれがそうなのかおぼつかない。

雪化粧の雲取山。

ちょうどいい方向に三角点標石があったのでカメラをおいて自撮りしてみた。

ちょっと位置が低すぎたかな(笑)

出発から4時間20分もかかってしまったので、休憩は15分で切り上げて下山を開始した。

少し東に下ると分岐点がある。南東に向かえば湯久保尾根から五日市へ。でも下山後バスがほとんどない。

たいがいは払沢ノ滝入口まであるくことになる。

そのまま東に向かえば大ダワをへて大岳山へとつづく尾根。

私は左の栃寄への道で下山する。

すぐに立派な避難小屋があった。建て替えられて新しくなったらしくきれいだし、ガラス張りだ。

大岳山とその向こうに横浜方面の平野が見渡せる。いいところに建っている。

そこで先行している2人の人影に気がついた。たぶん避難小屋あたりで休憩していたのだろう。

追いつこうかと少しいそいでみたら、北斜面の深雪に足がつってしまった。

休憩15分は短すぎたか。みっともないので少し休憩して距離をおく。

そして控えめの速度で下山していった。その後山の中では追いつくことはなかった。

こんな写真もあしの疲れをごまかすための休憩をかねている。

ゆっくり歩いているつもりでも、深雪にだんだんと足がつりそうになる。

ふとみると都民の森の東屋が見えたので、立ち寄って休憩する。

東屋の床に不思議な雪の結晶模様らしいものができていた。

これも私の写真技術ではなかなかその美しさが写し取れない。

10分ほど休んで再びペースを注意しながら歩き始めた。

また東屋があって、そこから林道が続いていて、先行者のトレースもその道をたどっている。

みると谷間にむかう山道は通行止になっていた。

林道になったので格段に歩きやすくなった。

北斜面をかなり降ったのでようやく陽の目を見ることができた。

またまた東屋があって、そこからは舗装道路が続いていた。道は除雪されて路面が見えている。

もう雪に苦しめられることはないが、なんとなくさびしくなる。

向かいの六ッ石山が傾きかけた冬の午後の日差しをあびて明るい。

舗装道路歩きは、雪道歩きと使う筋肉が違うらしく、もう足がつることもない。

山奥にある栃寄の集落にでた。北斜面にある集落なので冬はきびしそうだ。

そこからも延々と舗装道路を歩いてくだる。

途中で先ほどの女性二人組の姿が見えてきた。

ちょうど境橋についたところで追いついた。

バス停を確認すると奥多摩駅行きのバスは20分後の到着だった。グッドタイミング!

はずして手に持っていたスパッツやアイゼンの雪をはらってしまい込んでバスを待つ。

久しぶりにくたびれた山行だったが、雪の山をたっぷりと歩けた満足感にひたることができた。

 

 

コメント
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