またまた記事のネタが枯渇しまして、またまた小樽へ行ってきました。はい、札幌にも良建築は沢山存在しているのですが、何せのっぺりと広範囲に点在している感じなので、小樽で建築探訪する方が“楽”なのです。(楽だから行くのか!!)
えーと、主要な道から少し外れた場所にもこんな建築が在ったりします。小樽軟石の倉庫をリノベーションした工房です。
更にその建築と隣接して建つ歯医者さん。やはり小樽軟石の倉庫を改修したものです。
やはり小樽は素敵な街です。
「市立小樽美術館」が好きで、よく訪れる。もとは「小樽地方貯金局」ということで、なかなかのモダニズムぶりなのである。
常設展示は主として中村善作氏と一原有徳氏のもので、この二氏の作品だけでも見応え十分だ。次回、PRESS CAFEの帰りにまた寄りたいと思う。
「市立小樽美術館」
設計者:? 竣工:?年 小樽市色内1-9-5
生前、坂本九さんは北海道で福祉関係の番組を持たれていた。「サンデー九」という長寿番組で、それこそ全道各地の福祉施設やチャリティーイベントを取り上げた番組だった。その縁でここ栗山町には「坂本九思い出記念館」がある。ある程度年齢が高い北海道民にとって、九ちゃんは特別な存在だったのだ。
この建築は、九ちゃんに因んで九角形の塔を展示場のメインとしている。平面形は数字の9となっているそうで、様々な箇所に「9」が取り入れられた建物だ。正確に言うと9をひっくり返した平面形なのだが、野暮は言いっこなしである。館内では九ちゃんのベストアルバムがエンドレスでかけられていた。実は、そのアルバムを持っていたりする。しかし。聴いたのは久しぶりだった。
「坂本九思い出記念館」
設計者:? 竣工:1992年 北海道栗山町大井分256番地21
煉瓦は何処に使用されているのかと言うと、建物の基壇に位置する部分にである。全体の割合からすると少ないが、とにかく煉瓦である。実は2000年に建て替えられたこの駅舎及び文化施設の反対側の敷地には、大きな煉瓦倉庫が建っている。
やはり、煉瓦は北海道に根ざしていたのだろうか…。勿論現在は、新築でこのような煉瓦建築を建てることはまずないのだが。
「栗山駅・くりやまカルチャープラザEki」
設計者:TAU設計工房 竣工:2000年 北海道栗山町錦4丁目
2007年に夕張市は財政破綻し、市が運営してきたこの「夕張鹿鳴館/旧北海道炭礦汽船㈱鹿ノ谷倶楽部」も閉館となった。空知地方は道内でも有数の豪雪地で、今年は特に凄い積雪量となり潰れてしまう建築も多かった。この名建築は毎冬ボランティアの手で雪降ろしが行われてきたのだが、それゆえ屋根材を傷付けたりのトラブルも発生していた。しかし2009年小樽の業者に譲渡され、オーベルジュとして甦ったのである。心底ほっとしている。と言った訳で、少しでも力になれたらと宿泊してきた。
昭和天皇皇后両陛下が宿泊されたり格式高い和風建築なのであるが、オーベルジュとしてリノベーションされた為、オリジナルではない部分も多い。だが、この建築が残って本当に良かったと思う。
勿論、当時のままの素晴らしい内装も沢山見ることが出来る。
この洋間には昭和29年に昭和天皇皇后両陛下が、昭和33年には当時皇太子だった平成天皇が御宿泊なさっている。
宿泊客は以前従業員の宿泊施設だった建築に泊まるのだが、これも立派な建築に改修されている。ただオリジナル部分はあまり残っていないようである。
「夕張鹿鳴館/旧北海道炭磺汽船㈱鹿ノ谷倶楽部」
施工者:篠原要次郎 竣工:1913年 北海道夕張市鹿の谷2丁目4番地
2011年9月文化庁が制定する有形文化財に登録
2007年11月経済産業省が近代産業遺産に認定
2001年北海道遺産に認定
ちょっと息抜きというか、こんな写真を載せてみました。妻側に「幸福の黄色いハンカチ想い出の家」と書いてあります。そう、ここは夕張市内に在る、あの名画のロケ地なのです。
まずはこの黄色いハンカチを載せなければ。皆様、あの名シーンが甦りましたでしょうか?
この長屋の中は資料館となっていて、武田鉄也さんが運転していたマツダのファミリアも展示されています。
そしてその奥には…。
おお!健さんと倍賞千恵子さん。
健さんが固まっています。
ちょっとした息抜きのつもりでしたが、現在こんな木造長屋を見る事はなかなか出来なくなってきましたので、案外貴重な写真かも…。私が小さい頃には、あちこちに建っていたのですが…。
大学院の同期生の中で、街並みを歩いた際に“何か特に意識を強く持った瞬間”の統計を取った方がいた。その結果、札幌市民にとって「煉瓦建築」はさほど特異なものではなく、注目の対象ではないということであった。以前、penkou師匠に「煉瓦建築は北海道バナキュラーか?」的な質問を頂いた際、気軽に「煉瓦はさほど北海道的なものではない」と答え、困惑させてしまった。よくよく考えてみると、人々が“ごく普通の建築”と思うそれこそが、北海道的だったのだ。確かに現在煉瓦で施工する例は、よっぽど思い入れを持った建築家によるものくらいしか無いかもしれないが、モダニズム時代には北海道バナキュラーと言えたのかもしれない。ただ、北海道では他の地方と比べ、デザインの流行り廃れが異常に早く、言いきってしまうことにはやはり躊躇いもある。
で、今回の建築であるが「小林酒造の倉庫群」である。御覧の通り煉瓦建築が多数を占めている。
明治から大正にかけて建てられたものであり、昨日UPした事務所棟より古い。煉瓦造の酒蔵は初めて見たが、その際あまり驚きが無かったということは、やはり煉瓦は北海道バナキュラーなのだろうか。penkou師匠、御免なさい。
「小林酒造仕込庫他」
設計者:? 竣工:明治、大正期 北海道栗山町錦3
PS.赤い平べったい奴、直りました。本日、PRESS CAFEに行って参りました。コンサは先日やっと1勝しましたが、今日の結果は聞かないで(泣)。
penkou師匠に連れられて北大名誉教授の角先生にお話を伺いに行く度に、道内各所の酒造関連建築のことを知ることが出来た。 「僕がお酒好きだからね。」角先生はいつも笑いながらそうおっしゃっていた。そんな角先生の話に登場した「小林酒造」を訪ねたのである。
小林酒造は新潟県出雲出身の小林伝四郎が札幌で興したものだが、明治34年にはこの栗山へ移って来たそうだ。トップの写真「小林酒造北の錦記念館/旧小林酒造事務所」は擬洋風で、モダニズムの1歩手前的な感じがとても魅力的な建築だ。後日紹介する他の施設とは雰囲気が違う。実は小樽の銀行建築をモデルにしているそうである。2006年には国の登録有形文化財となった。お酒好きの角先生が登録を決定された?
「小林酒造北の錦記念館/旧小林酒造事務所」
設計者:? 竣工:1944年 北海道栗山町錦3
国の登録有形文化財
雪も融けたし小樽へ…、というのどかな理由ではなく、ちょっと焦ってPRESS CAFEへ行ってきました。そう何と、赤い平べったい奴にトラブルが発生してしまったのです!詳細は後日報告いたしますが「とうとう来たかー!」と言った感じです(泣)。マスターにガレージでの修理の手配をお願いしてきました。
さて、せっかく小樽に来たのだから、ちょっとだけ建築を見て廻ろうと思いました。こちら「旧向井呉服店支店倉庫」は現在カフェとして使われています。木造と煉瓦造を組み合わせた構造なのだそうです。小樽にある他の倉庫とは、ちょっと趣が違うように感じます。格好良いカフェですね。
「旧向井呉服店支店倉庫」
設計者:? 竣工:1907年 小樽市稲穂1丁目4-13
小樽市指定歴史的建造物
流石に4月の半ばですから、こんなに雪は有りませんでした。この道路上に架かる通路が、スカイウエイの続きです。キャンパスのその他の建物もUPしたいと思います。
この建物で講演会などを聴いたことは有りましたが、授業を受けたことはありません。
この建物のB1階に構造実験室があります。今年1月には学部3年生に、コンクリートテストピース圧縮試験の実験を見せました。年末年始には次の3年生に授業することになっております。まだ、学校との御縁は続いております。はい。
手前は札幌市立大学の図書館で、空中に浮いている通路が、講義棟へと繋がるスカイウエイです。この写真は3月の中頃のものですから、流石にもうこんなに雪は残っていないはず?です。それにしても昨日も雪が降り、道路はツルツルに凍ってしまうし、北海道の春はいったいいつ来るのでしょう?関東ではもうお花見のシーズンだというのに。
那須聖准教授によって基本設計がなされた「札幌市立大学大学院棟」です。2年間、大変お世話になりました。もう学生証を返却してしまったので、土日祝日は入れません。やはり、少し寂しくもありますが、年末年始に学部3年生の構造の授業で行われるコンクリート圧縮試験の指導に来ますので、完全に縁が切れた訳ではありません。札幌市中心部からは結構離れた場所に在りますので度々訪れるのは難しいかもしれませんが、芸術の森美術館の隣でもあることですし、美術館の帰りにでも寄ろうかな。
もう何だか、やけっぱち気味だが有りました。小樽の歴史的建造物「旧上勢友吉商店」が。小樽では木骨の石造が多く建てられていますが、この建築は純石造です。石造瓦屋根なのですが、3階建ての為、瓦がよく見えません。正面の中心部にある屋根から飛び出た明かり取りが、なかなか格好良いのですが、木々の緑が邪魔してよく分からない写真となってしまいました。
さて本日のお昼時、penkou師匠からお電話を頂きました。
penkou師匠「札幌の建築群はどうしたんだい?」
私「うっ…。」
えーと…、明日仕事の合間にチャンスが有ったら撮ります。無かったら撮りません!(きっぱり!)
「旧上勢友吉商店」
設計者:? 竣工:1921年 小樽市入船1-1-5
小樽市指定歴史的建造物
困ったら小樽へリターンズその2でUPした写真は2008年に撮影したものだった。トップの写真は田中酒造の倉庫と同じ3月11日に撮影したものである。最も奥にある大広間のレストランは、大分手を加えられていた。お客さんが写らないように端の写真しか撮れなかったが、こんな感じである。玄関から土足で入館出来るが、歴史を感じる立派な建築なので、やはり少し抵抗感はある。
恐らくオリジナルのままの座敷も何部屋か有って、そこでも食事が可能だ。ハンバーグやステーキがメインの店となったので、利用し易くなった。
勿論、また行ってみたいと思っている。
「旧塩田別邸」
設計者:? 竣工:1912年 小樽市入船2-8-1
小樽市指定歴史的建造物
小樽市都市景観賞(平成3年)
あの大災害から1年が経ちましたが、まだまだ被災地は、いや日本は大変な状況だと思います。出来ることを継続して行いたいと、常に思っています。
さて、まだ少しだけ博物館網走監獄の写真も有るのですが、どれも曇り空の為、今日UPする写真は青空のものが良いと思い実は先程撮影してきました。以前UPしたことのある「田中酒造」の「亀甲蔵」石造倉庫群で、やはり小樽市の歴史的建造物に指定されています。
こちら店舗側の下野はまだ新しい感じがします。近年に作られたものでしょうか。
どちらかというと、こちら製造場の方が、歴史を感じます。工場内見学を申し込むと、しぼりたて生原酒を試飲出来るそうですが、車で訪ねた為、当たり前ですが飲んでおりません。
「田中酒造亀甲蔵」
設計者:? 竣工:1905年頃 北海道小樽市信香町2番2号
小樽市指定歴史的建造物