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DOCOMORO100

モダニズムだけじゃない建築ブログ

2012年7月・8月建築探訪 その8「こちらが隣接する」

2012年08月29日 21時27分52秒 | 建築

 こちらが昨日UPした「大館樹海ドーム」に隣接して建つ「パークセンター」である。トップの写真に写る外観の印象は悪くなかった。

 たまたまこの日は何も催しものが行われておらず、内部はガランとして寂しい雰囲気であった。パークセンターということは、ドームを含めた公園の管理棟のようなものだと思うのだが、あまり活用されていない感じである。本当にたまたまそんな日に訪ねてしまったのかもしれない。

このような円弧を描いた建築が、ドームまで続いていて、割と大きな建築なのだ。様々な用途が有るように思う。この日はたまたま、使われていなかったと思いたい。

「パークセンター」
設計者:伊東豊雄 竣工:1997年 大館市上代野字稲荷台1-1


2012年7月・8月建築探訪 その7「秋田と言えば杉」

2012年08月28日 19時17分59秒 | 建築

 今や大断面集成材の代名詞ともなっている、伊東豊雄建築「大館樹海ドーム」を見てきた。内部で野球が出来るほどの大きさである。木造建築としては、日本一大きい。秋田杉を25000本も使っているのだそうだ。

 外観の幕下から延びる足部分は、コンクリート造である。大館市の中心部からは少し外れた場所に建っており、ドームを中心とした大きな公園にはやはり伊東豊雄氏設計のパークセンターも建っている。

「大館樹海ドーム」
設計者:伊東豊雄 竣工:1997年 大館市上代野字稲荷台1-1
1997年度芸術選奨文部大臣賞
1999年BCS賞


2012年7月・8月建築探訪 その6「秋田市の中心部にも赤レンガ」

2012年08月27日 19時07分18秒 | 建築

 秋田市の中心部にも、赤レンガの歴史的建築物が在る。「赤れんが郷土館/旧秋田銀行本店本館」であるが、丁度今年は建築後100年目に当り、様々な催しが開催されているようだ。残念ながら、私が訪ねた日には何も行われていなかったのだが。

 この建築は銀行建築であるから、入館後すぐに営業場所の大空間に出る。小樽で元銀行であった歴史的建築を沢山見てきた。吹き抜け大空間の2階部分は周り廊下になっているなど、この建築もそれらと同じ構成で建てられている。天井の照明器具にも歴史を感じる。

 赤レンガ建築であるが、辰野式ではないところがまた魅力的だ。

「赤れんが郷土館/旧秋田銀行本店本館」
設計者:牧彦七・山口直昭・星野男三郎 竣工:1912年 秋田市大町3-3-21


2012年7月・8月建築探訪 その5「一見した印象では・・・」

2012年08月26日 13時22分10秒 | 建築

 「これは岡田新一氏の設計かな?」と思ったら、谷口吉生氏であった。谷口建築は私の頭の中に「法隆寺宝物殿」や「葛西臨海水族園」などのイメージが刷り込まれていたので、すぐには結びつかなかったのだが、竣工年を確認したところ割と初期の作品と分かり納得した次第である。少し重たいイメージもあるが直線が強調されていて、ここから後のシャープな設計へと繋がっていくのだなと思えた。秋田市の中心部、千秋公園の中に在り、環境的にも良い場所に建っていた。

「秋田市立中央図書館・明徳館」
設計者:谷口吉生 竣工:1983年 秋田市千秋明徳町4番4号


2012年7月・8月建築探訪 その4「只者ではない誰かが・・・」

2012年08月25日 18時49分25秒 | 建築

 安藤忠雄氏の新「秋田県立美術館」に向かい歩いていたところ、お堀の先に目立ってデザインされた建築を見つけた。「カトリック秋田教会」の聖堂である。設計者を調べたのだが、まだ分かっていない。だが、明らかに建築家か、デザイン力のある者の仕事と感じた。両サイドに建つ「信徒会館」や「司祭館」もなかなかのデザインである。教会建築であるから、内部に入ることも可能であったが、残念なことに時間が無かった。
 以下の写真が「信徒会館」である。


 そして、こちらが「司祭館」だ。


 カトリック秋田教会はカトリック新潟教区に属しており、同じカトリック新潟教区にはご存知アントニン・レーモンド設計の「カトリック新発田教会」も属している。なんとなく、この秋田教会もレーモンドっぽい雰囲気ではあるのだが、そのような情報はどこを探しても無いので別の方の設計であろう。ただ、これらの建築を例えば「東京女子大」のキャンパスに持って行っても、全く違和感を感じないほどレーモンド建築に似ていた。思い切って設計者名を電話で聞いてしまおうか・・・。

「カトリック秋田教会」
設計者:? 竣工:1962年 秋田市千秋明徳町1−48


2012年7月・8月建築探訪 その3「こちら新館」

2012年08月24日 18時19分04秒 | 建築

 まだ、美術品は収蔵されていなぁったが、とても良い美術館である。安藤忠雄氏が設計した新「秋田県立美術館」は、昨日紹介した現「秋田県立美術館」の特徴である、ファサードの三角形をモチーフとした平面構成が徹底されていて、とても面白いプランだった。藤田嗣治の「秋田の行事」を展示する大きな空間や、常設展、企画展を開催するのにも十分なスペースがある。安藤氏お得意のドラマチックな動線も健在である。それらを、やはりお得意のコンクリート打放しで造り上げたので、只々良いなあと思った次第。

2階のミュージアムショップとカフェは久保田城跡の大きなお堀を借景とし、とても開放的だ。

 自分が訪れた時は暫定オープンということで、安藤忠雄氏の建築展を開催しているのみであったが、早く美術の展覧会を開催して欲しいと思う。

「秋田県立美術館」
設計者:安藤忠雄 竣工:2012年 秋田市中通一丁目4-2


2012年7月・8月建築探訪 その2「この良建築の行く末は・・・」

2012年08月23日 19時12分07秒 | 建築

 この美術館はレオナール藤田、藤田嗣治の作品を多数所蔵している。中でも「秋田の行事」という絵は横20.5m、縦3.65mという大作だ。その1枚の絵を鑑賞する為の大空間が有る。もう、何時間でも居たい空間であった。その他にも、企画展と言えそうなくらい藤田嗣治の絵を観ることが出来る。館内はさほど大きくはないのだが、動線が面白く、前述の吹き抜け大空間を回る3階回廊部分にも、ゴヤ、ゴッホ、ロートレック、セザンヌなどの素晴らしい作品が展示されていた。程よい大きさの別室が二つ有り、企画展を行うにも十分な広さである。

外観も特徴的で、良い建築だなと感じた。上の写真、丸窓が有る大空間に大作「秋田の行事」が展示されている。受付で伺ったところ。設計は日建設計とのこと。

 さて、しかし実は安藤忠雄氏による新「秋田県立美術館」が、お堀と道路を隔てた先に既に竣工しており、この美術館の作品群を移す段取りに入っている。来年の秋には、新美術館にて上記の作品を観ることとなるのだ。そうなった後、この美術館建築はどうなるのかと訪ねたところ、存続させるのか解体するのかまだ決定していないとのことであった。この良建築は是非とも活用してもらいたいものである。

「秋田県立美術館・平野政吉美術館」
設計者:日建設計 竣工:1967年 秋田市千秋明徳町3-7


2012年7月・8月建築探訪 その1「ポストモダンよ永遠に」

2012年08月22日 22時24分36秒 | 建築

 この建築は、是非ネット検索を行い上空からの写真を見てほしいと思う。地上からの写真では、その魅力の半分も伝えられない。だがせめて、別角度からの写真も載せたいと思う。

 設計者は、秋田県出身の渡辺豊和氏である。今回の目次に使った写真も、この建築の一部だ。ポストモダンのド真ん中的建築である。この建築は同じ渡辺氏が設計した、北海道の湧別町に建つ「ふるさと館JRY」にとてもよく似ている。竣工は、こちらの方が1年早い。コンクリートの打ち方などを、間近で見ると非常に荒っぽいが、それが金属の屋根と似合っていたりする。こんな建築は、恐らくもう創られないだろうと思う。大切に使ってほしい。

「秋田市立体育館」
設計者:渡辺豊和 竣工:1994年 秋田市八橋本町6-12-20


何と1ヶ月

2012年08月14日 17時50分32秒 | 建築

 光陰矢の如し・・・。前回記事をUPしてから、あっと言う間に1ヶ月が経ってしまった。信じられないが、明後日は8月16日だ。その間にpenkou師匠が、御来札されPRESS CAFEに行き、毎夏恒例となっているK君との建築探訪ツーリングも行った。講師の仕事やリフォームの仕事などもこなしているうちに、気が付けば8月の半ばである。因みに、現在の体重はボクシングをやめて以来久しぶりに60kg台となった。更に減り続けているのが気になる。

 さて実は、また明日から秋田県に出かける。大切な法事があるのだが、折角なので建築も見てこようと思う。ツーリングで見てきた建築と、秋田で見る建築の目次は土曜日、帰札してから書こうと思う。写真は、寿都という街に建つ漁場建築「佐藤家」である。菱葺きのトタン屋根が何とも味わい深い。

 では秋田県に行ってきます。


内部の軸組が見える。

2012年07月08日 14時20分11秒 | 建築

 札幌から小樽を通過したその先にある余市という町を訪れた。余市にはNIKKAの工場もあるが、今回は「燻香廊」というちょっと古目の民家を利用した、燻製の食べ物がメインのレストランを訪ねた。古民家というほどではないが、内部を拭き抜け状態にしたので、木の構造材を見ることが出来る。

根太など、不要となった材料は取り除かれて、スッキリした状態だ。やはり北海道らしく、柱材は何故か全て105角であった。

 燻製ビーフシチューのランチを頂いたのであるが、これが非常に美味しかった。今どきは料理の写真を撮影して、そちらをブログにUPするのが普通なのだろうが、料理の写真を撮っていないため次回行った時に撮りたいと思う。


振動台の模型実験と面内せん断試験

2012年07月01日 20時47分18秒 | 建築

 去る6月29日の金曜日に、小樽市銭函にある北海道職業能力開発大学校にて開催された、振動台の模型実験及び面内せん断試験のデモンストレーションを見学してきました。振動台は実大ではなく模型実験のみ行える大きさの機器でしたが、遅れて参加した私と他1名の為に個別に動かし、説明も丁寧にして頂きました。また、御担当の課長からは実験のアイディアが有るのなら何時でも何度でも相談に乗ってくださるとおっしゃって頂きました。本当に有り難く思います。以下の写真は面内せん断試験の装置です。最近は壁よりも床が主流とのことでしたが、実験のネタは壁でもまだ沢山有るように思えます。

 羽深先生からは紀要のお話を頂いておりますし、さあまた頑張らなくては。


この軟石の倉庫も

2012年06月24日 20時10分43秒 | 建築

 小樽の観光客が訪れるスポットで営業されている、石蔵をリノベーションして使用している店舗である。PRSS CAFEのある北運河から、この石蔵まで歩くと結構な距離となるが、割と目を引く建築が密集しているので苦にならない。途中に美味しいお寿司屋さんもあるし、PRESS CAFEのオムライスを頂いた次の日あたりはお寿司を食べても良いかなと思っている。

 えーと、赤い平べったい奴のヒューズを交換しました。で、無事全ての機器が復活しましたです。はい。

ターマスマスターから頂いた35A管ヒューズは4本。焼けたヒューズは1本でしたので、まだ3本の予備が有ります。それでもまだ不安だから引き続きネットで探します。


「うだつ」はカネ手に上がってます。

2012年06月10日 12時28分23秒 | 建築

 この外壁は軟石だが、小樽軟石ではなく札幌軟石である。正面から見ると「うだつ」が左側にしか無い。角地に建つので、もう一方はカネ手の右端部に設けられている。

 軟石の外壁、瓦屋根、大きなうだつ。明治、大正期に建てられた、とても小樽らしいバナキュラー建築だと思う。

「旧名取高三郎商店」
設計:? 竣工:1906年 小樽市色内1-1-8
小樽市指定歴史的建造物


市立小樽美術館の裏側です。

2012年06月03日 19時07分02秒 | 建築

 なかなか良いバランスの意匠だと思うのですが、ちょっと傷んできておりますね。外構は整備され3階の常設展示スペースも増えたので、今後は建築物自体の補修を行えれば良いなあと思います。それには我々が足しげく通って、ちょっとでも維持費を増やさなければ。基本的には市の予算が頼りだとは思いますが…。


ネットで覆われた建築

2012年05月27日 18時29分27秒 | 建築

 外壁の剥落をネットで養生している建築が、小樽にも在った。小樽商工会議所は2009年に別の建物へ移転してしまったそうである。その後、この建築は売りに出されたのだが、買い手はまだ見つかっていない。昨年の夏には、札幌市立大学の山田講師が学生達と「OTARU ART PROJECT」と銘打ちインスタレーションを行った。見に行くつもりだったのだが、昨夏は修論で死んでいたので、この建築の内部を見る機会を逃してしまった。外壁の石材に施された彫刻のデザインが良い。内部各所のディテールも良いとのことだった。頑張って見に行くべきだった。まあ、去年は本当に辛かったのだが…。

「旧小樽商工会議所」
設計者:土肥秀二 竣工:1933年 小樽市色内1丁目6番32号
小樽市指定歴史的建造物