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**アカシアの木蔭で**

流れていく時間と逆らわずに流れていく自分を、ゆっくりペースで書いて行こうと思います

ランナーズハイ

2006年09月26日 | 病棟
てふさんが 突然多弁になり笑い続けた。
午前中は苦しそうに呻くばかり、
触れば「いたい~」とか細い声をあげるだけだったのに。

「嬢ちゃんはいくつ?
 遊びに来てくれたのに ごっそうも出来ないで悪いねえ。
 お金はあるんだけど 取りに行けないんだよぉ。
 今日はいいお日柄で・・
 お弁当持ってあそこ行ったの、楽しかったねぇ・・・」

過去の記憶とどこかの誰かをごちゃ混ぜにしながら
見せたことの無いような満面の笑顔で 手を握ってくる。

「・・・エンドルフィン、充満してるみたい」
「・・・ランナーズハイ状態?」
「ドーパミン、ドパドパ・・・なんちって」

決して良い状態じゃない。
血圧はKEEPしているものの、トータル尿量300ml/日。
毎日その量は減り続けている。
全身浮腫がひどく、眼球すらゼリーのようになっている。
SPO2も時折急に78%に下がったりする。
完全にターミナルのナチュラルコースの患者さんなのだ。

ここ数週間、きつく瞑った瞳と眉間の縦じわしか見てない。
こんなに可愛らしい笑顔、してたんだ。
不吉なものを感じながら
でも神様が与えたつかの間の安らかな時間を満喫させるべく
助手&看護婦で入れ替わり立ち代り 訪室して相手をすることに。

97歳、童女のようなこの笑顔が少しでも長く続きますように・・・。

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