ヨーロッパ一周編：32日目 チューリヒの羽毛布団

●1989年8月12日（土）
　午前中に着いたため、観光案内所ではとても条件のいい宿を探すことができた。ヨーロッパの中でも物価が高いスイスで、シャワー＆朝食付きで23スイスフラン（約1800円）という駅に近いドミトリーハウス（大部屋タイプ）である。各人のスペースがカーテンで仕切ってあり、設備も新しくふかふかの羽毛布団だった。

　宿に荷物を置いてから、国立美術館（イエス像の絵画が多かった）に行ったあと、チューリヒ湖で約1時間半の観光船に乗る。白いヨットが何艘も走りすぎ、日光浴をしている人がたくさんいた。

　今日の朝方、列車の窓から湖や山あいを眺めていたのだが、やはり美しい。スイスは時間をかけてじっくり滞在したい国である。同じコンパートメントになったスイス人がトーマスクックの地図で穴場の地方を教えてくれたが、最後に一言、「旅行中ホームシックになったらユングフラウに行くといいよ。日本人ばっかりだから」と笑った。

　明日はここを発って、ミュンヘンに向かう。スイスにたった1日しか滞在しないというのはもったいない気もするが、この国はあとのお楽しみにとっておきたい。そのときは、ユーレイルパスではなくスイスパスを使おう。