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9月21日(水)
一日フリータイム。
なので、張さんと8年ぶりに再会。街を案内してもらった。
まず、タクシーでホテルから割と近い天壇公園へ。ここは、ユネスコ世界文化遺産に指定されており、総面積273万平方メートル。大理石の祭壇や、自分の声がこだまして天の声のように聞こえるという天心石などがあった。公園内では、健康増進のためか、グループで体操や気功をしている人々がいた。ここで、偶然OさんとUさんにも会った。
その後、有名な繁華街「ワンフーチン王府井」へ。中国全土の工芸品ばかりを集めたデパートはいろんなものがあり楽しかった。
お昼は北京ダックと同じくらい楽しみにしていた羊のシャブシャブを食べに「東来順」に行く。スパイスのきいたゴマだれで、もうビールにぴったり! 薄くスライスしてあり、特有の匂いもなく2人で肉2皿食べた。ほかにも、凍り豆腐やコシのある春雨、中国菜(名前は知らないが、軽い歯ざわりの飽きのこない青菜)など。
張さんは、以前私がいた会社の仕事関係で知り合ったとても魅力的な女性である。前からそうだったが、(せんえつながら)あのマイペースなところが大好き。今は北京の大学で日本文学を教えているが、日本では東大で研究していたので「日本の現実」に非常に詳しい。
北京で彼女の美しい日本語を聞くだけで、とても気持ちが落ち着いた。なんなんだろう、あの穏やかさは。源氏物語が専門だからああいう空気をおもちなのか、ああいう空気をもっている人だから源氏なのか。張さんのもつ独特の雰囲気と知性、声のトーン、生き方全部が、いい感じでブレンドされている。話題も政治、文学、中国と日本の文化の違い、子育て、女性問題など話が尽きなかった。中国ではベビーシッターへの負担がそれほど大きくなく、幼稚園も1日3食というのは日本では考えられない状況だと思った。
北京は権力が作った街
上海は商売が作った街
西安は信仰が作った街
と張さんは言う。
あと、中国人ほど資本主義社会に向く人たちはおらず、日本は逆に社会主義に向くかもねと言っていた。妙にナットクしないでもない。
別の繁華街、西単(シーダン)にも行く。大きな書店で、張さんは知り合い研究者と、5才の息子トントン君のために中国民謡のカセットテープを買っていた。映像で全部見せるよりまず観察力を養うために視覚に頼らない教育を、ということらしい。
書店内の閲覧コーナーではたくさんの人が新刊雑誌をテーブルイスに座って読んでいた。
夕方、張さんと別れてタクシーで三全公寓に向かう。ジャッキー・チェンにちょっと似た運転手さんは「OK]しか英語ができなかったが、気のいい人で、渋滞中も筆談でいろいろ話した。途中、道に迷ったが、何とか北京在住のMさん、Dさんと落ち合って、Q's CAFEで好物のクロワッサン・オ・ザマンドを買った後、同じく三全公寓内の「林一品」に連れていてもらう。
ここは広東料理を食べさせてくれるレストランで、味も一流なのだが、残念ながら近く閉店してしまうそうだ。食べた料理は絶品アワビを筆頭にどれもとてもおいしかった。デザートで頼んだ杏仁スープは、ひそかに杏仁豆腐みたいな固形物も入ってるのでは?と期待していたが、文字通り杏仁の「スープ」だった。お会計は一人195元(約2500円)。安い!!
仕事を何とか切り上げてきてくれたHさんも加わり、4人で中国話に花が咲く。現地に住んでいる人の話を聞けるのは貴重な体験だ。3人ともバイタリティーあふれる人たちで、かつ勉強熱心。頭が下がる思いだった。
その後、近くに住むMさん宅に3人でお邪魔して濃くておいしい「宝の山コーヒー」をごちそうになる。中国では電気もガスもプリペイドカード方式で前もってその都度買うんだといって、Mさんがそのカードを見せてくれた。ここでもしばらくおしゃべり。
夜中近く、皆と別れてホテルに戻る。
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