〈川俳会〉ブログ

俳句を愛する人、この指とまれ。
四季の変遷を俳句で楽しんでいます。「吟行」もしていますよ。

拾い読み備忘録(154)

2016年08月08日 16時20分52秒 | 
私たちの隠れたる者たちは 語らない
たとえば 見上げる樹のそよぐ葉ごもり
覗き込む井戸の底の揺れる水面
いたと思うと たちまち向こうむき
次の瞬間にはゆっくり 消えている
そのくせ突然 暴風雨(あらし)となって空を奔(はし)り
稲妻とともに落下して 窓硝子を灼く
かと思うと朝 両掌(てのひら)に受ける水しぶき
光に泳ぐ埃の粒子に入って つぶつぶ
・・・・・・・
・・・・・・・
「語らざる者をして語らしめよ」高橋睦郎著 思潮社 2005年
                          富翁
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