ほんわか亭日記

ダンスとエッセイが好きな主婦のおしゃべり横町です♪

「お帽子を買う」

2021-12-28 | エッセイ
2021年12月28日(火)

テレビでは、豪雪のニュースをやっているけれど、関東地方は、有難いことに、晴れ。
朝、カーテンを開けて、東の空の朝焼けを見るのが好きで、さあ一日が始まるという気分になる。
といっても、今日は、一年の疲れが出たようで、一日、部屋でまったりした。
そこで、今日は、先月提出したエッセイを・・・。
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「お帽子を買う」

 東京のコロナの新規陽性者数が二桁になった。ようやくコロナの第五波を乗り越えたという気分が
世の中に広まり、人々が活動的になってきた。
旅行に行くという話も、私の身の周りでも聞く。私も気持ちがのびやかになり、そうなると、
一年半の押さえつけられたような生活の反動で、物欲が湧いてきた。
ただ、私の物欲は旅行では無く、ウィッグ方面に出た。
 もともと、ラウンドダンスのお仲間には、ウィッグをしている人が何名もいて、
「お帽子を被る」と、言っている。お帽子を被って髪の毛の量が増えると、やはり若く見えるので
私も興味がある。以前、「生協で安くお帽子を買った」という友人のウィッグを被らせてもらった
ことがあったが、あいにく似合わなくて、そのままになった。
しかし、この夏、久しぶりに弟に会ったら、
「えっ、お姉、その髪……短くない?」
と、言われてしまった。短いという表現が、彼のせめてもの遠慮だったのでしょうが、
驚いたようなその目が、本心を物語っています。
はい、確かに、私の髪の毛の分け目、かなり薄くなってきてます。気にしてはいたが、
正直にそう言えなくて、
「短い方が、若々しいから……」
と、濁したけれど、内心、拘っていたのだ。
やはり、物欲第一号は、ウィッグにしよう。
 それでも、いざとなると、こっそりと買いたい。それならアマゾンと、ネットを検索したら、
なんと、うちのマンションの近くのスーパーにウィッグ屋さんがある。それも、バーゲン中だそうだ。
五十%オフもあるそうで、私は、開店の十時に合わせ、いそいそと行って来た。
そして、店員さんに、
「部分ウィッグを見せて欲しいんです」
と言うと、まあまあの値段のものを三つ選んでくれた。
高いのを勧められても困るので、よれよれした普段着で行ったのは正解だったと思いながら、
試着室について行った。
そこで店員さんの説明があって、彼女が、その中で一番高いのをまず被ってみせてくれた。
説明を聞いて自分でも被ってみたら、やはり若く見えるではないか。店員さんもそう言ってくれる。
「お友達もやっていて、……お友達のは、こうで……、明日、お友達と会うので……」
と、私は、お友達もやっていると連発してしまった。多分、「お友達」というワードで、
「普通の事なのよ」と、自分で自分の背中をもう一歩押していたのだろう。
 私は、その被って見せてくれたウィッグが、自分の髪の色にあった落ち着いた感じだったので、
それに決めた。予算は、はっきり言ってオーバーだけれど、二十%オフになったし、
だいたいのお仲間は、もっともっと高額の物をしているから良しとした。
 部屋に戻って、恐る恐る自分一人で付けてみる。留め具の部分、もうちょっと慣れないと。
でも、被った姿をみたら、もうコレ無しにはいられない。
それにしても、ウィッグって、専用のシャンプーとかリンスとかが要るそうで、これが、
私が普段使っているシャンプーやリンスよりぐっと高い。こういうところでウィッグ屋さんは
商売しているんだなあと気付いたけれど、もう、その路線に乗ってしまったから、仕方なし。
ただ、被った具合、人が見たらどうだろう?これで大丈夫か?変ではないのか?と、気になったが、
一人暮らしで、一言言ってくれる人がいない。そこで、私は、ウィッグを被って、
また、お店に出掛けて見てもらうことにした。私を見た店員さんは、
「お友達に会いに行かれるんですか?」ですって。
さっき、お友達を連呼したからね……。
でも、「大丈夫ですよ」と言われて、慣れない恥ずかしさも少し収まった。
 夜、テレビで、「最近、高価な時計や外車が品薄になるほど売れている」と、紹介されていた。
コロナの自粛で、旅行にも、食事にも飲み会も行けずに、お金を使わなかった、
つまり強制貯蓄された金額が、日本中で、二十兆円にもなるという。
国民一人当たりで、十六万円!
こういう消費をリベンジ消費というのだそうだ。
ああ、そうか、腕時計とか外車の足元にも及ばないけれど、私がウィッグに走ったのは、
日本を覆うリベンジ消費の一環だったのだ。
私は、コロナ籠りで過ぎて行った一年半の自粛の時間を購ったんだと理屈が通ったら、
「なら、仕方ない」と、ウィッグの衝動買いも納得できてしまった。
そうは言っても、お帽子を被った私は、変身したのか、コロナ前と変わらないのか。
明日は、ラウンドダンス仲間と会うし、気持ちを一つ引き上げて、いざ足を踏み出そう。
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ウィッグは、色も自然で、今では、ダンスの日の必需品です。(^^)

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