2020年10月31日(土)
今週の火曜日に英語で歌う会があり、そこで歌ってきたので、
今日は、エッセイ「オーバー ザ レインボー」を。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「オーバー ザ レインボー」
七月末の火曜日、久しぶりに、英語で歌う会があった。新型コロナにより、三月から
公民館の活動サークルに、一律、利用許可が下りなくなっていたのだが、
やっと、サークル活動が再開できた。
歌が歌える、お仲間に会えると、わくわくしながら公民館に着くと、玄関先で、
副会長の和田さんが、突っ立ったまま、二階から聞こえてくる先生の歌声を聞いていた。
「お久しぶり。お元気?」
と、声を掛けて、私も、先生のソプラノに聞き入った。
「オズの魔法使い」のテーマソングで、耳になじんでいる「オーバー ザ レインボー」
だ。
公民館の利用許可が下りたとはいえ人数制限があるので、サークルは、
三時からの前半組と、四時からの後半組に分かれ、今は、前半の組の練習時間なのだ。
後半の私たちは、手の消毒を済ませて会場の会議室の外で待つことにした。
すると、部屋の中を覗いた和田さんが、「八人ね」と、言う。
私たちの組は、六人だから、まあ、丁度良い分け方でしょう。
四時に交代すると、前半組と同じように、私たちも、マスクの他に、フェイスシールド
も付け、いざ、「オーバー ザ レインボー」の練習だ。
先生は、まず、マスクを着けたままの歌い方として、
「声を前に細く長く出す。横に広げない」と教えてくれた。そして、
「この歌は、三か月、仕事が無かった時、歌いたいなあと思った歌です。
現状を乗り越え、虹の彼方へ飛んでいこうという曲で、アメリカ人にとっては、
子守歌のような、みんな知っている歌なんです。
アメリカでのオペラ公演って、中休みが一時間くらいあって、その時、楽屋で、
一人の女性歌手が“オーバー ザ レインボー”を、ウクレレを弾きながら歌いだして、
周りの歌手たちが一緒に歌ったという動画が、ネットにアップされていたんですよ。
その歌をみなさんと歌いたいなあと、思っていました」
と、言ってくださった。
一緒にと聞いて、嬉しかったけれど、歌いだすと、先生に、
「声が前に出ていると、フェイスシールドの上のほうが曇るんですよね。だから、
小声で歌ってください」
と言われた通り、次第に眼鏡が曇ってきて、楽譜が良く見えなくなり、
とうとう眼鏡を外して小さく鼻歌のように歌うはめになってしまった。
先生は、途中からマスクを下にずらして歌いだし、私たちもその流れに乗って
ついていき、先生とみんなの歌声が部屋に広がった。
一時間でも、そんな風に先生やお仲間と歌えたことで、心が、いくらかは
伸びやかになれた。
サークルが終わると、公民館に、健康チェック用紙を提出しなくてはならない。
だが、遅れて来た男性が一人、まだ、そこに名前と体温を書き込んでいなかった。
役員さんが、用紙を持って行くと、彼が、「書くものが無い」と、言い出したが、
役員さんは、
「今は、ボールペンの貸し借りは無いのよ」と、けろっとしている。
確かに、今は、そうかもしれないが、困っているので、取り敢えず、私が、
ボールペンを貸してあげた。受け取りながら、彼は、
「私、大丈夫ですから」と、言い、「私も大丈夫ですよ」と、答えた。
しかし、お互い、きっと大丈夫だろうが、逆にだんだん気になって、私は、
家に戻ってから、つい、そのボールペンを除菌シートで拭いておいた。
そんな用心をしながらの再開であっても、やっと、ほんの少し、
以前の日常の流れが戻ってくると思えたのに、県内で、カラオケでのクラスターが
発生してしまった。そして、あっという間に、
「声を出すサークルは、公民館の利用禁止」となってしまった。
コロナによって、再び、ばっさりと切り離されてしまったけれど、きっと、
先生もサークルのお仲間も、また、声を揃えて歌える日を心待ちに、
それぞれハミングしているだろう。
家で、私も口ずさむ、「サム ホウェア オーバー ザ レインボー」と……。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
夜、友人からラインで動画が送られてきた。
「里の秋」。倍賞千恵子さんが歌っていて、動画は、歌詞のままに、
古い農家や、栗の実や、囲炉裏・・・。
昔の日本の穏やかな光景に、懐かしい歌♪
歌って、やっぱり良いね。(^^)
今週の火曜日に英語で歌う会があり、そこで歌ってきたので、
今日は、エッセイ「オーバー ザ レインボー」を。
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「オーバー ザ レインボー」
七月末の火曜日、久しぶりに、英語で歌う会があった。新型コロナにより、三月から
公民館の活動サークルに、一律、利用許可が下りなくなっていたのだが、
やっと、サークル活動が再開できた。
歌が歌える、お仲間に会えると、わくわくしながら公民館に着くと、玄関先で、
副会長の和田さんが、突っ立ったまま、二階から聞こえてくる先生の歌声を聞いていた。
「お久しぶり。お元気?」
と、声を掛けて、私も、先生のソプラノに聞き入った。
「オズの魔法使い」のテーマソングで、耳になじんでいる「オーバー ザ レインボー」
だ。
公民館の利用許可が下りたとはいえ人数制限があるので、サークルは、
三時からの前半組と、四時からの後半組に分かれ、今は、前半の組の練習時間なのだ。
後半の私たちは、手の消毒を済ませて会場の会議室の外で待つことにした。
すると、部屋の中を覗いた和田さんが、「八人ね」と、言う。
私たちの組は、六人だから、まあ、丁度良い分け方でしょう。
四時に交代すると、前半組と同じように、私たちも、マスクの他に、フェイスシールド
も付け、いざ、「オーバー ザ レインボー」の練習だ。
先生は、まず、マスクを着けたままの歌い方として、
「声を前に細く長く出す。横に広げない」と教えてくれた。そして、
「この歌は、三か月、仕事が無かった時、歌いたいなあと思った歌です。
現状を乗り越え、虹の彼方へ飛んでいこうという曲で、アメリカ人にとっては、
子守歌のような、みんな知っている歌なんです。
アメリカでのオペラ公演って、中休みが一時間くらいあって、その時、楽屋で、
一人の女性歌手が“オーバー ザ レインボー”を、ウクレレを弾きながら歌いだして、
周りの歌手たちが一緒に歌ったという動画が、ネットにアップされていたんですよ。
その歌をみなさんと歌いたいなあと、思っていました」
と、言ってくださった。
一緒にと聞いて、嬉しかったけれど、歌いだすと、先生に、
「声が前に出ていると、フェイスシールドの上のほうが曇るんですよね。だから、
小声で歌ってください」
と言われた通り、次第に眼鏡が曇ってきて、楽譜が良く見えなくなり、
とうとう眼鏡を外して小さく鼻歌のように歌うはめになってしまった。
先生は、途中からマスクを下にずらして歌いだし、私たちもその流れに乗って
ついていき、先生とみんなの歌声が部屋に広がった。
一時間でも、そんな風に先生やお仲間と歌えたことで、心が、いくらかは
伸びやかになれた。
サークルが終わると、公民館に、健康チェック用紙を提出しなくてはならない。
だが、遅れて来た男性が一人、まだ、そこに名前と体温を書き込んでいなかった。
役員さんが、用紙を持って行くと、彼が、「書くものが無い」と、言い出したが、
役員さんは、
「今は、ボールペンの貸し借りは無いのよ」と、けろっとしている。
確かに、今は、そうかもしれないが、困っているので、取り敢えず、私が、
ボールペンを貸してあげた。受け取りながら、彼は、
「私、大丈夫ですから」と、言い、「私も大丈夫ですよ」と、答えた。
しかし、お互い、きっと大丈夫だろうが、逆にだんだん気になって、私は、
家に戻ってから、つい、そのボールペンを除菌シートで拭いておいた。
そんな用心をしながらの再開であっても、やっと、ほんの少し、
以前の日常の流れが戻ってくると思えたのに、県内で、カラオケでのクラスターが
発生してしまった。そして、あっという間に、
「声を出すサークルは、公民館の利用禁止」となってしまった。
コロナによって、再び、ばっさりと切り離されてしまったけれど、きっと、
先生もサークルのお仲間も、また、声を揃えて歌える日を心待ちに、
それぞれハミングしているだろう。
家で、私も口ずさむ、「サム ホウェア オーバー ザ レインボー」と……。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
夜、友人からラインで動画が送られてきた。
「里の秋」。倍賞千恵子さんが歌っていて、動画は、歌詞のままに、
古い農家や、栗の実や、囲炉裏・・・。
昔の日本の穏やかな光景に、懐かしい歌♪
歌って、やっぱり良いね。(^^)