ほんわか亭日記

ダンスとエッセイが好きな主婦のおしゃべり横町です♪

「老人ホテル」

2023-12-19 | 読書
2023年12月19日(火)

今日は、読書会の日で、原田ひ香さんの「老人ホテル」だった。
その前に、いつものおしゃべり。
Aさんが、親族の方が、最近、老人ホームに入り、とても安心して喜んでいる
との話から、ウィステは、ハハのことを思い出したわ。
ハハは、急病で救急車で大病院へ⇒数か月いられる隣の市の病院に入院
⇒ケアマネージャーさんが、隣の市の老健(介護老人保健施設)を探してくれる。
 2年くらい居る。
⇒家の近くの特別養護老人ホームが増築され、最後の1人の枠で、入所出来る。
⇒数年後、体調悪化し、提携の病院へ入院し、長くいさせてもらって、そこで、亡くなる。

ベテランのケアマネージャーさんには、本当にお世話になったと感謝です。

そんな話から、今日のテーマの「老人ホテル」へ。
主人公の女性の両親、兄弟は、生活保護を受けて、働かずに暮らす一族。
そこから脱出したいと思った彼女は、老人たちが入居しているホテルの清掃員になる。
一人の入居者の老婦人(←財産狙いの親族の集りから逃げるため、身元を隠せる
ホテル住まいをする)が、主人公を助けて、親の牙から助けてくれる。
その女性が亡くなったところに居合わせた主人公は、その女性のお金をくすねる。
そのお金があれば、主人公は、立ち直れるんだ。
ところが、同僚が、女性の持ち金が少なすぎると気づき、上司に相談しようか・・・
というところで話は終わる。

そこを読んで、主人公を応援していたウィステは、お金を盗むような犯罪をして
幸せになりましたというストーリーは、おおっぴらに万歳してはいけないんだなと思ったわ。
それで、思い出したのは、昔々、日曜洋画劇場で、淀川長治さんがした解説のこと。
西部劇だったか、悪い手段で大金を手に入れた女性が、賭場で大金をかける。
カメラは、その女性から、引いていく・・。
淀川さんは、
「女性が、賭けに負けて、すってんてんになるという暗示で、カメラが引いていくんです。
儲かるときは、アップにしていくんです。」
と、解説していたのを何故か覚えている。
「悪い手段で大金を手に入れてハッピーになってはいけないという倫理観ですね。」と。
この「老人ホテル」は、そこまで厳しくなく、結末を読者に委ねている気はするけれど、
さて・・?と、その後が、気になったなあ。

それから、今年の創作四字熟語が発表された。
 ◇創作四字熟語の最優秀・優秀作品
▽アレ貫徹(初志貫徹)※ 優勝の「アレ」を阪神タイガースとファンが徹底

▽一家断卵(一家団欒)  卵高騰で食卓から減少

▽冠占聡覇(完全制覇)  藤井聡太棋士の八冠独占

▽侍士奮迅(獅子奮迅)  野球侍ジャパンのWBC優勝

▽時短節約(時間節約)  動画の倍速視聴で時間節約

(注)※は最優秀。カッコ内は元の四字熟語。

といった熟語が、なるほど~でした。(^^) 


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「愛するよりも 愛されたい」

2023-07-29 | 読書
2023年7月29日(土)

今日も暑さがひどくて、午前中は、借りて来た「愛するよりも 愛されたい」を読んでいた。
これは、令和言葉・奈良弁で訳した万葉集だそう。
1300年前の人々の言葉と愛・・・って?

「そこら辺の人の恋 そんなもんちゃう! うちの恋は死のレベルや!」
「常人の恋ふというよりは あまりにて 我れは死ぬべく なりにたらずや」
・・・令和言葉にすると、パンチが効くな・・。

「オレの瞳は 数々の女を殺してきた いま鏡の中のイケメンと目が合って
 殺されかけたわ!あっぶねえ~」
「ますらをの 聡き心も 今はなし 恋の奴に 我は死ぬべし」
・・・その意味は、こういう令和言葉になるんだな・・。

「ふと見上げると そこには三日月・・ 一目ぼれしたあの子も こんな眉毛やったなあ」
「振りさけて 三日月みれば 一目見し 人の眉引き 思ほゆるかも」
・・・昔、国語の教科書で見たような。でも、令和言葉のほうが実感があるねえ。

「まて!おすわり! こっそり会いにきてくれる 彼の事情を 嗅ぎ分けなさい!
 分かったら ふせ!」
「葦垣の末 かき別けて 君越ゆと 人にな告げそ 事はたな知れ」
・・・ワンちゃん、空気を読みなさい・・。

と、午前中は、恋の中で過ごして、午後からは、ダンスの自主練会。
ホールのクーラーが復活したので、踊っている間は大丈夫だったけれど、
一歩ホールを出たら、むわ~・・・。(^^;)
慌てて、クーラーの効く家に戻りました。
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「JR上野駅公園口」

2021-12-21 | 読書
2021年12月21日(火)

今日は、読書会の日で、本は、柳美里「JR上野駅公園口」。
ウィステが、子供の頃から若い頃にかけ、上野の地下通路を通ると、よくホームレス
(当時は、そんな呼び方も無かったけれど)の人たちが通路やベンチで寝ていた。
少し怖くて、眼をそらして、ささっと通り過ぎていた。
通路がだんだん整備されるにつれ、ホームレスの人たちも排除されていった・・。
そんなウィステが目をそらしていたホームレスの人が、ホーム(家、故郷)を失って、
この上野に住み着き、仲間や、上野に鑑賞や遊びに来る人たちの様子を漂うように眺め、
描いた物語です。主人公は亡くなっていて、まさに漂っていたのですが・・。

主人公は、福島県相馬郡矢沢村(後に、3.11で津波で失われる)にホームがあり、
両親、自分、7人の弟妹を養うために出稼ぎに東京に出て来て、働きに働いた人生だった。
柳美里さんが、
「3.11で家を失った人々と、出稼ぎで郷里を離れているうちに帰るべき家を失くして
しまったホームレス、二者の痛苦を繋げる蝶番のような小説を書きたい」
と、言っているように、居場所のない人々の物語。
ホームレスの住む上野と、3.11で失われた土地と暮らしを丁寧に描いていた。

お仲間のAさんが、
「故郷の浄土真宗のお寺の話が凄く興味を引かれた」
と、言うように、
浄土真宗の、「死んだら、みんな仏になる」という思想が、
主人公も妻も息子も孫娘も時の流れに泡のように消えて行った物語を底支えしているなあと思ったわ。

そのAさんは、「うちは、「一隅を照らす」の天台宗だから」と。
そうだ、ウィステのハハも「一隅を照らす」って何度も言っていたから、もしかしたら
ハハの実家は、天台宗だったのかも・・。(^^)

それから、オミクロン株が怪しいから、新年会は中止にしようということから、
オミクロン株の話、さらには、眞子さんの結婚の話へと話が飛んで、ウィステがいろいろと
話したのだけれど、Aさんは、そういう情報に疎い。
「ワイドショーを見ないで、いったい一日どうやって過ごしているの?」と、
つい、聞いてしまいましたよ。(^^;)

さて、新年会は、ワクチンを3回打ってからということで、4月ごろの新年度会に換え、
お店にもそう連絡してキャンセルしたら、「次回も宜しくお願いします」と、
とても気持ちよく応対してくれた。
もちろん、また、お願いします。(^^)

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「猫を棄てる」

2020-11-23 | 読書
2020年11月23日(月)

我慢の3連休と、言われていて、ウィステも予定が無く、家に籠っていた。
でも、喉も痛く無くなったし、友人から借りていた本、
村上春樹の「猫を棄てる 父親について語るとき」という短編の本を
返しに行った。
お天気も良く、歩いて行くと、空気がとても爽やかで、いろんなお宅の
庭に柿がたわわに実っていた。(^^)

本は、ご自身のルーツ、お父さんについてのノンフィクション。
忘れられないエピソードとして、お父さんと海岸に猫を捨てに行くことになったことがあった。
当時の戦後の風潮としては、今ほど、道徳に反する行為とはとらえられて
いなかったそうだけれど、猫を棄てて、自転車で急いで家に戻ったら、
当の猫が、「ニャー」と、二人を出迎えたんですって。
自転車より早いって、どれほど素早かったんだろう・・。
その時、お父さんは、驚いたとともに、どこかほっとしてしる様子だったそうで、
猫はそのまま、ずっと家で飼われたと・・・。

お父さんは、在学中なのに二度も兵隊にとられるなど、なにかと、
ままならない人生だったそうだけれど、それでも、こつこつと真面目に
生きた方だったそうで、ウィステは、ままならないことの多い中でも、
こんなふうに、思いがけないささやかな出来事に心を支えられることも
あったんだろうなあと思ったわ。(^^)

本は、メモを付けて、友達の家のポストに入れてきた。
その帰り道、大通りのハンバーグ屋さんに暖簾がかかっていて、
「たすけてください」と、書かれていた・・!
うわっ、どうしよう。
飲食店が厳しいと言われているけれど、その暖簾をみて、
なんとも言えない、思い・・。
でも、一度も入ったことの無い馴染みの無いお店で、
気になりながら、戻ってきた。
せめてもと、お店で何か買ってきた方が良かったんだろうか・・?
と、もやもや・・・。
う~ん・・。

テレビでは、GoToの一部見直しとか、コロナ第三波への対応などを
やっていて、それをナンプレをしながら見た。
まだまだ、というか、これからが、本番のようで、籠るしかなさそう・・。


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「すぐ死ぬんだから」

2020-02-18 | 読書
2020年2月18日(火)

読書会は、お菓子を持ち寄っている。
ウィステは、今日は、頂き物の餅菓子。美味しいよ♪
そこにAさんが、頂き物のトルコのチョコを持ってきてくださった。
ご近所さんが、「もう最後の海外旅行だから」
と、行ってきてのお土産で、小さなイチジクにチョコがかかっているもの。
イチジクのタネがしゃりしゃりと、変わった味わいだったわ。
でも、食べながら、
「もう、飛行機や船での旅行は、体力も無いし、ウィルス、怖いし。
お土産頂くだけで、良いよね~」と、言いあいました。(^^;)
美味しかったです・・・。

今日の本は、内館牧子さんの「すぐ死ぬんだから」。
主人公のハナは、下町で、夫とともに酒屋を営んできた勝気な女性。
78歳だけれど、
「すぐ死ぬんだから」とばかり、くすんでいく周りに対し、
「すぐ死ぬんだから」、私は、好きなおしゃれをしていく、
たとえ、浮いても・・と。
ところが、満点な夫が急死すると、夫の秘密が出てくる。
夫には、美人な女医さんと別の家庭があり、出来の良いハンサムな
息子までいたという・・。
もう、絶対、許せないよね!
と、熱く語り合ったわ。(^^;)
でも、誰もが、「自分は、不倫など、したことない。
夫もそうと、確信している」という立場の人たちばかりだから、
話は、一方通行になる。
主人公のハナさんは、
「すぐ死ぬんだから」と、立ち直って、夫ありきではない自分の人生を
生きていく決意をし、読後感も良かったのだけれど、
ウィステは、ちょっと本から離れて、
脳科学者・中野信子さんの
「何故、人は、不倫に対し、制裁を加えるのか」という評論の
要約を紹介したわ。

社会的生物である人間は、生きていくために共同体を作り暮らしてきた。
ルールを決め、役割を分担し、それぞれが、共同体のコストを負担して
利益を生み出し、それを仲間で分け合って生活してきた。
(狩り、稲作、現代では、税金と社会保障とか・・・)
ルールを破って、コストを負担せず、社会に「ただ乗り」をしようと
する人も、なかにはいる。そういう人は、社会学用語で、
「フリーライダー」と言うそう。
フリーライダーが増えすぎ、結果、ルールを守っているふりをして、隠れて
得をする人が増えると、共同体に害をなすとして、制裁を加え、
「ズルは、共同体から追放!」という行動が起きる。
それは、古来からの人間の基本的な感情としてインプットされている、と。

そして、不倫との関係。
現代日本では、経済的合理性だけから考えれば、子育ては、相当な
覚悟が必要。経済だけじゃなく、時間も、手間も、いじめにあわないか、
独り立ちまで育てなければという心配りも・・。
(子供のいない夫婦は、家庭を維持する面倒ごとを背負い、子供の
いる家庭より多くの税金を払うというコストを引き受けている)
それを、学問的に、「現代日本では、生殖コストが高い」
と、表現されると、どき~っとするよね。
そうですか・・・。
でも、今、我々の子供世代は、愛情を持って、忙し気に子育てを
している真っ最中だよね。大変な時期だわ・・。
それを、「生殖コスト」と、言われると、庶民としては、
異世界の言葉と、変な感じはする。
そして、週刊誌で、バッシングされている東出さんは、イクメンの
イメージで仕事をしていたけれど、
実は、子育てを妻に押し付け、不倫していたトンデモ夫だった!
それ故に、それ相応の「生殖コスト」を払わないフリーライダーとして、
厳しい排除の感情、動きが起きている、と。

なんか、学者さんの目って、見えるものが違うね~・・。
ウィステも、つい美容院などで、芸能人の不倫とかいう
記事を読んでしまうけれど、他人の美男・美女、有名人の、どうでも良い、
不倫物に目を引かれるうしろめたさがあったわ。
これを読んで、そうか、自分の中にそんな古代からの感情があったのか・・、
と、納得=正当化しました。(^^;)
まあ、ハナさんのように、前向きに、自分に出来ることを探して、
家族、身の回りの中で、やっていきましょうと、話合ったわ。(^^)

終わって、椅子を片づけながら、Aさんは、最近、物忘れの酷いBさんに、
「今日は、午後から、ラウンドダンスよ」と、声掛けをしていた。
こういう小さな助け合いね。(^^)
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