高樹のぶ子のSIAブログ
イタリア版、アンソロジー
前々回、拙著の英語版を紹介しましたが、今度は、イタリア版のアンソロジーです。
アンソロジーなので、もちろん、何人もの日本の女流作家の短編集です。
英語版が出ると、そのままイタリア語に翻訳されて、出版されやすいと聞いていました。
もともとは、英語で出版されたものが、ヨーロッパに渡ったわけです。
私の「蘭の影」という短編も、収録されていて、それで本が届いたというわけですが・・
でも、この写真を見てください。
何だかすごいでしょ?
本のタイトルが「NO GEISYA」ですよ。
表紙は、刺青をした裸身の芸者?が、DJをやってます。
これって、日本らしいのか、ものすごく変なのか。
ペイパーバックで8・40ユーロだそうです。
もちろん、中身は全然わかりませんので、ちゃんとイタリア語訳が出来ていることを信じるしかありませんね。
イタリアといえば、塩野七生さんと、須賀敦子さんを思い出します。
お二人は、なんとDecentな方達でしょう・・
この表紙を眺めながら、しばし偉大な日本の女流を思い出しました。
「NO GEISYA」ねえ。
どういう意味なんでしょうね。
収録作品とは、関係ないタイトルです。
日本は芸者だけじゃないよ!との主張なんでしょうか。
それとも、とりあえず芸者をタイトルにして、それを否定したのか。
じっと見つめていると、このGEISHAさんは、ヘッドホンが似合うし、流し目も色っぽいし、簪笄(かんざしこうがい)も、良さそうで、このレコードは何でしょう・・
ロックじゃ面白くない。津軽三味線の吉田兄弟で行きますか。
いずれにしても、闘う日本の女ですね。
高樹のぶ子
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それにしても「NO GEISYA」ってすごいタイトルですね。イタリア人から見た日本女性のイメージって、どうも芸者の域を抜けないようです。
以前、コメントに書かさせて頂いたことがありますが、川上弘美さんの「センセイの鞄」を日本語から直接イタリア語訳されたローマ大学の女性の先生と、ひょんなことから知り合いになりました。その方は三島文学も多く翻訳しておられます。とても滑らかに日本語を御話しになる生粋のイタリア人です。
イタリアでは、三島作品がこよなく愛されているのだとか。川上弘美ワールドも、そんなイタリア人の気質にあっているような気がします。高樹先生の作品のなかで、「蘭の影」がセレクトされたのもしかり、かもしれません。
上記のローマ大学の先生が某シンポジウムで発表された演題は「ヨーロッパから見た日本女性のステレオタイプとしての芸者」でした。「NO GEISYA」に通ずる内容だったように記憶しています。
しっかし、この本の表紙はすごい・・・。日本女性といえば、芸者!というステレオタイプでしか見られていないヤマトナデシコが、現代の日本女性の実像とはかけ離れているのだというメッセージなのでしょうか。刺青も完全にイタリア人好みのような気がします。
ちなみにイタリアでは、日本のバーと通ずるところのある居酒屋と喫茶店のあいのこみたいなBAR(バル)に、ひとりで行く女性は娼婦(なんという差別的な言葉!)と間違われるのだそうです。
「センセイの鞄」で、若い女性がひとりで居酒屋に行き、昔の先生と飲むシーンが、イタリア男性の目には奇異にうつるのだとか。イタリアの男性はマザーをとても大切にし、結婚後は同居が当たり前だと考えているとも聞きました。
イタリアって、日本以上に女性に厳しい国なのかもしれません。映画で観たり、観光でかいま見る姿とは違うイタリアの一面があるようです。
恋愛に関しては、どうなんでしょう?「蘭の影」が、どんなふうにイタリア人に受け容れられるのか非常に興味があります。
大御所女流作家と云うことで唐獅子牡丹か雲竜かのタトゥーにレコードDJ・・。
タトゥー・ロック・お酒遊びと云えば、ばななさんのイメージが装丁者に有ったのでしょうか。(笑)
ばななさんは装丁のように色っぽくないですが、海外の人々はタトゥーと作品からこんなイメージを持っているのかもしれませんね。
彼女のタトゥーはオバQとバナナでしたね?
高樹さんの作品にナポリの水溜まりのカオスの話があったような気がしますが、勘違いでしたらごめんなさい。
海外の方々にも読まれるのは好いことです。
ただファンタジー作品と云うのは、読み手によっての受け取り方が、夫々に個性的でしょうから予測が付きません。
午前、お昼にと八十翁に竹の子混ぜ寿司と海タナゴの塩焼きを、差し上げましたが喉を通ったのかどうか・・・糖分・塩分過多の筈。(笑)
海タナゴは山中の育ちで初めてらしく、4時にお会いするので判ります。(笑)
午前中に彼の集めた熊谷守一の猫の絵や、戦中派画家の作品20点位を拝見しました。
陶器は人間国宝級の方の作品が多かったです。
田村さんとか・・・。
陶器は次の機会に全て拝見する予定です。
長女の陶芸工房を開いているミケランジェリこと、ミゲル君を連れての鑑賞の予約して措きました。(苦笑)
信楽・備前・織部辺りは窯元にも見学に行くらしいのです。
フォトの装丁の色っぽい顔立ちはキツネ顔ですよね。