高樹のぶ子のWEB SIA(SIA=サイア)〜アジアの心の情報を発信する〜

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高樹のぶ子のSIAブログ

2010年10月05日 / 最近の出来事

情報発信

地元のアメリカンセンターから、以下のようなメールが毎日のように届きます。
どうかすると日に二通も。
より多くの人に読んでほしいと、センターは考えているのだとその主旨を想定して、
どのようなものが発信されているかを、最後に貼り付けておきます。


ほぼ毎日、システマテイックに来るメールは、アメリカ政府の細かな政策や考え方や
ニュースなどについてです。
もちろん、配信停止はいつでも可能ですが、わたしは習慣的に受け取っています。
すべて読むわけではもちろんありません。
「ブッシュのアメリカ」の時代には、全くと言って良いほど、読みませんでした。
けれど途絶えることなく、配信は続いています。受け取っておられる方も、かなりの
数になるのでは無いでしょうか。


ここまで一生懸命、自国のニュースや考え方を対外的に発信していることについて、
その姿勢に感動してしまいます。
今日来た情報は、いま問題になっている難民や移民についてでした。


私が国務省のプログラムでアメリカに一月あまり滞在したのは、かれこれ20年も
昔です。20都市を通訳と一緒にまわりました。何もオブリゲーションは
ありませんでした。
このプログラムは、学究やメデイアや私のような著述業など対象は多岐にわたり、
人数もトータルでは大変な数に上るのではないでしょうか。
村上春樹さんや林真理子さんなども、行かれたと記憶しています。
アメリカも当時は経済的に余裕があったのでしょう・・人間に無償で投資できた。
その後もこうやって、ものすごい数の情報が、次々に届けられます。


なぜこんなことを書いたかと言えば、日本ももっと自国の情報を発信しなくては
ならない時期に来ている、と強く感じるからです。
日本も海外で、メデイアや文化人に向けて、このような発信を行なっているので
しょうか。
日本の伝統文化を紹介するだけでなく、「国としての立場や考え方」を積極的に
個人に向かって、押し出して行く。そのためのネットを持っているのでしょうか。
サイトを作って、アクセスを待っているだけではない、能動的なソフトの力を。


人の交流にはお金がかかりますが、メールはお金はさしてかかりません。
要は「伝えよう」という意志です。「解って貰おう」という情熱です。


そういうことが、すでに行われているのならうれしいけれど、日本人は押しつけ
がましいことが嫌いなので、さて、どうなんでしょう・・
これまではそれで済んだけれど、これからはそうは行かない気がします。


以下、ご参考までに。
写真は、雨後の草つゆです。キラキラ・・


高樹のぶ子


=================
U.S. Information Alert
=================


アメリカンセンター・レファレンス資料室から新しい情報をお知らせします。


国務省国際情報プログラム局のEジャーナル最新号は、米政府の難民受入プロ
グラムを概観し、米国に世界各地から難民として渡った人々のその後の暮らし
ぶりをインタビューや体験談で綴ります。掲載記事の全文は以下のサイトで
ご覧いただけます。


Refugees Building New Lives in the USA,
Bureau of International Information Programs, U.S. Department of State,
eJournal USA, Volume 15, Number 7, July 2010
http://www.america.gov/refugees.html
http://www.america.gov/media/pdf/ejs/0710.pdf (PDF 2.23MB, 44p.)


目次の主な項目は以下の通りです。


- About This Issue
- The United States’ Commitment to Refugees
- Refugee Resettlement in the United States
- Thirty Years of the Refugee Act of 1980
- No Longer Running for His Life: One of Sudan’s “Lost Boys” Helps
 Recently Arrived Refugees Settle in His New Homeland
- Afghan-American Helps Cuban Family Achieve Homeownership, Economic
 Security in the United States
- Famous (and Not-So-Famous) Refugees Making a Difference
- “They Just Have good Hearts:” Central Asian Families Recount Their   
 Pennsylvania Welcome
- Iraqi Veterinarian’s Spirit, Persistence Inspire American Volunteer
- Refugee’s 10 Year Odyssey Takes Him from Danger, Despair to New Life
 As Proud Caregiver
- Helping Refugees Make a Home in the United States
- Bhutanese Refugee, Classmates Learn English and More on Teacher’s Town
 Tour
- Former Child Refugee Now Helps Advance U.S. Refugee Protection Policy
- Additional Resources


(以下は省略します)

コメント ( 7 ) | Trackback ( 0 )

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コメント
 
 
 
アメリカという国 (satoko)
2010-10-06 06:37:45
アメリカという響きには、郷愁を感じます。
子供の頃、近所にアメリカ帰りのおばあさん(おばさん)が居て、そのおばあさんの服装がおしゃれに思えたものでした。
アメリカといっても広くて、そのおばさんが何をしていたかとか、どこに住んでいたかとかいっさい知らないのに、アメリカというだけで、恐れ入ったものでした。

アメリカ映画と共に、大人になったようなものでしたし。

誰かがアメリカが憧れの国というわけでもないのではないかと、疑問を投げかけても、心のどこかには弁護する何かが残っています。
それは、つまりは↑の高樹先生の仰るような地道な努力もあるのかもしれません。どの時代をとってもやっぱりアメリカは誰かにとっては生きていく場所を提供してくれたのだと思います。
脈々とそれは続いているようです。
と、何の根拠も示すことが出来ませんから全然説得力もないのですが。
不思議な国です。良心の塊のような人たちが居て、そしてカタヤ、原爆を落とすような人もいる。

この歳になっても、いろいろと毎日迷うことが多かりき、の日々です。

このブログ、これからも発信だけでも良いので続けてくだされば幸いです。
 
 
 
発信力 (木蓮)
2010-10-06 07:19:20
母国語そのままで発信できる国は有利です。(羨ましい。。こなれた英文作成は難しい。。)なんて、問題は言語だけではなく、「自国の考え方」を、どこまで自国民が追求しているか、の差でしょうか。
小学生のうちから、社会科学の質を保ちながら、時事と直結する感覚で、歴史や公民を学ばせているアメリカ、かたや、暗記科目として、しかも現代史を軽んじて久しい日本とでは、発信力に差もでましょう。

国が、世界の個人に発信する。英語発信は、英語圏のみならず、英語を第二、第三言語とする地域にこそ、力強く働きかけることでしょう。
文化や考え方の違う者同士、異なる立場から、意思を交わし、理解しあう。。努力も忍耐も妥協も要るけど、人間の精神の高みを信じて、理想のために。

その為に一生懸命勉強している若者たちがいます。私達の財産です。
 
 
 
人間実際痛い目に遭わないと、、。 (ボニー)
2010-10-06 22:44:25
 あえてきょうはハンドルネーム?をカタカナにしてみました~。
(旦那に、わたしは「ぼにい」って名前を使ってるの、というと、思いっきり発音を矯正されてしまいました。「日本人のカタカナ表記、発音はそれでいいの!高樹先生が『ボニーさん』っておっしゃったの!」、と抵抗~)
 まさに今、「これがアメリカ、NY!」みたいなことにぶち当たってます。
(このCOOPの役員及び管理会社に訴えられちゃったんです。それで10年住んだこの場所を出て行かないといけなくなりました)
「勝てば、金出させれ(それも「罰金」という名の)ばなんでもいいんだよ~。手段も選ばず、JUSTICEなんかも一切関係ねえ~。住民感情なんて下らない。全て法で処理されるべき」という感じです。

 ほんの、2,3年しか住んでないのに、「アメリカ」を語る人は少なくない、ですよね~。
(しかも、IT産業華やかなりし頃のシアトルとか、ここ、NY郊外のような、「こんな世界、ほんとにあるの?あのおうち、個人のおうち?お城?博物館?」みたいな所「だけ」しか知らないで「アメリカ」を知った気になってる人、少なくない、と思うんです)
 人は、「言葉」にしても、じっさい、身をもって学ばないことには身につかないとも思いますしね。
(特に大人になってからの外国語習得は、、、)
たとえば、「出産」などにしても、じっさい、こちらで妊娠、こちらのドクターに行って初めて「妊娠出産英語ってこうなのか~?!」、と身体でもって初めて「知る」でしょう。
(だから、大人になってそういう外国語は、じっさいその地で妊娠出産しないと絶対覚えられない?)

 そうです、わたしも常々、「日本はもっと自己主張すべきだ!」って思ってます。
(それには、本当に「自国」のこと、ひいては「自分」のことを知ってないとだめなんですけどね、、、)
外人が「コンニチワ」って超ベーシックな日本語知ってたから、っていつまでも狂喜乱舞するのは止めて欲しい。
「豆腐食べるの?!すごい!」ってべた褒めするのももう全くの前近代的。
日本人は日本語にももっと誇りを持って欲しい。
(でないと、逆に、外国語だって覚えにくいんですよ。人が「言葉」を覚えるのはまず、「母国語」から、なんですから。母国語力が外国語習得に転換、応用されるのですから)

 痛い目に遭わないと「学べない」ことはあまりにも多いです。
バブリーで華やか、優雅、楽、先も保証された世界はそりゃ、誰でもあこがれるかもしれない。
(わたしはあまり憧れないけど?!)
しかし、ほんと、「言葉」はその逆じゃないと覚えられないと思いますね。
(痛い経験というのはいつまでも身体が覚えてるものですから)
 現地の社会も、まあ、自分がそうだからといって、えばるわけではないですが、(だって「本当」なんですもの~?!)、じっさい現地の人の「家族」くらいにならないと、(それも、いわゆる「市井」の、一般市民、と、)彼らのことも心底から理解するのは(彼らの言語も)無理だと思います。
(だから国際結婚は離婚が多い?けっきょく理解し合えない、相容れられないから、、、)
 現地の社会、にしても、バブリーな地区だけでなく(アメリカのほんの「上澄み」の部分だけでなく、)、ハーレムほどとは言わないけれど、(このへんでも、それに近いような所、リッチな街のすぐ隣にあったりもしますからね、自分の耳目で確かめようと思えばそれもすごく可)そういう「底辺」に生身で飛び込んでみろ、とはいいませんけどね~。
(ガイドなしではほんとに命の危険があるから、、、)

 なんだかすっかり支離滅裂になっちゃいましたが、高樹先生、このような記事、本当にありがとうございます!
 
 
 
美徳 (浜田英季)
2010-10-07 09:52:24
元来、日本人には「以心伝心」とか、「阿吽の呼吸」と言う、口の出さなくても互いを理解し合えるという「美徳」がありました。しかし、IT化が進んだ現代社会では、ブログやツイッターというコミュニケーション・ツールを通して、自分自身が情報発信源になっています。これを「フラット革命」と呼ぶそうです。さて、10月2日の「マイマイ新子野外上映会」は大成功。映画の舞台(国衙史跡公園)で見る「マイマイ新子」は感動ものでした(驚)大型スクリーン(7×13M)と音響システムは完璧でした。この映画が防府の町興しに一役買ったのは事実です。翌日の「マイマイ新子探検隊4」も、雨中にも関わらず参加者が約100名(県外から50名)の大成功。根本的なきっかけを作ってくださった高樹先生に感謝感激(伏)尚、マイマイ新子の躍進はまだまだ続きます(驚愕)
 
 
 
ノーベル賞 (田奈唐慕田藻値)
2010-10-07 13:27:13
1年前、オバマ大統領のノーベル平和賞受賞を、大いに侮辱した者でござる   今回、2人の日本人のノーベル化学賞受賞
  誠に恐悦至極でござる   何でも、30年前の研究で大いに世の中で応用されて、社会貢献絶大との事   100人居れば、100人が諸手を挙げて賞賛し、祝福であるの

それに比べて、オバマの平和賞 できる物なら没収したいの
いやいや、オバマを責めるのでなく、選考委員の輩のノー天気が呆れるの
 
 
 
英語にもイロイロ (高樹のぶ子)
2010-10-07 21:23:21
京都の取材から戻ってきました。
ひとつ終わると、ひとつ待っている。けれどそれは私の喜びです。疲れても疲れても、次の世界に入っていくのは、やはり愉しい。取材が終わり、新幹線に乗る前の時間、京都グランビアホテルで、お茶デート。といっても、東京から編集者が二人来て打ち合わせして、両者がまた西と東に別れていく・・

英語圏の人はそれだけでトクですね、本当に・・
けれど英語(米語)が世界を席巻すると、英語自体が別のカタチに変形もしていきます。フィリピンの英語や、シンガポール、どんどん、変わっていく。これも宿命。元は英語だったのが今は米語が主流になっていった成り行きもそうですね。

韓国にシンポジュームで行ったとき、作家同士で「気持を伝える」のは、韓国語でも日本語でもなく、やはり英語でした。けれど英語では、本当の主張はできない。

ちょっと恥ずかしい話しですが・・上記のプログラムでアメリカ各地を訪問したとき、ホームパーテイに招かれて、私が下手な英語で自分の小説について説明をするのを、通訳は押しとどめて、「高樹さん、どうでもいい話しは英語でお喋りしても良いけれど、小説については、私がキチンと通訳します」とアドバイスしてくれました。つまり、私の英語では、私の小説がかなりレベル低く、見えたらしい。反省しきり!

大事な情報発信は、やはりキチンとその国の言語に翻訳してネットで配信して欲しいと思います。その手間ヒマは、かける価値があると思うんですね。
 
 
 
ツールとしての英語 (木蓮)
2010-10-07 22:46:56
先生、お帰りなさいませ。お風邪の具合はいかがですか。京都の一シーン、、メールも携帯もなかった頃の、遠距離恋愛の切なさが思い出され、グッときてました。

私は、英語コンプレックスの塊。「英語学習とは、文法や作文だけじゃなく、文化や歴史を学ぶこと!」と言われて勉強した世代。なんとなく、英語圏を上に見ていたような気がします。不必要な崇めや、反発がありました。
けれど、グローバル化で英語が席巻した今は、英語圏を理解するための英語学習ではなく、世界の人と交流、理解するための、あくまでも、手段としての、英語なんだと思えるようになりました。
NYで生活することは、英語を母語としない人達と交流することでもあります。不自由しながらも、思いを伝えあう。こじつけですが、「これもSIAのテーマ!」と自分を鼓舞しております。
世界が英語をツールとみなすことで、かえって、それぞれの国や地域の言葉を尊重する気持ちが高まるのでは。。。そんな希望を抱いています。

田奈唐さん、すぐにわかりましたよぉ。
書き込みをやめようか、HNを変えようか、と悩みましたが、最後まで木蓮で参ります。よろしくお願いいたします。



 
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