上越高田公演のお知らせが、できました。フェイスブックでも少し触れましたが、猿八座の高田応援団の皆さんが、観客としてでは無く、とうとう猿八座高田支部として、関わることになりました。今回は、裏方として、お手伝いいただく事になっていますが、来年の上越公演では、高田支部の皆さんも人形遣いとして参加していくことになるでしょう。猿八座は、常に座員を募集しておりますので、ご興味のおありの方は、是非お問い合わせ下さい。ご当地浄瑠璃「山椒太夫」が、末永く上越に残ればこんな良い事はありません。今年は、山椒太夫全段を2回行います。宜しくご予定下さい。




今年も、新潟大学地域文化連携センター主催の猿八座公演が実施される運びとなりました。有り難い事に、5年連続です。感謝、感謝。これまでに、H24年:信太妻、H25年:阿弥陀胸割、H26年:山椒太夫、H27:源氏烏帽子折と、代表作を全て発表させて戴いてきました。今回は、「耳なし芳一」と「貉」、小泉八雲シリーズです。鈴木孝庸先生の平家琵琶と合わせて、お楽しみ下さい。要予約。連絡先080-2012-9115(西橋)まで。

展示会場のARTーEATは、すっかり「山椒太夫」の世界に。

沢山の首(かしら)が、皆様のお出でをお待ちしております。

沢山の首(かしら)が、皆様のお出でをお待ちしております。

猿八座を紹介するギャラリー展示は、9日(土)から開催されます。開廊時間は、午前11時から夜9時まで(但し、火水は7時まで。日月木は休廊)
今日は、これより、展示の設営に向かいます。
本日の東京新聞に紹介されました。
今日は、これより、展示の設営に向かいます。
本日の東京新聞に紹介されました。

平素より、ブログをご覧いただき誠にありがとうございます。今年から、ブログの増設、及び、新しいホームページの立ち上げをいたしましたので、お知らせいたします。やや、煩雑の感もあるかと存じますが、新しい活動をより明確にするための対応ですので、宜しくご理解とご協力をお願いいたします。
まず、このgooブログ「猿八座 渡部八太夫 古説経・古浄瑠璃の世界」では、これまで通り、人形浄瑠璃猿八座の太夫としての活動を主に取り上げて、お知らせや報告を掲載して参ります。
次に、hatena blog 「地の声 天の音 かたりもの八太夫会」では、東京八王子の戸吹稽古場(及び近日オープンの千年文庫)を中心とする話題や、八太夫会のイベント等のお知らせをさせていただきます。
又、jimdo ホームページ「web千年文庫」は、「忘れられた物語たち」を整理し直し、語り物としてのテキストが提供できるように、順次、掲載していく計画です。スタートは「説経正本の部屋」から、今後、この「部屋」は増設を予定しています。
各リンク先は、左側のブックマークからお出で下さい。
まず、このgooブログ「猿八座 渡部八太夫 古説経・古浄瑠璃の世界」では、これまで通り、人形浄瑠璃猿八座の太夫としての活動を主に取り上げて、お知らせや報告を掲載して参ります。
次に、hatena blog 「地の声 天の音 かたりもの八太夫会」では、東京八王子の戸吹稽古場(及び近日オープンの千年文庫)を中心とする話題や、八太夫会のイベント等のお知らせをさせていただきます。
又、jimdo ホームページ「web千年文庫」は、「忘れられた物語たち」を整理し直し、語り物としてのテキストが提供できるように、順次、掲載していく計画です。スタートは「説経正本の部屋」から、今後、この「部屋」は増設を予定しています。
各リンク先は、左側のブックマークからお出で下さい。
おかげさまで、続々と東京公演の予約をいただいております。誠にありがとうございます。まだ余裕がありますので、ご親戚、お知り合いにお声掛け下さい。さて、東京公演に引き続き、翌1月24日(日)は、鎌倉に巡業させていただきます。鎌倉公演は「小泉八雲」特集ですので、演目が異なります。人形による「耳なし芳一」は、鎌倉公演のみの演目となっておりますので、ご注意下さい。又、1月16日(土)東京での「耳なし芳一」は、私の素語りで、人形はつきません。「芳一」をご覧になりたい方は、是非、鎌倉へお運び下さい。

来年は申年です。猿八座の年です。そこで、企画されたのが、猿八まつり。東京方面の皆さん、大変お待たせいたしました。いよいよ、猿八座が、東京に参上いたします。会場が狭いので、お早めにご予約下さい。



今年、最後の公開稽古には、およそ30名もの方々にご来場いただき、稽古場が満員でした。
熱心な方々ばかりで、緊張しましたが、力一杯、勤めさせていただきました。ありがとうございました。
また、ご来場下さい。

撮影:藤田雅善氏
「角田川」渡し船の船頭から、探し求めていた息子の消息を聞く母。息子梅若は、1年前に、この川岸で行き倒れたと、知らされる。

撮影:藤田雅善氏
「耳なし芳一」平家武者の亡霊は、琵琶語りをさせる為に、芳一を迎えに来た。
さて、来春、1月には、猿八座東京公演が計画されています。
東京地方のファンの皆様にとっては、またとないチャンスです。
どうぞ、ご予定下さい。詳細は、チラシができ次第、お知らせします。
[猿八座東京公演 概要]
猿八まつり(ギャラリー展示)1月9日(土)~1月23日(土)
★ 八太夫素浄瑠璃の夕べ 1月16日(土)午後6:30~
耳なし芳一 (原作:小泉八雲 脚色:姜八景 補綴:西橋八郎兵衛 節付:渡部八太夫)
件(原作:内田百 脚色:渡部八太夫・姜信子 節付:渡部八太夫)
前売り2000円 当日2500円
★ 猿八座人形浄瑠璃
1月22日(金)午後7:00~ (三番叟・角田川・山椒太夫)
1月23日(土)午後3:00~ (三番叟・角田川・信太妻)
前売り3000円 当日3500円 お弁当・1ドリンク付き
会場 馬喰町 ART&EAT 〒101-0031 東京都千代田区東神田1-2-11 アガタ竹澤ビル202.
予約・問い合わせ 03-6413-8049
猿八座鎌倉公演(予定)
期日 1月24日(日) 猿八座人形浄瑠璃 (三番叟・耳なし芳一)(時刻未定)
会場 古民家スタジオ・イシワタリ 神奈川県鎌倉市長谷1-1-6
熱心な方々ばかりで、緊張しましたが、力一杯、勤めさせていただきました。ありがとうございました。
また、ご来場下さい。

撮影:藤田雅善氏
「角田川」渡し船の船頭から、探し求めていた息子の消息を聞く母。息子梅若は、1年前に、この川岸で行き倒れたと、知らされる。

撮影:藤田雅善氏
「耳なし芳一」平家武者の亡霊は、琵琶語りをさせる為に、芳一を迎えに来た。
さて、来春、1月には、猿八座東京公演が計画されています。
東京地方のファンの皆様にとっては、またとないチャンスです。
どうぞ、ご予定下さい。詳細は、チラシができ次第、お知らせします。
[猿八座東京公演 概要]
猿八まつり(ギャラリー展示)1月9日(土)~1月23日(土)
★ 八太夫素浄瑠璃の夕べ 1月16日(土)午後6:30~
耳なし芳一 (原作:小泉八雲 脚色:姜八景 補綴:西橋八郎兵衛 節付:渡部八太夫)
件(原作:内田百 脚色:渡部八太夫・姜信子 節付:渡部八太夫)
前売り2000円 当日2500円
★ 猿八座人形浄瑠璃
1月22日(金)午後7:00~ (三番叟・角田川・山椒太夫)
1月23日(土)午後3:00~ (三番叟・角田川・信太妻)
前売り3000円 当日3500円 お弁当・1ドリンク付き
会場 馬喰町 ART&EAT 〒101-0031 東京都千代田区東神田1-2-11 アガタ竹澤ビル202.
予約・問い合わせ 03-6413-8049
猿八座鎌倉公演(予定)
期日 1月24日(日) 猿八座人形浄瑠璃 (三番叟・耳なし芳一)(時刻未定)
会場 古民家スタジオ・イシワタリ 神奈川県鎌倉市長谷1-1-6
秋の公演が一段落した11月15日(日)、しばらく実施できなかった公開稽古を開催いたします。紫雲寺周辺の方々はどうぞ、お気軽にお出で下さい。いつも通り、入場無料・飲食可です。演目は、新作の角田川と耳なし芳一。場所は、新発田市真中1868:東光寺心萃房。問い合わせは、西橋080-2012-9115まで。

いよいよ、9月。琉球カフェ てぃーだかんかん(豊田市)での公演が近付いて来ました。
今年のてぃーだかんかん小劇場は9月12日です。詳細は
http://blogs.yahoo.co.jp/cafe_teida
をご覧下さい。
又、今年は、もうひとつ公演させていただく事になりました。
9月13日は同じく豊田市の顕正寺で、同じ演目です。
http://kenshouji.web.fc2.com/
をご覧下さい。
さて、新作「耳なし芳一」は、鋭意制作中です。
今年のてぃーだかんかん小劇場は9月12日です。詳細は
http://blogs.yahoo.co.jp/cafe_teida
をご覧下さい。
又、今年は、もうひとつ公演させていただく事になりました。
9月13日は同じく豊田市の顕正寺で、同じ演目です。
http://kenshouji.web.fc2.com/
をご覧下さい。
さて、新作「耳なし芳一」は、鋭意制作中です。

八重山諸島の石垣島川平(かびら)に伝わる節祭(しちまつり)にはマユンガナシという神(精霊)が登場する。「マユ」とは「真の世」のことであり、「ガナシ」は敬称で、あわせて「真世の尊いお方」という意味になるそうだ。大それた事に、この聞いたことも無い神を演じる事になった。

というのも、
姜信子氏から、物語に節をつけて語ってもらえないかと依頼されたからなのだ。このところ、小泉八雲など、浄瑠璃以外の節付けを試みてはきたが、さすがに、この依頼には驚いた。いったいどいうことになるのだろうか・・・
姜信子氏の新刊「はじまりはじまりはじまりはじまり」が、羽鳥書店から出版される。その記念イベントのお知らせが、下のチラシ。出演するイベントは、9月9日の橙書店(熊本)と9月22日ふげん社(築地)で、このイベントでの、私の役目は、その最後の物語「まゆんがなし」のはじまりの物語を語る事なのである。

というのも、
姜信子氏から、物語に節をつけて語ってもらえないかと依頼されたからなのだ。このところ、小泉八雲など、浄瑠璃以外の節付けを試みてはきたが、さすがに、この依頼には驚いた。いったいどいうことになるのだろうか・・・
姜信子氏の新刊「はじまりはじまりはじまりはじまり」が、羽鳥書店から出版される。その記念イベントのお知らせが、下のチラシ。出演するイベントは、9月9日の橙書店(熊本)と9月22日ふげん社(築地)で、このイベントでの、私の役目は、その最後の物語「まゆんがなし」のはじまりの物語を語る事なのである。

燈台鬼⑥(終)
15年ぶりに燈台を外され、物を言える薬を飲まされた恋子は、夢から覚めた様な気持ちです。何もかもが信じられないという面持ちで、御前に引き出されました。やがて、恋子は、仏を売りに来た商人に向かって尋ねました。
「私は、その昔、西上国より大将として遠征した恋子という者であるが、戦に敗れた為、顔の皮を剥がされ、昼夜を問わず、火を灯され続けた。物を言えぬ薬を飲まされたが、心の内にて弥陀の名号を唱え続けた験によって、このように御助けを被ることとなった。それにしても、その御仏は、私の仏であるに間違い無い。この仏は、私が出陣の時に、形見として妻に渡した物だ。あなたは、どうして、これを持っているのです。」
これを聞いた恋坊は、恋子の袂に縋り付いて
「ご存知無いのも当然ですが、私は、胎内にて捨てられた、あなたの子供です。父上を探して、これまで参りました。ああ、なんという有りがたさでしょうか。」
と泣くばかりです。恋子は、夢とも現とも弁えず、親子共々抱き合って嬉し泣きに暮れました。しかし恋子は、力無く
「さても遠路を遙々と、ようやくに尋ね来たことは大変にご苦労なことであったが、このような姿では、もう故国に帰ることなどできない。顔の皮を剥がされて、餓鬼道に落ちたも同然。玄冬素雪の寒さに重ねる衣も無く、寒地獄に落ち、九夏三伏の暑さには、額の灯火が灼熱地獄となり、修羅畜生と同然なのだからな。お前は、名を何と言うのか。」
と言うのでした。しかし恋坊は、
「私は、恋坊と申します。古里で母がお持ちです。そんな事を言わないで早く西上国に帰りましょう。父上様。」
と、励ますのでした。これを聞いた臣下大臣は、この親子のことを王様に奏聞したのでした。王様は、
「おお、まだ見もせぬ父を恋しく思って、遙々と尋ね来る志しは、きっと仏の化身であるに違い無い。麻呂には、世継ぎの王子がないから、恋坊をわしの世継ぎとせよ。」
との宣旨です。恋坊は畏まって、
「その宣旨に背くのではありませんが、古里では、母が今や遅しとお待ちです。父上を無事に西上国に送り帰してから、宣旨に従いたく思います。どうか、西上国に戻ることをお許し下さい。」
と言うと、恋坊は虚空に向かって手を合わせ始めました。
「南無阿弥陀仏。弥陀如来。今一度、父を元の姿に戻して下さい。」
と、肝胆砕いて念仏し、祈願したので、仏力が顕現して、恋子は、元の姿に戻ったのでした。
それから、恋坊と恋子は早速に、西上国に帰りました。西上国の王は、
「このような事は、金輪際無いような奇蹟だ。」
と驚いて、法皇に退くと、恋子を国王にしたのでした。さて、その後、恋坊は南海国に戻って、目出度く国王になったのでした。その昔、西上国と南海国は、仲が悪い間柄で、戦争ばかりしていましたが、今は、親子がそれぞれの国王となったので、どちらの国も平和で豊かな国として、末永く栄えたということです。貴賤上下の人を問わず、だれでも感心しない人はいなかったということです。
おわり

慶安三年正月吉祥日
西洞院通長者町草紙屋長兵衛
15年ぶりに燈台を外され、物を言える薬を飲まされた恋子は、夢から覚めた様な気持ちです。何もかもが信じられないという面持ちで、御前に引き出されました。やがて、恋子は、仏を売りに来た商人に向かって尋ねました。
「私は、その昔、西上国より大将として遠征した恋子という者であるが、戦に敗れた為、顔の皮を剥がされ、昼夜を問わず、火を灯され続けた。物を言えぬ薬を飲まされたが、心の内にて弥陀の名号を唱え続けた験によって、このように御助けを被ることとなった。それにしても、その御仏は、私の仏であるに間違い無い。この仏は、私が出陣の時に、形見として妻に渡した物だ。あなたは、どうして、これを持っているのです。」
これを聞いた恋坊は、恋子の袂に縋り付いて
「ご存知無いのも当然ですが、私は、胎内にて捨てられた、あなたの子供です。父上を探して、これまで参りました。ああ、なんという有りがたさでしょうか。」
と泣くばかりです。恋子は、夢とも現とも弁えず、親子共々抱き合って嬉し泣きに暮れました。しかし恋子は、力無く
「さても遠路を遙々と、ようやくに尋ね来たことは大変にご苦労なことであったが、このような姿では、もう故国に帰ることなどできない。顔の皮を剥がされて、餓鬼道に落ちたも同然。玄冬素雪の寒さに重ねる衣も無く、寒地獄に落ち、九夏三伏の暑さには、額の灯火が灼熱地獄となり、修羅畜生と同然なのだからな。お前は、名を何と言うのか。」
と言うのでした。しかし恋坊は、
「私は、恋坊と申します。古里で母がお持ちです。そんな事を言わないで早く西上国に帰りましょう。父上様。」
と、励ますのでした。これを聞いた臣下大臣は、この親子のことを王様に奏聞したのでした。王様は、
「おお、まだ見もせぬ父を恋しく思って、遙々と尋ね来る志しは、きっと仏の化身であるに違い無い。麻呂には、世継ぎの王子がないから、恋坊をわしの世継ぎとせよ。」
との宣旨です。恋坊は畏まって、
「その宣旨に背くのではありませんが、古里では、母が今や遅しとお待ちです。父上を無事に西上国に送り帰してから、宣旨に従いたく思います。どうか、西上国に戻ることをお許し下さい。」
と言うと、恋坊は虚空に向かって手を合わせ始めました。
「南無阿弥陀仏。弥陀如来。今一度、父を元の姿に戻して下さい。」
と、肝胆砕いて念仏し、祈願したので、仏力が顕現して、恋子は、元の姿に戻ったのでした。
それから、恋坊と恋子は早速に、西上国に帰りました。西上国の王は、
「このような事は、金輪際無いような奇蹟だ。」
と驚いて、法皇に退くと、恋子を国王にしたのでした。さて、その後、恋坊は南海国に戻って、目出度く国王になったのでした。その昔、西上国と南海国は、仲が悪い間柄で、戦争ばかりしていましたが、今は、親子がそれぞれの国王となったので、どちらの国も平和で豊かな国として、末永く栄えたということです。貴賤上下の人を問わず、だれでも感心しない人はいなかったということです。
おわり

慶安三年正月吉祥日
西洞院通長者町草紙屋長兵衛
年によって会場は変わりましたが、田村初美さん企画による、村上市内での猿八座公演は、今年でもう4年目となります。毎年、大変ありがとうございます。今年も村上の皆さんに会える日を楽しみにしています。お申し込み・お問い合わせは、090-2544-6500(田村)まで、お願いいたします。
