猿八座 渡部八太夫

古説経・古浄瑠璃の世界

恒例 人形浄瑠璃を楽しむ会 村上公演のお知らせ

2015年07月29日 16時52分30秒 | お知らせ
年によって会場は変わりましたが、田村初美さん企画による、村上市内での猿八座公演は、今年でもう4年目となります。毎年、大変ありがとうございます。今年も村上の皆さんに会える日を楽しみにしています。お申し込み・お問い合わせは、090-2544-6500(田村)まで、お願いいたします。

人形浄瑠璃と日本酒の夕べ

2015年07月29日 16時41分30秒 | お知らせ
秋の夜を、お酒と人形浄瑠璃でお過ごしになりませんか?新発田市の酒蔵「金升(かねます)酒造」様のご協力による、「升々楽座」の魅力的な企画です。定員がありますので、お早めにご予約下さい。詳しくは、以下のチラシをご覧下さい。
お申し込みは、金升酒造株式会社・金升蔵カフェ:電話0254-22-3131 です。

観世流銕仙会能楽堂で他流試合稽古

2015年07月27日 11時14分14秒 | 猿八座
佐渡猿八での、「越敷神社共同舞台」がいよいよ来週に迫りました。仕掛け人である能楽師清水二氏の稽古場にお邪魔しました。銕仙会(てっせんかい)の能楽堂は、東京の青山にあります。後学の爲、渋谷駅から歩いてみました。宮益坂(みやますざか)を上るのは初めてです。成る程、渋谷は谷です。先日も豪雨があって渋谷駅が水浸しになったばかりです。さて、ここが、源氏烏帽子折に登場してくる「渋谷の金王丸」の生まれ故郷かと感心しながらも、猛暑に汗だくでした。

表参道の銕仙会能楽堂の外見


さて、今回の他流試合というのは、能の「隅田川」を清水氏が演ずるのに搦めて、音曲は坂野正崇氏がサックスで担当するのです。そこまでは、去年のパターンですが、今年は、狂女(母親)の台詞を、私に回していただいたのでした。それも先週の新発田での稽古で突然言われた事なので、ビックリ。私は、能に関しては何も知らないので、ビクビクです。浄瑠璃調のそのままで良いと言っていただきましたが、恐る恐る、稽古に行って参りました。

銕仙会4階稽古場
能楽師の声を間近に聴いたのは初めてです。底鳴りする素晴らしいお声なので、流石に気後れしましたが、負けじと、声を張り上げてきました。最近、猿八座の操りは、スピーディな所作が多いですが、能では、大分ゆっくりとやらないと、清水氏とのペースが合わない様です。坂野氏のサックスがなめる様に、ついてきます。

平成27年 秋の公演 ご案内

2015年07月23日 21時15分41秒 | お知らせ
9月以降の渡部八太夫が出演する公演予定を、お知らせいたします。
個々の公演の詳細は、チラシができ次第、別途お知らせいたします。

尚、姜信子氏が企画する講義・講座等に伴う公演を、「信夫組(しのぶぐみ)」と呼ぶことにしました。

9月9日(水)

  姜信子作『はじまりはじまりはじまり』刊行記念の宴

   歌います、語ります、たびのはじまり。

   午後7時~ 於 橙書店 (熊本市) 

  演目:書き下ろし祭文:「旅のはじまり-まゆんがなしの物語」弾き語り


9月10日(木)

   熊本学園大学 「日本の語り物ワークショップ」姜信子氏講義の中で説経祭文の弾き語り(演目未定)


9月11日(金)

  福岡県久留米市 信夫組公演:弾き語り説経祭文「信徳丸」・弾き語り猿八節「耳なし芳一」 午後6時~
   古民家デイサービス「みんなの時間」

9月12日(土) てぃーだかんかん小劇場 猿八座人形浄瑠璃公演 「角田川」「耳なし芳一」  午後6時から
  
9月13日(日) 豊田市岩倉町 顕正寺公演 猿八座人形浄瑠璃 「角田川」「耳なし芳一」 午後2時から

9月19日(土) 東京都府中市立新町小学校 道徳授業地区公開講座 11:15~ 於体育館
         信夫組公演:弾き語り説経祭文「葛の葉子別れ」

10月3日(土) 新発田市金升酒造公演 人形浄瑠璃猿八座「信太妻」

10月4日(日) 人形浄瑠璃を楽しむ会 会場:村上市教育情報センター視聴覚ホール  人形浄瑠璃猿八座「信太妻」

10月11日(日)あきる野市 菅生歌舞伎 説経祭文「佐倉宗吾義民伝・渡し場段」(野口令太夫:中田惹八三味線)

10月25日(日)新潟市砂丘館公演 人形浄瑠璃猿八座「信太妻」 午後13:30開演 


あっちこっちですが、機会がありましたら、御声援下さい。


       


説経祭文とチョンガレ、そして瞽女唄

2015年07月22日 11時24分07秒 | 調査・研究・紀行
説経祭文の「信徳丸」を依頼されたので、薩摩若太夫正本を探したが、版本に行き着くことができなかった。薩摩派の写本を調べてみると、「善兵衛住処」という、呪いの釘を鍛冶屋に打たせる場面しか残っていない。これは、10年以上前に「祈り釘」という段として節付けしたことがあり、私の譜面が残っている。古説経の信徳丸では無く、説経祭文としての全段が、どこかに残っていないかと、調べている内に、「日本庶民生活資料集成第17巻」に、ようやくその文言を見つけることが出来た。しかし、これは、版本ではなく、新潟県上越市高田の市川信次氏の所蔵する、若太夫正本の写本であると書かれていた。説経祭文が、高田瞽女の段物、祭文松坂の原文テキストとして使われたらしいというのである。そこで、逆に、このテキストを、祭文として採用しうるのかを、確かめる爲に、長岡市在住の瞽女研究家鈴木昭英氏を訪ねた。鈴木氏は、集成17巻の著者である五来重博士(東大)の御弟子さんである。

説経祭文の節を聴いていただいた。
 結論的には、かなりの頻度で、祭文語りやチョンガレがやってきて、若太夫正本を使った語りをしたので、瞽女も同じような演目の段物を、習得するようになったらしいのである。この集成17巻の「写本信徳丸」は、実は、明らかに越後訛りで記録されているのだが、そこに注意をしながら、説経祭文のテキストとして採用してみようと思う。

猿八座 暑中稽古 

2015年07月22日 09時53分25秒 | 猿八座
8月2日の佐渡猿八、越敷神社の公演が近付いてきました。新人の姜八景が、初めて人形に三味線を合わせました。衣装合わせもして、見た目は一人前です。三番叟の連れ弾きが初舞台になります。

9月12日てぃーだかんかん小劇場(豊田市)の演目、角田川と新作の耳無し芳一

角田川:梅若塚の大念仏の場面

耳無し芳一:安徳帝墓所で琵琶語りをする芳一

旅するカタリ かもめ組 成蹊大学公演 

2015年07月13日 14時46分23秒 | 調査・研究・紀行
作家の姜信子氏は、猿八座の一員となり、八太夫会にも入って、三味線を稽古しています。8月の佐渡では、初舞台に上がってもらう予定です。さて、その姜信子氏と、浪曲師玉川奈々福さん、パンソリ唱者安聖民(アン ソンミン)さんの3人組は、「かもめ組」という不思議な芸能集団を組んでいます。その呼びかけが、「世界よ、この愚か者たちの声を聴け」です。
 浪曲も生で聴くのは初めてでしたが、韓国の語り物「パンソリ」は勿論初めてで、そのような芸能があることすら知りませんでした。とにかく、初体験でしたので、感動と驚きの連続でしたが、お二人の共通して素晴らしかったのは、その声の鍛え方でした。やはり、プロの声は違いますね。惚れ込みました。

「ピナリ(祈り)」安聖民  鼓手:趙倫子(チョ リュンジャ)

「金魚夢幻(きんぎょむげん)」玉川奈々福 曲師:澤村豊子
因みに、浪曲の三味線は、三下がり。三味線は太棹で、東サワリがある地唄タイプでした。駒は、端唄用に近い大きめの物でした。撥は総鼈甲とお見受けしました。

「ケンカドリの物語」(姜信子著「生きとし生ける空白の物語」から)パンソリと浪曲と声による実験的語りの試み