猿八座 渡部八太夫

古説経・古浄瑠璃の世界

新版 耳なし芳一

2024年06月11日 21時36分20秒 | 公演記録

毎年、定期的に開催していただいている「ドナルド・キーンセンター柏崎」での、本年一回目の公演は、小泉八雲原作「怪談」より、「耳なし芳一」でした。初演からもう10年が経ちます。

さて、今回は、座員の巫美麗が、薩摩琵琶の奏者であるので、芳一の琵琶語りを分担できないだろうかということで、トライした作品になりました。しかし、芳一が手にするのは「平家琵琶」です(あるいは「盲僧琵琶」)。なので、琵琶語りの雰囲気は十二分に出ましたが、妙な組み合わせだったかもしれません。やってるときは感じませんでしたが、撮影されたビデオをみて、はじめて感じました。

みなさんはどう、思われましたでしょうか????

以下、ビデオをご覧ください。

 

おまけは、昔話「ねずみ経」・・・最近、こっちの方が人気?

 

さて、秋のドナルド・キーンセンター公演は、11月24日です。演目はいよいよ、近松門左衛門作「国性爺合戦」(前半)です。

 


改訂版 耳なし芳一

2024年05月12日 19時23分13秒 | お知らせ

4月の新発田三光寺公演では、満員御礼の中、山椒太夫三段組みを御覧いただきました。誠にありがとうございました。三光寺公演はリピーターの方々が多く、終演後も大勢の方々からお声がけをいただきました。本当に励みになります。なんと、即日に、来年の公演日も決定! あくまでも、予定ですが、5月17日(土)か18日(日)ごろになりそうです。

さて、次回の猿八座は、6月9日(日)柏崎のドナルドキーンセンターです。演目は、「耳なし芳一」です。

改訂版というのは、台本の改訂ではありません。猿八座の座員である薩摩琵琶演奏者巫美麗(ウー・メイリー)の協力により、本格的な琵琶演奏を加え、より臨場感を高めようと、浄瑠璃の演出を変えました。

つまり、芳一の部分は、台詞も語りも琵琶も、巫美麗が担当し、他の部分は、八太夫が担当。また、三味線と琵琶の掛け合いなども工夫することで、よりお楽しみいただける舞台になるのではないかと思っております。

おまけは、民話「ねずみ経」です。


2024年 猿八座公演予定

2024年02月20日 10時10分51秒 | お知らせ

猿八座は現在冬休み中ですが、春からの公演が続々と決定しておりますので、お知らせいたします。

今年は、鄭成功の生誕からちょうど400年ということで、後半は「国性爺合戦」に取り組みます。

まずは、久しぶりの「山椒太夫」からです。

また、「耳無し芳一」は本格的琵琶を取り入れてのリメイクです。

4月20日 新発田 三光寺 10:00 山椒太夫三段組

4月21日 弥彦 旧鈴木邸 信太妻 一回目10:30 二回目13:30

6月 9日 柏崎 ドナルドキーンセンター 13:30 耳無し芳一 狢 

6月29日 聖籠 藪から房 15:00 耳無し芳一

8月 3日 柏崎 ドナルドキーンセンター 子供向けワークショップ 詳細未定

8月24日 聖籠 聖籠図書館 18:30 耳無し芳一

10月11日 12日 阿賀町 詳細未定

10月19日あるいは20日 平戸 国性爺合戦 詳細未定

11月10日 村上 情報センター 国性爺合 詳細未定

11月24日 柏崎 ドナルドキーンセンター 国性爺合戦 詳細未定

それぞれ、個別の公演案内は、後日お知らせいたします。

 


猿八座の猿八三番叟

2023年11月25日 17時58分13秒 | 公演記録

本年、猿八座は、新潟日報文化賞をいただきました。多くの支援者の方々に報告するとともに、感謝する会を稽古場で開きました。お忙しいところ、多くの方々のご出席をいただき誠に有り難う御座いました。

私が入座してから12年経ちますが、座員の数は、今が最高で、14名を数えます。何年ぶりかで、三番叟の連れ弾きが久しぶりにできたのも、若い座員が増えたお陰です。今回三味線のチャレンジしてくれた和泉猿丸は、琵琶語りを専門とするので、もう、語りの声は申し分がありません。文弥節は手がやさしいので、これから語り分けもできそうです。楽しみが増えました。三味線だけでなく、琵琶も入れて、猿八座独自の浄瑠璃ができると面白いと考えています。

 

 


弘知法印御伝記(前三段)

2023年11月06日 17時51分17秒 | 公演記録

ご当地の柏崎ドナルドキーンセンターの開館10周年記念において、「弘知法印御伝記」を前三段だけではありますが、演じることができたのは、誠に名誉なことと感謝申しあげます。しかしながら、一週間前程から、喉の痛みがあり、養生しても一向に良くならず、かといって悪化することもなく、がらがら声のまま勤めざるを得なかったのはまったく残念なことでした。来週11月12日(日)もまた、弘知法印御伝記を演じます。今度は村上市情報センターでお待ちしております。

三段目五智国分寺の場。弘知の妻、柳の前は、弘知の身代わりにされた馬子によって殺害された。弘知はそのことを知らずにいたが、柳の前の幽霊(左)によって、柳の前は、己の下手な企ての犠牲になったことを知る。一応、火の玉を飛ばしてある。そして、ますます出家の決意を固めるのであった。因みに、御殿の書き割りは五智如来で、右隅にいるのは弘法大師である。


猿八座 秋公演 弘知法印御伝記

2023年10月03日 11時01分46秒 | お知らせ

11月は弘知法印御伝記を二回公演いたします。ひとつは、11月5日、柏崎ドナルドキーンセンター。ひとつは、11月12日、村上の人形浄楽しむ楽しむ会です。以下のチラシをごらんください。

おまけ。

10月14日に、ミニ浄瑠璃会があります。

場所は、聖籠町の大夫。ローカルですが、お近くの方はどうぞ。

「藪から房」は猿八座の座員、掘八島の旧家を劇場として改装したもので。

定員20名ほどの和室空間です。これから定期的に、ミニ公演をしていく予定です。


猿八座の国性爺合戦

2023年08月07日 19時11分30秒 | お知らせ

 来年は国性爺合戦の主人公、和藤内(鄭 成功)の生誕400年になるとのことで、猿八座は、密かに、「国性爺合戦」を仕込み始めた。これは、秘密の話である。

 話は二段目から。戦乱の明から、平戸の浦に流れ着いた栴檀皇女。そこで、遭遇するのは、和藤内三官と妻のこむつ。写真は、可愛らしいこむつの「悋気」の場面。栴檀皇女の美貌にくらっと来た和藤内に、こむつがかみつく。  

 国性爺合戦といえば、甘輝館楼門の段が見せ場だろうが、近松作品の本当の面白さは、こういう細かいところにある。この平戸の浦の場面は、省略される場合もあるが、猿八座では、敢えて、省略なしで、「貝尽くし」などにも果敢に挑戦しようと考えている。実に長い!が、飽きない。

 公開は来年である。乞うご期待。

8月の猛暑の猿八座稽古場。


猿八座 秋公演 弘知法印御伝記

2023年07月22日 09時36分13秒 | お知らせ
今年は、異常に暑いですね。しかも、早い梅雨明。この先が、思いやられます。先日の、新発田市三光寺での「俊寬」も汗だくどころではありませんでした。途中で意識は遠のいて、譜面はかすんで、何を語ってるのか分からない状態に。このまま倒れるかも・・・とすら思いました。しかし、4年ぶりということで、130名もの皆皆様にご来場いただき、誠にありがとうございました。

三光寺でのフルメンバー。初舞台が2名。座員が増えました。
次は、秋公演が2回、予定されております。演目は「弘知法印御伝記」前三段。これから仕あげてまいります。新人の活躍が楽しみです。
11月5日(日)が、柏崎ドナルドキーンセンターで、翌週11月12日(日)が、村上市教育情報センターです。
以下のチラシは、村上公演のものです。





昔話 屁っこき嫁どん

2023年06月06日 11時10分11秒 | 公演記録
ドナルドキーンセンター柏崎の創立10周年記念公演の1回目を無事に終えることができました。リピーターが多い柏崎、今回も満席でした。ありがとうござました。さて、長く関わらせていただいているキーンセンターですが、猿八座の十八番である「信太妻」は、初めての演目だったそうです。ちょっと意外ですが、これは、ここが、新しい演目をおろすのに適している場だからでしょう。先回は、昔話「あんもち三つ」が初演でした。まあ、おまけの作品ではありますが、今回も、昔話を用意しました。「屁っこき嫁どん」です。実は、座員の「八島」は、読み聞かせや、昔話が大変に上手です。またネタも豊富。どちらの演目も、八島の発案によるものです。次の新演目は、まだ未定ですが、来年に向けて、又新しい演目を検討中です。
さて、「屁っこき嫁どん」は以下でご覧ください。

ドナルドキーンセンター公演 第一回目

2023年05月25日 19時56分33秒 | お知らせ
開館10周年を迎えるドナルド・キーン・センター。今年も2回公演させていただきます。
一回目は6月4日。演目は猿八座上演回数最多の「信太妻」、おまけは、民話「へっこき嫁御」です。
二回目は、11月5日。キーン先生縁の「弘知法印御伝記」のうち前三段を上演いたします。
予約・問い合わせは、ドナルドキーンセンターまで

 

2023年 猿八座公演情報

2023年03月20日 15時55分05秒 | お知らせ
3月に入り、新潟の雪も消えました。といっても新潟から新発田のあたりの話ですが。二王子や五頭などの山地はまだまだ雪山です。
猿八座の冬休みも明けて、稽古が始まりました。今年は柏崎ドナルドキーンセンターの開館十周年を記念して、キーン先生が関わった演目である「弘知法印御伝記」の稽古から始めました。公演日は11月5日(日)の予定。この一週間後の11月12日(日)が村上での公演の予定で、今のところ、同じく「弘知法印御伝記」をやる方向で協議中です。
その前に、コロナで3年前に中止になった新発田市の三光寺での公演が実施されることが決まりました。7月17日(月)祝日。演目は、三年前と同じ「平家女護島」いわゆる「俊寬」です。
 詳細は以下のチラシをご覧ください。


下の写真は、初演時(2009年)のパンフレット



2023年 ドナルドキーンセンター公演 決定

2023年02月11日 14時38分36秒 | お知らせ
猿八座は現在、冬休みです。今年の舞台予定が、入り始め増した。予定だけですが、アップしておきます。

柏崎のドナルドキーンセンターでの公演は

1回目 6月4日(日) 信太妻
2回目 11月5日(日)弘知法印(1から3段)

と決まりましたので、ご予定下さい。
詳細、ちらしは、後日掲載させていただきます。


短編浄瑠璃二題

2022年10月04日 11時35分54秒 | 公演記録
新潟新発田の稽古場に合宿していると、毎晩飲むことになる。大概は、馬鹿話で終わるが、時には、そのまま演出の工夫をし出したり、道具を考案してみたり、実際に稽古をしたりと、なかなか有意義なのである。次の外題をどうするか等の座全体の方針もここで決まるのがもっぱらだが、新作が生み出されたのは始めてである。
 8月の稽古の時に、例によって飲んでいたところ、もうきっかけは忘れてしまったが、八島さんが昔話を始めた。「餡餅三つ」というのである。多分、お土産の団子か餅でもあったのだろう。それが、なかなか面白い。というか、八島さんの語り口が大変良いので、つい釣り込まれた。こりゃ、幕間の寸劇にいいかもしれない。調べてみると、日本昔話でも取り上げられている。
 翌日早速、浄瑠璃をつけてみたのが、以下である。そして、早速、ぶっつけ本番で、9月の舞台に乗せた次第。

「狢」は、従来から小泉八雲の耳無し芳一とセットで演じてきた短編です。


古典にこだわらず、こうした題材も、ちょっと気分転換にはいい。お客様もなごんだようだし。

久しぶりの 芳一です

2022年07月27日 00時30分50秒 | お知らせ
怪談より - 猿八座 Saruhachi-za

怪談より - 猿八座 Saruhachi-za

小泉八雲の「怪談」より「耳なし芳一」と「むじな」の二題を九月にドナルド・キーン・センター柏崎で上演します。「耳なし芳一」は1995年初演、1996年以来6年ぶりの再演です...

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説経をくり 全六段組

2022年03月28日 14時48分26秒 | お知らせ
私が猿八座に入ったのは、2011年4月でした。その年で、退職を予定していましたが、3月31日に退職して、すぐに新潟に向かうとは考えてもいなかったのです。東日本大震災が引き起こしたドミノ現象によって、突然、猿八座に呼ばれたのが始まりでした。それからすでに11年。大概、長続きしない性格ですが、三味線をはじめてからはなんと来年で30年も経ちます。これで、人生のほぼ半分は三味線を抱えて暮らしたことになります。そうして、猿八座も創立25年を既に過ぎました。ここらあたりで、一区切りということで、2年かけて創り上げてきた「説経をくり全六段組」を発表する運びとなりました。4月30日と5月1日の二日間。会場は新発田市の猿八座の稽古場です。ちょっと、行きにくいところですが、ここでしか観られない「をぐり」をお楽しみください。申し込みは、座長の西橋まで、電話:080 2012 9115 でお願いします。