猿八座 渡部八太夫

古説経・古浄瑠璃の世界

最後の山椒太夫通し狂言 

2018年04月23日 14時06分37秒 | 公演記録
猿八座高田支部の皆々様方のサポートで5年間続いた「山椒太夫」シリーズの最終回公演が、無事に終了いたしました。一日に4時間を語り通すという、二日間の苦行の舞台です。操る方も、観る方も、参加者全員が、苦行であります。しかし、これ以上の充実を感ずる演目もありませんので、一抹の寂しさもまた残ります。今となっては、曲がりなりにも語り通せて良かったと感謝する外はありません。
そもそも山椒太夫通し狂言六段組は、「山椒太夫高田世界館公演実行委員会」の委員長である上越教育大学名誉教授川村知行先生の御発案で始まったことでしたので、「高田世界館」だけの特異な演目と言えます。大がかりな舞台になるということもあり、外の劇場ではやったことがありません。今後の「山椒太夫」公演は短縮版の三段組みや、従来の「鳴子曳き・親子対面」の場の上演が中心となると思われます。

久しぶりの三番叟で舞台を清める。

通し狂言でないと演じられない「厨子王出世」の一場面。四天王寺の稚児達が、必ずうけるので楽しめる場面。

しかし、高田世界館での猿八座公演が、もう無いということではありません。来年は、国民文化祭が新潟県で開催されるとのことですので、また違う演目で、世界館を訪れることができればいいなあと考えております。その節は、又高田支部の面々にお世話になりたいと思いますので、宜しくお願いいたします。


佐渡大慶寺 第40回門前市記念公演

2018年04月16日 09時30分18秒 | 公演記録
春の嵐にも負けずに、「平家女護島」を勤めて参りました。文弥人形の本場で、文弥を語るのには勇気がいりますが、文弥節の師匠である久保宗香氏や真明座の川野名座長に直接聞いていただけることは、喜びでもあります。山(語る台)の真後ろに烏天狗不動様がいらしゃったので、守っていただいた感じです。


平家女護島二段目は、たいてい鬼界ヶ島の場面からはじめることが多いようです。いわゆる「俊寛」の場面が見せ場です。長くはなりますが、口からやりますと、俊寛の赦免状が出たいきさつがよく分かります。


撮影:藤田雅善
能登の守教経と、恩赦の勅使、妹尾と丹左右衛門が出合う「鳥羽の作道」の場面。教経は、赦免状に俊寛の名前の無い事を知り、一計を案ずる。


教経は、重盛の代筆として、俊寛の赦免状を書く。


しかし、結局、俊寛は、都に帰ることはなかった。

猿八座 3年連続 再びヨーロッパへ

2018年04月13日 21時09分48秒 | お知らせ
5月には、フランスとポーランドでの公演が決定しました。

5月15日から20日までの間は、パリの南方80Kmにある「ラ・ヌビール・スレソン」という街に滞在。
中世の城跡を利用したという「真夜中劇場」というところで、主に「信太妻」「貉」などを上演の予定。
ところが、フランスには、いわゆる「タヌキ」はいないそうでなので、ちょっと困っております。
どうやら、似ているものとしては、「アライグマ」・・・「raton laveur」(ラアトン・ラヴァール)と言うしかないとか・・・

5月21日には、ポーランドへ、ワルシャワは通過して、クラフクへ飛び、さらにその南西70Kmにあるという「ビエルスコ・ビヤワ」という街へ。
第28回国際人形劇芸術祭に参加します。猿八座の出番は、24日。演目は「源氏烏帽子折」ちょっと短縮版です。

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