猿八座 渡部八太夫

古説経・古浄瑠璃の世界

第2回 てぃーだかんかん小劇場 源氏烏帽子折・貉初演

2014年08月31日 20時57分21秒 | 公演記録

豊田市の琉球カフェ「てぃーだかんかん」に行って参りました。

(てぃーだかんかんブログ)

http://www.toyomii.com/blog/teidakankan/?date=20110429

http://blogs.yahoo.co.jp/cafe_teida/38761397.html

「てぃーだかんかん小劇場」は、私が勝っ手に名付けました。というのも、昨年の第1回目は、試しにやってみようという感じでしたが、今年は、もう既に、リピターの方々が押し寄せて、また来年も来て下さいと、御声援を多数いただいたからです。よし、来年も、何か新作を持ってくるぞと、密かに息巻くのでした。
 さて、今回の演目「源氏烏帽子折」は、古説経や古浄瑠璃のジャンルではありませんが、近松の比較的初期の作品で、まだ古(いにしえ)の香りが彷彿とする作品です。文弥人形では、「烏帽子折に始まり烏帽子折に終わる」と言うべき浄瑠璃ですので、太夫としても遣い手としても、基本的技能の習熟のために、今年の課題としたのでした。
 若干、秋めいては来ましたが、まだ夏の終わりに、寒々しい冬景色を観ていただきました。

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(子供達の雪を払う常磐御前)

 しかし、新しい演目となると、人形の頭、衣装、小道具、大道具、書き割り等々の新調と工夫が必要となります。今回も本邦初公開の頭がありました。八郎兵衛師匠の作品、常磐御前を逃がす平宗清です。

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私も、雪降らしの設置に少し協力しました。実際に降らせたのは、八島です。

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宗清館の終わり際を二人カンドメにしました。人形遣いの技量が問われます。

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もうひとつ、おまけに演じたのが、小泉八雲の「貉」(むじな)です。狸の親子が道行く商人を驚かして喜ぶという風情です。大受けでした。

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最後に、親子狸に戻るののですが、この親子狸もできたてのほやほやで湯気が出ています。(写真では見にくくてすいません)

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終演後は、自然発生的ワークショップになりました。

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「てぃーだかんかん」の板倉さん初め、豊田市の皆々様、大変有り難う御座いました。また、来年、お会いいたしましょう。

新作頭の詳細は、猿八座ブログへ

http://saru8ken.blogzine.jp/blog/2014/09/post_54ec.html

 


 


9月 公演予定のお知らせ 白山市人形浄瑠璃まつり

2014年08月21日 08時53分20秒 | お知らせ

文弥人形と言われる芸能は、佐渡だけでなく、九州の宮崎県、鹿児島県、それに石川県にも伝わっています。その石川県白山市では、合併10周年の記念行事の一環に、「人形浄瑠璃まつり」を企画しています。

白山市HP参照

http://www.city.hakusan.ishikawa.jp/kikakuzaiseibu/kikaku/10th_anniversary/10th_anniversary_schedule.html

詳しいチラシはできてきていませんが、出演団体と上演日程が確定しました。

9月26日(金)から9月28日(日)の三日間。

出演は、旧尾口村の東二口と深瀬の人形芝居と佐渡の真明座、それに猿八座です。

参考資料ですが、猿八座のHPに掲載されましたので、そちらをご覧下さい。

猿八座HP参照

http://saru8ken.blogzine.jp/blog/2014/08/post_ba0f.html

猿八座では、「信太妻」(後半)と「山椒太夫」(鳴子曳き・親子対面の場)を上演する予定です。それぞれに、特色がある文弥人形を、居ながらにして比較できる、大変ユニークな企画です。

因みに、深瀬が演じる「大江山」「熊井太郎、孝行の巻」は、いずれも山本角太夫の正本を使っておられます。猿八座の「山椒太夫」も山本角太夫正本ですので、山本角太夫の演目が三つ巴になるわけで、これも大変珍しい組み合わせと言って良いでしょう。ご期待下さい。


残暑御見舞い申し上げます 猿八座暑中稽古

2014年08月20日 13時05分23秒 | 猿八座

ちょっと涼しい期間がありましたので、厳しい残暑でくらくらします。くれぐれも、熱中症にご注意下さい。八月末に、豊田市で予定されている「源氏烏帽子折」の「宗清館」の場は、雪の降り積もる冬の京都伏見が舞台です。灼熱の稽古場ですが、寒風が吹き荒れ、寒さに震える場面では、少しぞくぞくします。ご覧になる方も、少しは涼しくなるかもしれません。

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(寒さに気絶した常磐御前を介抱する子供達)

新発田の稽古場での公開稽古は9月15日を予定しております。

入場無料、飛び入り歓迎、飲食持ち込み大歓迎。

詳しくは座長西橋八郎兵衛まで(080-2012-9115)

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人形浄瑠璃を楽しむ会 村上公演 山椒太夫三段組 満員御礼 

2014年08月04日 19時39分40秒 | 公演記録

猛烈な暑さの中、二百名近くの方々にご来場いただき、誠に有り難う御座いました。暑い時は、涼しいホールに集まって、人形を楽しむのがこれからの夏の過ごし方になるかも知れません。企画、集客と走り回っていただいた田村さん(座員名:八汐)大変有り難う御座いました。

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準備完了。開場前のひと時。人形浄瑠璃を楽しむ会事務局の面々(右端:代表田村初美氏)

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この場面は、おなじみになりました直井の浦の「人買い」の場面ですが、人形の数を数えてみますと、8体出ています。安寿、厨子王、御台、姥竹、小八の一行五名と、人買いの山角の太夫、佐渡の平次、蝦夷の高八 の三人です。ところが、今回は、6名の遣い手しか出演できませんでした。同じ芝居ではありますが、いつでも同じでわけでは無いと改めて思わされました。遣い手の人数が変わるだけで、もう全てのやり繰りが変わってしまうのです。何度やってもその度に、造り出さなくてならないのが芝居です。しかし、遣い手が足りない為に、公開できずにいる演目もあります。猿八座では、人形の遣い手を常時、募集していますので、ご興味の方は、西橋八郎兵衛座長までご連絡下さい。(080-2012-9115まで)

10月19日(日)にはまた村上に参りますので宜しくお願い致します。第3回目になる塩谷山円福寺公演は、「阿弥陀胸割」です。