菅首相の支持率が30%台に急降下した。安倍前総理が病気で退陣したあとピンチヒッターとして登場し、当初は「国民・党」両方から圧倒的支持を得ていた。ところがコロナが一向に収束しないばかりか逆に第三波が全国に蔓延し、医療崩壊の危機が現実のものとなってしまったのだ。国民の政府の無策を糾弾する声が無視できない位に大きくなって、しぶしぶ GOTO トラベルを中止したが感染増加が収まらない。とうとう、緊急事態宣言の発出となったわけだが、果たしてこれでコロナが収まるのか?。
1、緊急事態宣言は一時的処置
実際に緊急事態宣言して何が変わるかというと、コロナ蔓延に対しては格別有効な手段が有るわけではない。ただ、被害が余りに酷くなってこのままでは崩壊してしまうと言う時に、一時的に「やり過ごす」方法を取りますよ、ということである。コロナ対策として各自日常的に行っているマスクや手洗いでは蔓延を止められないと判断して、人と人の接触を減らし、出来るだけ感染機会を下げようという方法だ。あくまで、感染の「伝播速度を落とす」ことに狙いが有る。だからコロナを積極的に退治する作戦ではなくて、相変わらず市中にコロナは存在しているが、皆んながステイホームしていれば結果的に感染は減る、という考えだ。そうこうしている間に季節性のコロナが「自然に収束する」のを待つのである 。けして緊急事態宣言したからと言ってコロナが消えるわけではない。国民は緊急事態宣言でコロナの新規感染者数が減り、何かコロナの脅威がなくなるかのように誤解しているが、事態は「何も変わっていない」のだ。相変わらず「動けば感染する」状況にあるのは間違いない。そして全員自粛している間に経済が止まり、廃業・倒産が雪崩を打って全国に広まって来ている。
○ 他人の困窮を犠牲にして自分の身を守る、というのが緊急事態宣言なのである。
2、コロナは日本人全員が、平等に立ち向かうべき厄災だ
小池都知事が先頭に立って声高に主張し、ターゲットを飲食業に絞って時短営業を強制している。これで何か飲食業が「悪の根源」のように槍玉に上がっているが、実は大変におかしい理屈なのである。飲食業が感染を広めているというのは濡れ衣で、飲食店での「人々の行動」が感染を広めているだけなのだ。悪いのは飲食の提供ではなく、客側の行動が悪いのだ。レストランで不倫カップルが食事をしていたら、そのレストランが不倫を助長したと言われるようなものである。悪いのは「食事の時にマスクを外して飛沫が飛ぶ」ことなのだ。今までの方法が感染しやすいのであれば、「感染しない方法」に変えるのが正しいやり方ではないだろうか。私の提唱する「一人ひとり、アクリル板で囲う」方法を取れば、何も時短などで営業を止めさせなくても「十分対処出来た」筈なのである。飲食業の時短営業に賛成の人は余り飲食業者の事は考えていないと思うが、これは災害時に為政者が取る典型的なやり方で、誰か悪者をデッチ上げて「スケープゴート」にすることで、「大多数の市民の非難の矛先をかわす」という最も簡単な方法なのだ。飲食業が時短で締め上げられたことで、一般市民はコロナがやっつけられたと誤解して安心するわけである。GOTO 中止判断も同じ効果が得られた。GOTO トラベルがコロナ蔓延にどういう影響があったかの「科学的検証」はなされないままに、ただ「遅すぎた」の評価だけが残って菅首相のせいにされた。実は GOTO トラベルの中止は菅首相の狙っていた経済回復を無駄にし、国の財政構造をガタガタに壊してしまったことに、多くの人は気付いていない。人々はコロナさえ収束すればまた元の平和で自由な社会が戻ってくると思っているが、コロナで痛手を被って人生を台無しにさせられた一部の飲食業者がいたことをすっかり忘れているのである。彼らは大半の国民から見捨てられた「不要不急の民」なのだ。緊急事態宣言下では、「何時でも切り捨てて構わない人々」として処理される。
○ 飲食業者もレッキとした納税者である。
3、菅首相の一発逆転
一過性のピンチヒッターで登場した菅首相だが、元々は「アベノミクスからの脱却」を目指していた。就任当初はコロナもちょっと下火になっていて、仕事内閣を立ち上げ「脱炭素とかデジタル社会」とか、未来に向けて日本をもう一度輝かせようと精力的に努力しようとしていた筈である。だが、その後国民が菅首相に期待したのは、他でもない「コロナ撲滅」である。この両者の思惑のズレが日を追うごとに大きくなって来て、とうとう支持率急落の事態になってしまった。世間では 早くも次期首相は河野太郎だ、と毎日新聞世論調査が報じる始末である。何やら菅首相を袋叩きにして、飲食業の代わりに「次のスケープゴート」にしようという様相に見える。だが緊急事態宣言ではコロナは減らない。人々が不要不急の外出を止めたとしても、コロナに「不要不急」だという認識はないだろう。たとえ必要があっても、外出してれば「感染する可能性」は同じようにある。だから「人と接触しない」ように自粛するしかないのである。それじゃ会社に行くのも止めるのか?といえば、勿論「その通り」である。必要不可欠だと言ってもコロナは待ってはくれない。だからテレワークをする。じゃあテレワーク出来ない人はどうするか?。残念ながら仕事は諦めなければいけないだろう。正しいコロナ対策は、通勤電車を始めとして「人と人との接触を完全に止める」ことしかない。英米なみの「ロックダウン」の実施である(少し前、西浦教授と言う人の「8割削減」が思い出される)。当然、経済は滅茶苦茶になる。これは、「どこかの業界だけ潰せば収まる」というわけではなくて、既に社会全体が試されているのだ。そこで、コロナ税の導入である。
○ コロナの被害は日本人全員で受け止める
4、世論の二極化
コロナの被害を救済するために新規の税を導入するとする。例えば東日本大震災の復興税のような感じでコロナ税を作るのである。課税対象は飲食業者も含め、納税者全員で「納税額の2割」とする。年の徴収額の2割だから、大体70兆円 ✕ 20%で14兆円ぐらいか。これをコロナで減った売上分のうち、利益を差し引いた経費分に充当するのである。2018年度の納税額は分かっているから、コロナで減少したと役所に説明・納得できれば「補償を得られる」仕組みである。本来は痛手を被った飲食業者は除外すべきだが、その2割を「補償額増額」すれば差し引き上手く行くだろう。一昨年と去年とで事業内容が変わっている店などは、今年度の年末調整で「きちんと計算し」、返納または還付または追加補償をすれば良い。これで経済を潰さずにコロナ危機を乗り切って、何とか日本を成長させることは「可能ではないか」と私は思っている。ところが新規税の導入となると、必ず反対意見が猛然と出てくるのだ。では、一体誰が反対するのかと言うと、それは疑いもなく「コロナで困っていない人」である(分かりやすいねぇ)。そのような、自分さえ良ければ他人はどうなっても良いと考えているような連中のことを相手にせず、この際「菅首相」が堂々とコロナ税を導入すれば、「支持率は急上昇」すると思うのだがどうだろう。コロナ自粛で打撃を受けた企業は息を吹き返し、菅首相の英断に感謝するのではないか。
○ コロナ税を導入すべし
以上である。私は特に菅首相を応援している訳ではないが、災害を受け困窮している国民を苦難の道から救い上げ、道理に合った正しい政治が行われることを願うばかりである。
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