明日香の細い道を尋ねて

生きて行くと言うことは考える事である。何をして何を食べて何に笑い何を求めるか、全ては考える事から始まるのだ。

言いたい放題(56)川勝知事の差別発言は意図通り!

2024-04-04 13:31:00 | ニュース

そもそも日本の教育制度は国民を選抜して、優秀な者から順に重要な職業につけるように子供達を叱咤激励して来た歴史がある。それで東大を頂点とする高学歴社会が出来上がり、戦後一貫して頭の良い人間から一流企業や国家公務員に採用される「学歴偏重社会」になって今に至っているわけだ。川勝知事が新規職員を前にして「稲を植えたり牛を飼ったりする奴より知性が上」と言ったのは、現在の社会の有り様からして至極真っ当な訓示であることは間違いない。その通りなのである。

静岡県職員は学生の就職先人気ランキングではトップクラスと言うほど人気がある訳じゃないが、それでも安定就職先としては上位に入るだろう。それに比べて農業や畜産業などは「やりたい職業」の中には中々入ってこないし、どちらかと言えば親から受け継いだ「望んだ訳ではない職業」というイメージである。もし彼らが東大に入って優秀な成績を収めるような「親に似ず出来た子供」であれば、家業を継いで稲刈りをするよりも「霞ヶ関に行く」道を選んだろうことは間違いがない、と思われる(誰が見てもそうである)。

つまり自分の頭がもっと良ければこんな仕事はやって無かった、という人達が殆どなのだ。世間もそうした目で見ている。これは常識である。農家や畜産業者より県職員の方が頭が良いというのは田舎では暗黙の常識なのである。だから川勝知事は全然間違ってない。

じゃあ、何で辞職したりするの?

そこがこういう誤解を招くような発言で世間をお騒がせしてしまったお役人の「悲しい末路」なのだ(しかし笑える)。世の中はホントの事をズバッと口にするとすぐ「差別発言だ!」とか何とか言って炎上する癖が付いていて、知事もいままでの事もあってほとほと嫌気が差していたんだろう。前回の御殿場市の米農家発言の失敗もあったしねぇ(あれはもっと酷かった)。それに今回の差別発言した相手が足元の農家や畜産業者や中小企業の職人といった「自身の支持層」を直撃する形の「取り返しのつかない発言」だったのもあって、これは逃れられないと腹をくくった結果の辞意表明となったのだと思う。

まあ本音を言って炎上するのを繰り返していれば、何れこうなる事は分かっていたとも言える。元々「上から目線」で内心庶民を見下してた人間だから、今更どうのこうの言われたからってもうどうしようもない「身から出たサビ」なのだ。ある意味「彼の本心」である。だから今日、辞意表明の言い訳をするに当たって「差別の意図は無かった」などと自己弁護に汲々としていたのは、真に持って「この期に及んで見苦しい」だけである。

そもそも理屈を言えば、県の新規職員が農家や畜産業者より「知性を持っていて」云々という知事の考えは「根本的に事実を誤認」していて、正確には「公務員に必要な一般的知識と事務能力」が人より多少多めにあって、代わりに農業や畜産の知識とか技術とか忍耐力とか体力とかが「ちょっと足りない」人間の集団に対して頑張ってねと訓示したかったに過ぎないのである。まあ、折角取った新人職員が他の職業の人と比べて「それ程出来が良いわけじゃ無い」というこに、残念ながら「思い至らなかった」のが自身最大の失敗である。

第一に静岡県の新規職員は公務員の知識と事務能力は多少はあるかも知れないが、とても「知性がある」などとは、とてもとても私には全く思えないのである。そもそもの話が「知性」などという言葉で表される人間が、いったい日本にどれだけいるだろうか?。たかだか24、5歳の若造を前にして、知性などと洒落た事を言うのは「百年早い」んじゃないでしょうか?

結局この川勝知事は「言葉の使い方」を間違えたのでは無く、「現代社会の職業分担の仕組み」を理解していない、明治以来の学歴偏重社会を未だに引きずっている「後進国の権力構造」そのままの、「全然分かってないボケ老人」という馬脚を図らずも衆人環視の中で現わしてしまったイタイ知事というだけである(がびょ~ん)。それにしても自身の古臭い「旧態依然とした感覚を恥じて」今回辞意を表明した、というのならまあ何とか理解出来なくもないが、あくまで差別の意図は無かったとして自身の「偉そうな物言い」を誤魔化そうとするのであれば、それ相応の民衆からの手痛い罵声を聞く事になるのはやむを得ないだろう。

元々農家や畜産業者なんか頭の悪い人間がやる職業と思っているような良い家庭の「頭の良い」坊ちゃん育ちなのだ。さぞかし勉強はそこそこ出来たほうなのだろう。しかしこの手の優秀な人間というのは、自民党の派閥五人衆みたいに「世の中の仕組みを悪用する」ことには長けていても、庶民の暮らしを良くすることに関しては「全然アイディアが浮かばない無能」な人間が多いのである。実際は勉強が出来る事と「地頭が良い」こととは天と地ほどの開きがあるのだ。要は頭の「使い道」なのである。実は法律を云々することよりも「牛の世話をする事」の方がよっぽど難しい。川勝知事が明日から「牛の世話をして見ろ」と言われたら、多分3日と持たないんじゃないだろうか、それくらい「覚えること」は山ほどあるのだ。その事実、社会の仕組みが分からないうちはとてもとても知事など務まらないと私は思う。

結果、辞めて良かったとしみじみ思ったね、マジで。



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