明日香の細い道を尋ねて

生きて行くと言うことは考える事である。何をして何を食べて何に笑い何を求めるか、全ては考える事から始まるのだ。

言いたい放題(57)川勝平太知事辞任表明の詳細続報

2024-04-04 13:32:00 | ニュース

昨日の辞任会見の後で色んなニュースを見たり聞いたりしたが、皆んな少しポイントが私の考えていたのとずれていたので改めて詳しく書いてみたいと思います。まずは会見内容の分析から。

川勝知事の「もし私の発言で心を傷つけられたとしたのなら云々」という表現について、最近この言い方をする人がやたら多くなっているみたいだが実は謝罪会見としては「とんでもない大間違い」じゃないかと私は思っている。

「もし〜したのなら」という構文は文脈的には、私は承知して無いけどもし「私が〜してるよ」と皆んなが言うの「なら」、それは意図したものじゃないので謝りますね・・・という程度の「他人事のような感覚」の発言なのである。

要するに「何で傷ついているのか私には分からない」けど、とにかく私の発言が原因だと「言われたから」謝っとこう、と言っている訳だ。不遜だねぇ。撤回する気は無いと言ってるので、本人的には未だに「俺は全然悪くないけど?」状態である。これじゃあ「一次産業」の人はなおの事ヒートアップするのは間違いない(この一次産業って言い方も「謝罪会見の文脈」ではまたまた職業差別に当たると思うけど、まあ本人の言葉なので引用しました)。

新入職員を前にした訓示で「農家や酪農家などは県職員より知性が低い」と名指しでバカにされたわけで、もしかしたら名誉毀損罪になるかもしれないような「実害」を彼等は受けているのである。言い方が気に食わないとか気分が悪いとかいう「曖昧な感覚のレベル」の話ではない。この時の川勝知事の精神状態を例えて言えば、駅の通路を普通に歩いていたら突然ヨロヨロと横から出てきたお婆ちゃんにドンとぶつかってしまい、バタッと倒れたお婆ちゃんに「大丈夫ですか?」と声を掛けた、そういう言い草である。

本人にはお婆ちゃんを倒そうというつもり(悪気?)は全然ないし、もっと言えば原因は「相手の注意不足と体力不足」なんだから、謝る必要は本当は「私には無い」筈・・・なんだが、地域のコミュニティで暮らす立派な社会人としては、弱者を助けるのが責任でもあるからここは厳密に言えば「配慮が足りなかった」のだから謝っとこう、である。つまり「弱者をいたわる気持」が足りなかったって訳。もう完全に農家や酪農家を「障害者扱いしている感覚」にまで行っちゃっているのである。これが川勝知事の「県民ピラミッド観」なのだ、まるで江戸時代ですねぇ(考えて見れば空恐ろしい感覚である)。

そもそも謝るというのは自身の行動または発言の「何がどういけなかった」かをしっかり反省して被害者の損害を弁済し、かつまた二度とこう云う過ちを犯さないと誓いますので「許して下さい」、と言うのが正しい謝罪のやり方である。被害者がどんな気持ちになって傷ついたかと云うのは結果であって、そういう結果になる事を「当然予測出来たよね?」と責められているのが川勝知事の現在の立場なのだ。何より、悪かった「理由」が大事である。

だから知事はまず、自身の当時の発言内容の「何がどう間違っていたか」その理由をはっきり「自分の口で」言わなければならないのだ。これが謝罪の根幹部分で有る。それは「農家や酪農家などと違って、職員は知性があるのだから云々」という発言が明らかな「事実誤認」であり、実態はそもそも職業と知性は関係なくて、「どんな職業でも優秀な人材は沢山います」と撤回・訂正してお詫びすることしかないのでは?。

その後に「何故知性に差があると思ったのか?」とか、実際に農家や酪農家に会ってそう感じたのか?とか、あるいは現在の社会構成において職業は頭脳の良し悪しで決めるのが適切だと考えているのか?などなど、責められるポイントは山ほどあると思われる(第一に「知性」という単語はこの場合には全く事実と関係ない言葉なので、知事の知識不足または運用間違いまたは意味の誤解も指摘されよう。75歳にもなってこの程度の語学力では、とても知事の資格は無いと言えるけど)。

しかし川勝知事は「私が間違っていた」とは言わないのだから、農家や酪農家人達が傷ついたのは彼らの知性が足りないという事実を「公の場ではっきり言っちゃったせい」だと未だに思っている証拠である。とことん懲りない呆れたバカだと私は思う。

私は今回被害を受けた人達が「世間一般の人が思っているように」知性の点で職員達に劣っているとは「全く思ってはいない」。事実私は農業や酪農やその他の生産者の人達の中に「頭の良い人は沢山いる」という事を実体験で知っているのだ。しかし未だに学歴偏重社会の中ではそういう事実を知ってか知らずか、有名大学に合格することだけを目指してテスト対策に大切な時期をムダに過ごす子供が、びっくりするほど多いのである。そういう学校教育や社会構成を変えるのが政治なのだが、それを分かる政治家がいないというのが一番の問題である。もしかして、もっとも知性の足りない職業は政治家かもしれないねぇ(がびょ~ん!)。

川勝知事も訓示で何か新人にやる気を起こさせるようなトークをしたいと思っていたのなら、例えば「そういう事実を知った上で、じゃあ社会をもっと住みやすく活性化させる為に政治で出来ることは一体何だろう?と考えること、それを君達に期待しています」とか言えば良かったんじゃないかな?。

川勝知事の説得手法は、タレントの「ふかわりょう」が言っていたけど、ある人を誉めるのに「別の人をけなす」やり方らしい。これって誉めてんのかなぁ。むしろ直接誉めるところが無いので他の人をけなして「差をつける」のを得意にしてるというところだろうか。仲良く暮らしている県民同士にわざわざ無理して「優劣の違いを作り出す」というのは「万民平等という民主主義の理念を根本からひっくり返す考え」だから、そもそも民主主義を標榜している知事には全く相応しくない考えですねぇ。

まあ、政治理念の希薄な人みたいだから無理かもね。とにかく辞めて正解だった。



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