トラウマとフルインクル(その97)
《子どもたちは何をしているのか》
子どもはまず、家の中で、自分の体を使い、人生において自分の居場所を確保する経験をする。
子どもは家の中では、有名人だ。
自分の名前で呼ばれ、いつも自分自身でいられる場所が家の中にはある。
それから、保育園でも、自分の体を使い、人生において自分の居場所を確保する経験をする。
家も保育園も、無条件の肯定的態度で子どもを受け止めるところである。(はず。)
子どもは、周り(地域)に、自分と同じような子どもがいて、それぞれに「家」があることを知っている。
「家」はそれぞれに違うけど、保育園では「同じ」自分の居場所を共に経験する。
子どもたちは、家、保育園の次の「自分の居場所」は、小学校だと知っている。
だから、6才の子どもにとって、ふつう学級とは、学校の中で、自分の体を使い、人生において自分の居場所を確保する経験をするところなのだ。
◇
「自分の体を使い、人生において自分の居場所を確保する経験をするところ」
それが「できない」子どもはいない。
私が経験してきたのは、そういうことだった。
この言葉を何度でもくり返したい。
「自分の体を使い、人生において自分の居場所を確保する経験をするところ」
そのことを、まずすべての子どもに伝えるところから、新一年生の世界は始まる。
(96につづく)
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