「敵」についてのメモ (その2)
龍馬伝を見ながら、いろんなことを考えます。
今の時代から見たら、「なんでそんなことも分からないのか」
「なんと愚かな」と思ってしまうことが無数にあります。
でも、それは、私が今の時代にいるからです。
江戸時代に外国に戦いを挑んだらどうなるか、
結果を知っているからです。
でも、その時代、その社会で、
「武士」として「武=戦い」を個人の人格そのものとして
育ち生きていた人たちにとって、
「異国人」は排除する以外、考えようがなかったのだと分かります。
そこでは、「自分たちの国を守る」、とは、
育ってきた環境、そこで学んだ常識をすべて正しいもの、
変えてはいけないものとして、「守る」ことでした。
武士は、士農工商という身分制度の中で、一番身分の高い者。
人間は、生まれながら、身分、価値、が決まっているもの。
身分の低い者の命など、たいした価値のないもの
殺されても、差別されても、そんなことは当たり前のこと。
そういう定めなのだという《常識》を守ることでした。
龍馬伝を見ながら、福山雅治かっこいいな~と思いながら、
ふと思うのです。
高校受験を必死で守りたい人たちは、
黒船を沈めようと、必死になっている攘夷派の武士と
同じ感覚なんじゃないだろうかと。
そう、特殊教育と特別支援教育を必死で守りたい人たちも、
私には同じように見えます。
前回の放送では、龍馬と勝海舟の間で、次のような会話がありました。
海軍操練所にきた各藩の武士たちの考えを変えさせるには、
どうしたらいいのかと、龍馬は尋ねます。
「ほっとけ」と勝は応えます。
「人はなあ、口で言ったってわかるもんじゃねえなあ、
《お前さんは間違ってる》って言われて
素直に認められるもんじゃねえ。
まあ、そのうち、人は、肌で感じて、変わっていく。」
そして、ほっといていい理由を並べます。
「まず、あの塾のいいところは、藩の壁がねえ。」
「次に、人の上下の隔てがねえ。」
「そして、黒船を動かすためには、
どうしても西洋の学問を学ばなきゃなんねえ。」
「そのうち、やつらは、必ず悟ってくれる。
《拙者は何々藩の藩士でござる》、それじゃだめなんだよ。
おれたちゃ、日本人じゃ、そう、必ず悟ってくれる。」
「西洋の文明のすげーところが分かりゃ、
異国と戦をするなんざぁ愚かなことだってことがすぐ分かる。
おめえたち、わけーもんはよ、
そういう柔らけー頭をもっている。
だから、おいら、おめえたち、頼りにしてるぜ。」
□ □ □
そのセリフを聞きながら、こころは龍馬の世界から、
子どもたちのいる教室に飛びます。
「子どもたちは、肌で感じて、変わっていく。」
「まず、普通学級のいいところは、なんの壁もねえ。」
「次に、人の上下の隔てがねえ。」
「そして、毎日同じ学校で生活するには、
どうしてもお互いのことを学ばなきゃなんねえ。」
「子どもたちは、必ず悟ってくれる。
《拙者は適格者、健常者のなになにでござる》、
それじゃだめなんだよ。
おれたちゃ、にんげんじゃ、そう、必ず悟ってくれる。」
「子ども同士の豊かですげーところが分かりゃ、
人を差別するなんざぁ愚かなことだってことがすぐ分かる。
子どもたちも高校生も、わけーもんはよ、
そういう柔らけー頭をもっている。
だから、おいら、おめえたち、頼りにしてるぜ。」
□ □ □
5月9日。
『公立高校の希望者全入を求める緊急集会』
13:30~16:30
場所:千葉市生涯学習センター・大研修室
今日、九州方面からの参加申し込みが届きました。
山口からの参加もあります。
そう、「薩摩」「長州」からも人がきて、
日本の高校が変わるといいね~(^_-)-☆
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