ミカエル:「ホコツさん。あなたが喧嘩を売ってきたんですから、
ちゃんと戦ってくださいよ?
この間みたいに、傍でガン見なんてギャグは通用しませんからね」
ホコツ:「ばっきゃろー。新魔法を覚えたって言ったろ?
今度はバッチリだぜ」
ミカエル:「いや、だからそれがアテにならないんですってば。
どうせ口の中に氷作ったり、ちょっと涼しい風が吹くくらいなんでしょ?」
ホコツ:「どっかのキノコヘッドと一緒にすんな。俺が覚えたのは召喚魔法だ」
クレア:「おお、お前……がんばった……。
えらい……えらい……」
ミカエル:「すごいじゃないですか。たしかに召喚魔法なら、
術者がポンコツでも役に立ちそうですね^^」
ホコツ:「ポンコツ言うな!」
ミカエル:「でも、今度は篭城戦になるでしょうから。
出番はなさそうですけどね」
ホコツ:「え?篭城すんの?
相手は投石機、持ってくるんだろ?」
クレア:「ホワイトラン……頑丈……。少しだけ……もつ……。
首長……増援……待つ……言った……」
ホコツ:「いやいやいや、せっかく覚えた俺の魔法が役に立たないじゃん!」
クレア:「それ……次回……。お前……安心する。私……ちゃんと……待つ……」
ホコツ:「いやいや、クレアさん。モノは相談なんだけど……」
ホコツ:「ごにょごにょごーにょ。ごにょごーにょ」
クレア:「ふむふむふーむ。ふーむふむ……」
密談する二人。クレアの顔色が変わった。
クレア:「ホコツ……お前……」
ホコツ:「そういうことで、一つ。よろしく」
ストームクロークはホコツ達が戻って、すぐに攻め込んできた。
バルグリーフの斥候の情報どおり、投石機を導入しホワイトランへと攻撃を開始したのであった。
ミカエル:「クレアさん!篭城しないで野戦なんて、大丈夫なんですか!?」
クレア:「ミカエル……がんばる……」
ミカエル:「頑張ります!超頑張ります!!」
クレアはバルグリーフに篭城をせず、野戦を仕掛けることを提案した。
帝国一の戦士であり、数々の戦場を戦い抜いてきたクレアの進言とあり、
バルグリーフはその提案を受け、ホワイトランの目の前で、
今、ホワイトランの兵士とクレアたちの共同軍が戦っていたのである。
その頃……
ホコツ:「くそっ!投石器で火のついた弾を撃ち込んできてるのか」
ホコツ:「調子に乗りやがって……。見てろよ!」
ホコツ:「クレア、ミカエル。待たせたな!!」
ミカエル:「ホコツさん!今までなにやってたんですか!!」
ホコツ:「すまん、すまん。ちょっと準備してて」
ミカエル:「なんの準備ですか!さっさと戦ってくださいよ!!」
ホコツ:「準備の成果を見せてやるぜ。いくぜ、俺の新魔法」
ホコツ:「光と闇、神と悪魔。その狭間にありて混沌を喰らいし者……。
我が血と汝が名の下、結びし契約に従いて今、願い奉る……」
ホコツ:「出でよっ!我が、従順なる下僕!!」
ホコツ:「……」
ミカエル:「……」
クレア:「……」
ミカエル:「ねぇ……ホコツさん。どうするんですか。これ。
13話から散々、引っ張ってきて、ウサギですか。
どう使うんです?さっそく使ってみてくださいよ。ねぇ、ホコツさん。
ねぇ……」
ホコツ:「あ、あの。ミカエル?あんまり、近寄らんとってくれる?
なんか、今日のミカエル。怖い……」
ミカエル:「怖いに決まってるでしょ。怒ってんだから」
クレア:「ウサギ……かわいい……」
ミカエル:「ですよねー☆ボクもそう思ってましたー!!」
ホコツ:(この娘もたいがいやな……)
ストームクローク兵A:「おい、なんだあれ。ウサギとか出して手品でもやってるのか?」
ストームクローク兵B:「とんだポンコツ兵士がいたもんだ。あいつらからやっちまえ!」
ミカエル:「ちょ、ちょっと!ホコツさん、こっちに敵がっ!どうしてくれるんですかっ!
そのウサギ。見た目はウサギだけど超強いとかないんですか」
ホコツ:「た、たぶん。ただのウサギだと思う。や、やばいな。これ……」
ミカエル:「ホコツさん……」
ホコツ:「ミカエル……」
ホコツ:「逃げろーーーーーーーーっ!!」
城内に逃げ込むホコツと後を追うミカエル。
クレア:「ま、待て!お前ら……隊……乱れる!!」
ストームクローク将兵:「さすがのクレアも部下に恵まれなかったようだな
チャンスだ。追えっ!!
投石中止だ!一気に城内に攻め込むぞ!」
ホワイトランにいっせいになだれ込むストームクローク達。
そのとき……
???:「今だ!門を閉めろーーーっ!!」
掛け声と共に跳ね橋が上がり、門が閉じられた。
ストームクローク兵:「お、おい。あいつら……」
ホコツ:「へい、らっしゃい」
ストームクローク将兵:「貴様……」
ホコツ:「ホワイトランはスカイリム地方の中央にある経済の要所。
欲しいはお互い様ってことだよ。
ストームクロークだってチャンスとあれば、破壊なんてせずに手に入れたい。
投石を止めてでも……な」
ストームクローク将兵:「我々を誘い込んだのか。城門前のは芝居かっ!
くそっ!弓兵、信号を……」
ホコツ:「いや、城門前のはガチだよ?」
ミカエル:「あんた、ホントに使えねーな!!」
将兵は合図を送ろうとするが
ホコツ:「おっと、ハメられて頭にくるのは分かるが、ちょっと冷静になってくれよ?
今度の投石はちゃんと壁だけを狙ってくれ。
お前達だって、巻き添えで死にたくはないだろう?」
ストームクローク将兵:「ぐっ……」
ストームクローク将兵:(いや、たしかに奴の言うとおりだ。
それに、冷静になれ。元々、敵は少数。
頼みの綱はクレアだけ。雪崩れ込んだ数はこちらの方が上なんだ)
ストームクローク将兵:「や、奴らを殺せ!数は我々の方が上なんだ!
罠にはめたことを後悔させてやれ!!」
ホワイトランへ襲い掛かるストームクローク兵。
しかし、彼らは目の前にたたずむ美しい女神が、
鬼神のごとき強さを誇る帝国一の使い手であることを再認識させられることとなるのであった。
ホコツ:「え?女神って俺?」
ナレーション:「違うわ。ボケ!!」
第18話につづく。