クラレンドンの部屋にたびたび来ていた「笑い方に特徴のある女」はロレッタだろう。銃砲店で小型の拳銃を購入したのもロレッタか。ロレッタは事件当日にも部屋にいたようだ。ワイングラスが2つあったのはそのため。ただし、銃声が聞こえたのは事件当日の10時だけであるから、殺害したのはフランシスで間違いない。では、フランシスの証言「意識を失っていた」という点について、主治医の意見を聞いてみよう。われわれメイスン医師の診療所へ向かった。
われわれはメイスン医師のもとを訪れ、フランシス・ノーランの奇妙な一時的記憶喪失の原因がその後わかったかどうかをたずねた。
「くわしく検査しましたが、肉体的疾患はまるでありませんでした。頭を強く ぶつけた覚えもないということでしたし、めまいがするようなこともないというのです。私は彼女に『過労が原因だろうから、ゆっくり休むように』といいました。原因はまったくわかりません」
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