ビビッド能里子トーク・サロン

医学的にも珍しい満十年の認知症介護について。自己分析や気分転換、幸せを感じる心の癖の付け方、メチャ料理など楽しく書きます

スッポン料理をこわごわ初体験

2017-02-09 05:43:51 | エッセー
 確か11月のことだと思うが、先生の所に勉強に行った時「今夜は
スッポン料理をご馳走しよう」と言われた。私はホンネでは怖い。
 「先生は車で連れて行って下さると、アルコールが飲めないから、近く
にしましょう」と一度は逃れた。いつも夕食をご馳走になると、私はビール
を飲んでも、ノンべの先生は車だからと、ノンアルビールを飲んでいたからだ。
 実は私はウナギすら蛇の親戚だから嫌いと「食わず嫌い」なのだ。
でも「美味しいし美容にも良いよ」と二度も誘われると、もう断れないで
「よし、トライしてみよう」と覚悟をした。
 でも内心はドキドキしていた。お店の座敷に通されたが、思わずため息
が出そうだが我慢した。するとふつうの前菜が運ばれてきたので、少しは
ホッとしたが、次に小さなグラスに入った、赤いものが運ばれきた。
 
「あ、噂に聞いたスッポンの生き血だ」と見ていたら、先生は一息に
飲みほして、「飲んでご覧、何でもないよ」と言うので、私は「はい」と
言ってグラスを持って目をつぶって一口飲んだ。
 別に臭くもないし、多分ワインかも知れないが、想像以上に味はよかった
ので、一息に飲んだら、先生は笑って見ている。
 そこへ大きな鍋が鉾ばれて、その中でスッポンは煮えているらしい。
野菜を食べたが、スッポンとやらは何だか皮のようだが、食べるのは
やはり怖い。「食べてごらん美味しいよ、スープも飲んで」と躊躇している
私に先生はさかんに勧める。おそるおそる食べたら、一度だけこわごわ
食べたお魚のあんこうのようだった。

 そこにお刺身が盛られたお皿が出てきたが、マグロだと思ったら、何と
スッポンのお刺身だった。「キャー」心の中で悲鳴を上げたが、先生はそんな
私を見てか、まったく食べずに鍋に全部入れた。
「スープも一緒に沢山飲んで」と言われるので、一所懸命食べたが
相当高価らしいが、美味しいとはどうしても思えなかった。
 でも、「思ったより美味しいですね」と、折角連れてきて下さった先生に
サービストークをした。最後のデザートのイチゴで救われた思いがした。
 以前お歳暮にスッポン鍋用セットを頂いたが、実は私は一口も食べられな
かった。思い出したが、20年以上前のことだが、ある有名な大学教授に誘われて
知らないで「泥鰌屋」に行ったことがあり、その時と同じ気分だった。
 好き嫌いはほとんどない私だけれど、神経質な私は生き作りも食べられないし
折角高級なものをご馳走して下さった先生には申し訳ないが、やっぱりふつうの
ものが好きだと思った。
 
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