軽音楽談話室(廃屋)

「琥珀色に魅入られてしまった人生・・」

PENTANINE / ピエール・ムーランズ・ゴング

2006-03-10 08:15:12 | 音楽
Arkady Kuznetsov : Guitars
Alexei Pleschunov : Bass
Meehail Ogorodov : Keyboards, Hand drum, Percussions, Recorder, Underwater Voice
Pierre Moerlen : Drums, Vibraphone, Xylophone, Programming

Alexander Lutsky : Muted Trumpet

1. Flyin' High
2. Airway to Seven
3. Pentanine Part One
4. Au Chalet
5. Trip a la Mode
6. Reminisence
7. Interlude
8. Classique
9. Lacheur
10. Bleu Nuit
11. Pentanine Part Two
12. Montagnes Russes
13. Troyka
2002 EMI

ロシア録音?のムーランズ・ゴング最終作(もう出てこないでしょうね)「PENTANINE」です。ムーラン以外はロシア人??こんな作品が出てくるなんて世の中変わりましたねぇ。CD時代になって何でもありになっています。メンバーはムーラン以外はロシア人?。時代的には「ゴングジラ」と被っていますので、本当の意味でのムーランズ・ゴングは復活させる気はなかったのですね。

1曲目、ストリングス・シンセサイザーの一定の音色の上をポワポワとしたシンセの音色が鳴り響いているだけ。アクアと言った雰囲気ですが・・・結構長い。微妙に効果音も流れますが・・・基本的に同じ。
2曲目。エレピとギター、ノリのいいベースにタイトなドラム。テーマは歪んだギターが何となくフワフワと。ビブラフォンが登場しようやくムーランらしい音となりました。ピアノソロは暖かみのある演奏。全体にフュージョン的で特に色のハッキリとしていない演奏ですが、シンセのソロは引っ込みすぎて良く聞こえない。
3曲目。イントロのビブラフォンのアルペジオはムーランの雰囲気タップリ、転調しながら雰囲気を作り上げています。そのままの雰囲気の中バックでシンセが鳴り響いているのですが、特に特徴が無いというか、何を弾きたいのかが理解できない。一転銅鑼の音とシンセのざわめき、自然を表現しているのか?スペイシーな雰囲気を出したいのか??そのままお終い。
4曲目。タイトなドラムとビブラフォン、ムーランらしいイントロ。ベースもそれなりに・・・演奏は正確なようですが、個性が薄い。個性という点では一番ありそうなギターソロも・・・今一ですね。リズムの面白さ(それほどでもないのですが)が唯一の救いか。
5曲目。イントロのギターがエイドリアン・ブリュー。タイトなリズム隊が参加して雰囲気は期待してしまいます。基本的に変拍子だらけなのですが、スリリングさがあまり感じられないのは何故。遙か昔のオリジナル・ゴングの「エヴリウェア島」を思い出してしまいますね。微妙に転調しながら曲が進んでいきますが、結構ドラムは素晴らしくテンションの高い演奏を繰り広げています。なかなか素晴らしい、名曲かな、今までの中では。
6曲目。風の吹きすさぶ効果音にとても優しく美しいビブラフォンが相反する雰囲気で鳴り響く。ゆったりとしたリズムにピアノとギターがバックアップ。ホワホワとしたシンセのソロは悲しげで。ピアノの響きも同様に哀しみを感じさせます。終わったと思ったら今度はスペイシーな効果音・・・・纏まりがない、ポイントがつかめない。
7曲目。ギターの響きとストリングス・シンセ・・・ビブラフォンも・・・とても短い。
8曲目。普通にバンドとしての演奏なのですが、イントロから曲がつかめない・・・と言うよりも、ムーランの曲はテーマがハッキリしませんね。アルペジオで転調し続ける独特の雰囲気で曲を構成しているので、印象的なテーマという物が無い。だから「印象に残る様な演奏」でなければ、何となく曲かなと言った感じしか持てません。狂乱の打楽器アンサンブルだからこそ受け入れられた様な気がします。この曲は結構力強い演奏なのですが、ポイントがない・・・面白味がありません。
9曲目。基本、転調しながらですが・・・無難ですが魅力がない・・・段々と気持ちが離れ始めてきました。凄いソリストがいる訳でもなく、情熱も余り感じない。ハモンドの演奏も面白くない。この曲もそうですが、ブッツリと曲が止まり終わりかと思うとホニャホニャとした雰囲気のある意味幻想的な空間になるのですが、関連性が皆無なので意味がよく分かりません。
10曲目。明るくカラフルで少しだけ目眩く、イントロは雰囲気好いですよ。曲調がマイナーになり個性的なギターが暴れまくる。個性はあっても・・・少し強すぎますか。ビブラフォンの暖かな音色を聞くとホットします。この曲はキメのリフがありますので評価は出来ます。少し短い曲かな・・・もう少し工夫してふくらませればなかなかの曲になったのに。
11曲目。パーカッションにビブラフォン、ベースの響きが落ち着いています。何となくホワホワと竹笛系の音が東洋的。
12曲目。スペシャル・ゲストとしてトランペットが書いてありましたがようやく登場。タイトなリズムの上をフワフワ漂っていますが、必要性は理解できない。「俺も参加させてくれ」でゲストなんでしょうね。ギターの取り留めのない演奏の方が個性的で・・・変わっていますねぇ。中間から曲調が普通のロックに、どうもフロントとしてのギターとシンセは後ろに引っ込みすぎていますね。またまた終わったかと思いきや・・・ネズミが鳴いている様な音とシンセの囁き、ジャケットやら曲名から判断すると、何かストーリーがあるのでしょうか。
13曲目。これもパターン・・・見本の様な変化の無さが(シンセとかが後ろで鳴り響いているのですが・・・メインのリズムが中心過ぎて)実に面白味がない。これもブッツリと・・・この曲作りは理解できませんねぇ・・・川の音??ラジオのノイズ??おばさんが何か叫んでいます。

「ムーランズ・ゴング」の名前を使うにはかなり無理のある作品ですね。「曲パターンがムーランズ・ゴングなんだ」と言われれば納得はいたしますが。5曲目は気に入りましたが、ピエール・ムーランのソロ作品としてならば受け入れられると思います。

本家ゴングもネタにしなければならないのですが、スティーブ・ヒレッジ在籍時以外全く興味がないので・・・ここで清水の舞台から飛び降りるつもりデビット・アレンとぶつかってみることにしましょうかねぇ。LPと違ってCDならば怪我も少しで済みますし。

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