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軽音楽談話室(廃屋)

「琥珀色に魅入られてしまった人生・・」

Lullabies For The Dormant Mind / The Agonist

2010-03-16 02:00:00 | 音楽
Alissa White-Gluz : Vocals
Danny Marino : Guitar
Chris Kells : Bass
Simon McKay : Drums
Chris Kells : Backing Vocals (tracks: 1, 2, 6, 10, 11)

1.The Tempest (The Siren's Song; The Banshee's Cry)
2.... And Their Eulogies Sang Me To Sleep
3.Thank You Pain
4.Birds Elope With The Sun
5.Waiting Out The Winter
6.Martyr Art
7.Glebus Hystericus
8.Swan Lake (A Capella)
9.The Sentient
10.When The Bough Breaks
11.Chlorpromazine
2009

カナダ出身、強烈な女性ボーカリスト「アリッサ・ホワイト・グラズ」率いるジ・アゴニストのセカンドアルバムです。音的にはストレートなメタルと言った感じですが、ボーカルの個性が度外れて凄い。最初聴いた時かなり個性的なデス声と優雅なフィーメイルボイスが交互に登場するメロデス系か??と思っていたらなんとなんと・・・・ボーカリストは一人。地獄の釜の底で沸き立つ様にゴォロゴォロと言う感じの声、ひっくり返って元に戻ってそれの繰り返し、螺旋系デス声が聞き手の身体に絡みつく蛇の様にウニョウニョとまとわりついてくるのです。そしてノーマル声との対比というか落差に驚かされる。この個性的なデス声・金切り声の異様な質感はやはり喉頭隆起(のど仏)の大きさに起因する物なのでしょうか。女性特有のネチッとした陰湿さを(ヤバイヤバイ・・・)表している様な。

1曲目 メカニカルなドラムとピンピンとしたベース、「ほうほう」と感心していたらうねりまくるボーカルが登場してぶっ飛んでしまいました。叫びまくる金切り声が唸りを上げるデス声に変貌する・・・その過程が聞き取れる。超速のメタルサウンドをバックに従え喉の奥でデス声をこねくり回す様に常に揺れ動く超絶ボイス・・・・衝撃の一言です。イントロからテーマに入りボーカルはノーマルなフィーメイルへと・・・・同じボーカリストの声とは信じられません。アラビアンな雰囲気を醸し出すテーマ、デス声も交えての展開は何とも言えない雰囲気、トリッキーでアグレッシブ、声質の切り替えが凄く・・・オマケに入り交じった様な中間のボイスまで飛び交う様は壮絶の一言。バックの演奏・・・結構テクニカルで音的にも工夫を凝らしているようですが・・・・ボーカルの一人舞台。
2曲目 ため息一発からハードなナンバーが始まります。ド迫力のデス声でぶっ飛ばす、一直線突っ走るハードなトリオ演奏にそれ以上ハードなデス声が絡みつきまくる。デス声と金切り声を瞬時に使い分け、時折美しいノーマル声も交え、休む事を知らずに突っ走ります。凄すぎますね、この曲クリップで見ましたが、思い浮かべたのが「エクソシスト」悪魔にとりつかれた少女の首が180度回転し牧師に呪われた言葉を吐きかける場面。
3曲目 メロ・デス・ナンバーでしょうか。デス声とノーマルボイスを交互に使い分け軽快にメロディアスに疾走する。バックの演奏、特にドラムはかなりテクニカルですね、流石はカナダのメタルバンド。ノーマルボイスで舞い踊る場面がとても美しく、その後のデス声をさえ凌駕する様な雰囲気があります。そしてギターパートも哀愁タップリに舞い踊り中々聴かせてくれますね。デス声のない後半はテクニカル・スピード・メロディアス・メタルでした。
4曲目 勢いは感じられるが暗めの展開のイントロ、金切りデス声が登場し一気に地獄の様相を呈する。かなり男らしいデス声の雰囲気もありますが、ノーマルボイスに変わったとたんの雰囲気の変化が素晴らしい。そして再びデス声で聞き手を不安のどん底へと、ストリングスも交えて不安感を煽り、リズムだけの雰囲気も取り入れ、結構曲展開に工夫が見られるナンバーです。最後のデス声での盛り上がりからノーマル声での哀愁パターン、静かにストリングスが締めます。
5曲目 美しいノーマルボイスにタイトな演奏、ストリングスも交えての展開は雄大さも備えとても優雅で美しい。時折かぶってくるデス声もあまり曲の雰囲気を壊す事はない。盛り上がり方が少し物足りないけれど、中々素晴らしいメロディアス・メタル・ナンバーです。
6曲目 複雑で軽快なギターリフが織りなす2曲目に雰囲気に近い叫びっぱなしデス声のパターンと、ストリングス系の音を交えた泣きのメロ・パターンが交互に登場する。ドラマチックに盛り上がるエンディングが聞き所。ううん・・・・メロ・パターンで押されるとデス声の出番が・・・中々・・・・
7曲目 軽快なテクニカル・メタルなイントロからボーカルはノーマルからすぐにデス声に、螺旋系デス声が唸りながら延々と演奏に絡みつく。ギターパートは超速系ではないノーマルなメタル・ギター。ピアノの音も聞こえるけれど、他の曲では時折トリッキーなゲーム音的な効果音が顔を出したりして、結構このバンド演奏も変態に近いのかも知れませんね。ボーカルは完全に大変態(最上級の褒め言葉ですよ!!!)
8曲目 全く雰囲気の違うイントロ、フィーメル・ボイスの美しいスキャットが白鳥の湖を奏でる。無茶苦茶美しい音風景がどうなってしまうのかが大変怖い。と・・・思いきや最後まで通したぞ。この人の音域かなり広いぞ・・・・無茶苦茶高音まで余裕で・・・・化け物だ。
9曲目 前の曲とのあまりの落差に笑ってしまいました。本当に同じ人間の声なのか(笑)。疾走するメタルナンバー、完全にデス声も楽器ですね。テーマは少しだけノーマル、後はかなり気合いの入ったデス声を延々と。再びのノーマルパートで曲の雰囲気を盛り上げる。間奏は漂うギターにピアノの調べ、くぐもった様な厚みを感じさせる展開が意外性があり心地良い。その後のザクザクギターと美しいコーラスも素晴らしい。次々と展開する曲調を楽しめるナンバーです。素晴らしい。
10曲目 ザクザク系の典型的なデス・ナンバー。男らしいデス声が唸りを上げ、一転ノーマルボイスが雰囲気を盛り上げるパターン。たたみ掛ける様なデス声の後のノーマル・ボイスがなんと美しい事でしょうか。
11曲目 イントロのバイオリンのざわめきの必要性は??一転ドカドカ・メタルナンバーにデス声、そしてノーマルで哀愁を振りまく。間奏のベースパートにバイオリンがゆったりと絡みつく場面はとても美しい。バイオリンはボーカルとの相性も良いから絡ませても一興なのに・・・ううん・・・間奏は何となく取って付けた様な・・・

衝撃的な1.2曲目に全てが集約されているのかな、展開が複雑そうですが、意外とパターンに変化がなかったりして。バックがもっと主張してボーカルに絡みつけばとてつもないバンドへと変貌するのに。今後の期待ですね。

「アリッサ・ホワイト・グラズ」ボーカルを楽器として聴く私にとっては最高に素敵なボーカリストと言う事になります。完全に螺旋系デス声の虜になってしまいました。もの凄く遠いのですが「戸川純」に近い雰囲気も感じ取られました。狂気ですね、女性特有の、と言う事は鳥居みゆきにも通じるのか??そして、やはり、デメトリオ・ストラトスを引き合いに出さなければならないかも知れません。それは途轍もなく凄い事ですよ。




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