Some People never Know

音楽とかマンガとか好きなことをつれづれと書いてます

ぜひ見習いたい顧客対応(ポール武道館公演その6)

2015-05-10 19:54:08 | music
最後に簡単なまとめと感想を記します。


今回の武道館公演は通常ツアーから★の15曲がカットされました。

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1.Magical Mystery Tour★
2. Save Us
3. Can’t Buy Me Love
4. Jet★
5. Let Me Roll It
6. Paperback Writer
7. My Valentine
8. Nineteen Hundred and Eighty-Five
9. The Long and Winding Road★
10.Maybe I’m Amazed
11.I’ve Just Seen a Face
12 We Can Work It Out
13.Another Day
14.Hope For The Future★
15.And I Love Her
16. Blackbird
17. Here Today★
18. New
19. Queenie Eye★
20. Lady Madonna
21. All Together Now★
22. Lovely Rita★
23. Eleanor Rigby★
24. Being for the Benefit of Mr. Kite!
25. Something★
26. Ob-La-Di, Ob-La-Da
27. Band on the Run★
28. Back in the U.S.S.R.
29. Let It Be
30. Live and Let Die
31. Hey Jude
32. Day Tripper★
33. Hi Hi Hi★
34. I Saw Her Standing There★ 
35. Yesterday
36. Helter Skelter★
37. Golden Slumbers / Carry That Weight/The End

※4月23日のセットリストを対象としています。
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そして下記の6曲が追加になり全28曲となっています。

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1.All My Loving
2. One After 909
3. Dance Tonight
4. Another Girl
5. Got to Get you into My Live
6. Birthday
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ドーム公演におけるビートルズ時代の楽曲の比率は62.2パーセントですが、
それが武道館公演になると71.5パーセントとなり、予想されていたとおりかなりビートルズよりの選曲となっていたことがわかります。

キョードー東京の仕切りが悪いせいで開始が遅れたため曲数が減ったとの批判もあるようですが仕切りの悪さはともかくとして
曲数が減ったのは予定通りだと思っています。

小規模ステージで公演するときは曲数を減らすことはよくあるようですし、
そもそも去年の段階から武道館は2時間程度と言われていました

あんまり歓迎できないことですが8時開始も予定通りだったのかもしれません。


そして、この武道館で追加された6曲を見るとポールがどの程度武道館を意識していたかが見えてくるような気がします。
まあ言っちゃなんですが曲の善し悪しは別問題として単純なフレーズの繰り返しで構成されている曲がほとんどです。
とくにDance Tonightなんてずっと同じフレーズの繰り返しです(大好きだけど)。

この選曲は武道館公演にサプライズを求める招聘元の
強い要望に対してできるだけ少ない準備で最大の効果をあげるためのものといえます。

ビートルズ来日公演時の曲目もウィングス時代の曲もあらたに加えることはほぼないにもかかわらずスペシャル感を
出し、オーディエンスを大満足させ、本人たちの労力もそこそこというまさにプロフェッショナルな仕事でした。

クライアントの過剰な要求を軽く受け流してかつ高レベルの顧客満足度を得るというまさにビジネスマンの鑑、
さすが音楽業界前年度収入総合第7位は伊達ではありませんでした。

こんなふうに書いてしまうと興ざめと思う方もいるかもしれませんが、最高のライブで会ったことはまったく疑いはありませんし、

ぜひまたこの規模のライブを行って欲しいと思っていますのでなにとぞ誤解なきようお願いいたします。


以上武道館公演のまとめでした。

じいさん立ってるじゃん(ポール武道館公演その4)

2015-05-10 19:27:01 | music
大歓声の中で注目の1曲目は"Can't Buy Me Love"だった。
密かに期待していた"venus and mars"ではなかったがもともと好きな曲だしオープニングにもこれ以上ないくらいふさわしいので素直にうれしい。
ポールの調子も良さそうだ。

2曲目はsave us。まあ多分そうなるだろうと思っていたがやはりアウトゼアツアーの選曲が基本になるのだろう。
武道館スペシャルを勝手に期待しているのはこっちなのでこれはしょうがないところだ。

それでも会場が小さいことから生まれるポールとオーディエンスの一体感はすばらしい。
観客のリアクションが早いのでポールのテンションもいつもより間違いなく高い。

本ツアー初披露の"One after 909"などを挟みつつ演奏は続き、どんな時でも絶対にセットリストからはずれないポールお気に入りの
"Let Me Roll It"がかかって違和感・・・


「あれ?ジェット飛んじゃった?」


まあジェットじゃなくてもウィングスのヒット曲はあとでなんかやるだろうと思い直して引き続きライブを楽しむ。

ウィングス世代なので"Maybe I'm Amazed"が武道館で演奏されるのを目の当たりにするとやはりグッと来るものがあった。
そんなこんなでポールもファンもかつてないテンションでライブは進んでいたのだが実は一つだけ気になってしょうがないことがあった。

通路を挟んだ前の列に座っている老紳士がずっと下を向いたまま動かないのだ。なんかこのまま死んじゃいそうな雰囲気だ。
ポールの武道館ライブを聴きながら死ねるなんてそれはそれで素敵な人生かもしれないがせっかく来てるんだから顔を上げてみればいいと思うが
マスクしてるしほんとに具合が悪いんだろうか? と、知り合いでもないのに余計な心配をしていたというわけだ。


そんな心配はさておき、ポールのMC「ビートルズの武道館に行ったひとー!」のコールに何人かが手を挙げる。
ふと前を見たら仮死状態だったその老紳士が手を挙げていてちょっとびっくり・・・ちゃんと聴いてるじゃん。

そして「セカイハツコウカイ」の言葉とともに始まった曲は・・・? 

一瞬これなんだっけと思ってしまったがよく聴けばアナザーガールだ。
白状するとラバーソールより前のアルバムはそんなに聴き込んでいないので収録アルバムが思い出せない。

会場は激しく盛り上がっているが正直「えー、みんなこの歌そんなに好きなの?」
と個人的にはちょっと冷め気味だったのでなんとはなしに周りを見渡したら・・・


じいさん(老紳士)立ってるじゃん。びっくりだよ!



やっぱりポールにビートルズを求めている人って一定数いるんだなと今更ながら再認識した次第であります。

じいさんはその次の曲まで立っていてあとはまたずっと下を向いて座ったままだった。
この人にとってのポールは1966年で終わっているのかもしれないけれど感じ方は人それぞれだ。

今日の公演がこの人にとって楽しい思い出になればいいなと特に好きでも嫌いでもないアナザーガールを聴きながらちょっとだけ思った。

複雑なフリフラ(ポール武道館公演その5)

2015-05-10 19:20:32 | music
世界初公開のアナザーガールに続くのはまったく予想していなかったgot to get you into my lifeだった。

これには思い切り不意打ちを食らった。当然ながら大歓声だがそりゃそうだろう、
おそらくは1980年ウィングス武道館公演のオープニングナンバーだったはずの曲なんだから。

venus and marsを聴いたらたぶん泣くだろうと思っていたがこの曲で泣きそうになるとは思わなかった。

この流れだとたぶんジェットはやらないだろうけどあとバンドオンザランさえやってくれれば文句ありません・・・

と、このときは思ったのだった。


でも程なくしてオブラディオブラダに続いて畳みかけるように始まった"Back In the U.S.S.R"のイントロを
聴いたときおそらくそれがかなわないであろうことを悟った。


「バンドオンザランも飛んじゃったよ・・・」


これにはかなりがっくりきたが"Back In the U.S.S.R"自体は大好きな曲なので瞬時に気を取り直してノリノリで楽しむ。
ライブもいよいよ終盤、構成に変更がなければ次はレットイットビーのはずだ。

ここで事前に配られていて手首への着用を指示されていた遠隔操作型ペンライト「フリフラ」が光りだした。



場内は青一色でとても美しい。



でもこれでこのライブはポールとオーディエンスで作り上げるものではなくなったのは事実だ。
2013年の来日時、最終日のアンコールのサイリウム演出が好評だったのに味を占めての企画なのだろうが、
今回はファンが点灯点滅を全く制御できない状況なのでどんなに綺麗でもどうしても抵抗を感じてしまう。

「さあ、これであなたも伝説の一員なんですよ!」というキョードー東京からのお仕着せ感がマックスだ。

そもそもこの企画はポール側には知らされていなかったそうだがアンコールだけならともかく
自分が想定しない演出が延々と行われることを喜んでいたかどうかは正直わからない。

たぶんポールに聴いても「すばらしかった」としか言わないだろうし。
この勝手な押しつけを気に入ってくれたことを願うばかりだ。

まったくやるなとは言わないがアンコールの時だけに押さえておくべきだったと強く思う。
たしかに一体感があってよい演出ではあったけれど伝説はポールとファンだけで作り上げればよかったと今でも思っている。

ポールは内心どう思っていたかはともかく感謝の言葉の後演奏を続ける。
まあ招聘元のそんな過剰な想いを軽く受け流しちゃうポールはさすがだということでこのハナシは落ちを付けるとしよう。

そして"Live and Let Die"、東京ドーム以上の火力は使えないだろうからこの曲はやらないだろうとと思っていた。

しょぼい爆発だったらイヤだなと思っていたら・・・

音がでかい上に硝煙のにおいがすごい。
火力はドームより低くても会場が狭い分迫力がある。
2階席まで火薬の臭いが充満するってどんだけよとかなり驚いた。

過去日本でこの曲が演奏された中では一番の迫力だったと思う。

そして"Hey Jude"で本編終了。またフリフラが活躍したけどもうそのことには触れない。



アンコールで出てきたポールはさらにテンションが高く観客を煽りまくり場内は最高潮。
ここまでハイボルテージにして大歓声のなかでしんみりイェスタデイをやってしまうはずし方がポールらしくてなんとも愛おしかった。

その後"Birthday"のあといつものジエンドメドレーで今日の武道館ライブはすべて終了となったのでありました。



いろいろ文句を言い出したらキリがないのだけれど今までに見たことがなくて
これからなかなか見ることができないかもしれないライブだったのだけは間違いありません。
なによりポールとオーディエンスの一体感は得難いものでありました。

連日のライブにもかかわらず最高のパフォーマンスを見せてくれたポールに心からお礼を言いたいと思います。

願わくぜひまたこの規模の会場でライブをやって欲しいものです。

貯金しておきますので。

あ、武道館だとまたフリフラが来ちゃいそうなので横アリあたりを希望します。





おじゃまなさくら(ポール武道館公演その3)

2015-05-10 19:04:58 | music
武道館内はそこかしこにビートルズの写真が貼ってあって本日限定仕様。
確かに気分は盛り上がるけれどやっぱりビートルズの再現なんだねこの公演はという若干複雑な気分。







座席は南スタンドの最上段ブロックの1列目、まあ遠いっちゃちゃ遠いんだけど前日のドームのアリーナ席より近いし真正面なので結構満足。
やっぱり武道館はいいねと開催主旨には複雑な想いを抱きつつも気分が高揚してくるのは止められない。
アリーナ席を見ると最前列中央がなにやら騒がしい。 女性がスタンドの方を向いて会場全体を盛り上げようと手拍子なぞ打っている。 まあそういう盛り上げ役がいるのは周知の事実なのでご苦労さんと思って双眼鏡で見てみたらなんかあんまり可愛くなくてちとガッカリ。 もしかしたらサクラじゃなくてちゃんとしたファンなのかもしれないがどっちにしてもそんな行為はよけいなお世話なのでさっさとやめてくんねえかなと思っていたらほどなく終わった。 その後は東京ドームと同じDJミックスなどが流れ場内は徐々に盛り上がってくる。場内はもう満員だ。

満員になって本当に良かったなあとちょっとしみじみしてしまった。



ドーム初日に起きたウェーブがこの日も起きた。
これは何日か前からSNS等で拡散されて仕込まれていたのだが、ただでさえ好きじゃないウェーブがますます嫌いになった。
しかもしつこく何周もする。まあみんな盛り上がりたいんだろうけどこういうのは無理に盛り上げちゃだめだろうとジジ臭いことを思ってしまったのであった。




それにしてもちっとも始まらない。

ポールと言えば遅くとも開演予定時間から15分以内には始まっていたのに今回の来日ではどんなに早くても30分押しだった。

そして今日は7時半をとうに過ぎても始まる気配がない。
ストーンズも遅いがもはやその比ではなくガンズの域に達している。

まもなく8時という頃になってBGMがステージ開始前の合図でもあるテンポラリーセクレタリーに変わり場内総立ち、ほどなくしてポール登場となったのでありました。


喫茶武道にて(ポール武道館公演その2)

2015-05-10 18:39:34 | music
そしてむかえた公演当日、ほんとは休みにしたかったのだがアポイントがあったので客先に向かったら時間を間違えていて結局会うことができず、
こんなことなら休みにすりゃよかったぜと出足からつまずいたがおかげで予定より早めに武道館へ向かうことができた。

2時過ぎに到着したのだがほんとにライブは6時半開始なのかよというぐらい人がいる。

限定Tシャツ目当ての待機列以外にも人がいっぱいだ。
もう今日は朝からお祭りなんだろうなと言うことで納得することにしてグッズ待機列に並ぶことにした。








この時点で会場限定Tシャツは売り切れていて先行入金送料800円追加の予約販売となっている。もうちょっと早く来ればよかったとも思ったが
朝10時から並んだのに買えなかった人もいるそうなのでそれじゃ仕方なしと納得する。
しかもその人たちが売り切れを宣告された時点では予約販売が決定していなかったため、限定Tシャツを予約したいなら再度並べと言われたらしく
激しくお怒りだったがそりゃそうだよな。あまりにも段取りが悪すぎる。

そしてこの段取りの悪さはあとで自分にも直接降り懸かってくるのをこのときの僕はまだ知らない。

この日は真夏みたいな日照りで熱射病になりそうなので恥も外聞もなくこんな格好で待機。



約2時間弱並んで無事予約権を入手し送付先を書いて入金完了。ほんとにこれで届くのかよといった感じの頼りない予約表だがまあ待つしかない。


さて、時間はまだ4時だが武道館前の道路はすでにポール入り待ち列が形成されている。
あんまりこういうのには興味がないのでちょっと腹ごしらえでもしようかと思ったが九段下に行って戻って来るには時間が足りないので
武道館外側の二階に併設されている「喫茶武道」へ入ることにした。

実はここに入るのは初めて、初武道である。まあこんなことでもなければなかなか入る機会がない場所だ。
ミックスサンドとメロンソーダのセットを頼み、パソコンを開いてメールチェックなぞしていたら突然店内が騒がしくなった。

どうもポールが来たらしい。

そそくさと立ち上がり窓際に移動したら・・・
おお、ポールが車から顔を出して手を振っている。当然のごとく店内は大騒ぎである。
入り待ちなんて興味ないと言いつつもポールを目の当たりにするとやっぱりテンションあがる。
テンションあがりすぎて写真が撮れなかったのはちょっと後悔したが。

なんにしてもほんとに武道館やるんだなとあらためて実感した次第だ。

さて、この喫茶武道、当然ながら店内は本日の公演に行く人ばかりなわけだがさっきから隣にいる4人組がちょっと気になっている。
一人はこんなの持ち込めるわけないだろというバカでかいレンズの一眼レフを持ち、一人はサウンドチェックのラミネートパスを首から下げ、
かつその際のおみやげであるバッグを携帯している。
そいつがセットリストのコピーを一生懸命眺めているので若干もやっとする。まあパスを持ってるからってポール好きとは限らないよね。

会話も「前はノーモアロンリーナイトとかマイラブとかやってましたよね?」とかピントハズレな内容ばかり。
よっぽど「マイラブはともかくノーモア・・・をライブでやったことなんか一度もねーよ」とつっこんでやりたかったがグッとこらえた。

さて、時間は5時半少し前、会場予定時刻は4時半だったがなにせポールが会場入りしたのが4時半でそれからリハーサルだから当然ながら時間は押している。
とはいえそろそろ開場してもいいんじゃないということで喫茶武道を出ることにする。

会計のためにレジに行ったらレジの女性に「いやあ、これはすごいですよ!、まさに伝説になりますよ!」と熱く語りかけているおっさん一人。
「おっさん、気持ちはわかるがレジの女性がポール好きとは限らんぞ、そもそもあんたがどかないと会計できないんだよ。」
と思っていたらレジの女性も同じことを思っていたようで僕の方を向いて伝票をよこすように促し、おっさんもようやく「あ、すいません」と我に返ってくれた。


まあ、許すよ、今日は特別な日なんだから。


さて、入場しようと思ったらさすがにスペシャルな日だけあってそう簡単に行かなかった。待機列はアリーナ席、1階席、2階席それぞれ別々に形成されている。
形成されているのはいいがまだ開場していないので待機列がものすごく長く先が見えない。僕は2階席だったので列の一番後ろへ向かうべく北の丸公演の中に入っていったのだが・・・

・・・北の丸公園を通り抜け科学技術館が見えてきた。



見えてきたどころかそこも通り抜けて別の集合広場みたいな場所に出てそこでさらに列が折り返して再度科学技術館へ向かっていてもう訳が分からない。
誘導員も訳が分からなくなっているらしく指示もまったく要領を得ない。時間はすでに6時過ぎ、はたしてちゃんと開演できるのか?ポールは来ていても別の面で不安になってきた。

まあさすがにこのままということはなく6時半を過ぎたらようやく列が進み出し、6時40分過ぎには無事着席できた。ただし、アリーナの入場はまだ進んでおらずガラガラである。





果たして今日は何時に始まるのだろうか・・・