Some People never Know

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ポール・マッカートニー2018雑記(東京ドーム編)

2018-11-25 20:26:40 | music
ここ何年かツイートまとめ以外でブログを更新するのはポール来日の時だけだが今年は少し間が空いてしまったのでちょっと記憶があやふやだがなんとか思い出して記録に残しておこうと思う。


10/31
今日は直帰ではなく普通に業務終了してからドームに向かったので到着は6時過ぎで開始ギリギリだったが、ポールのライブが定刻に始まったことは過去1度もないので特に問題なし。エド・シーランはジャストで始めるしブルーノ・マーズにしたって10分遅れぐらい、かたやポールやストーンズはどんなに早くたって20分遅れぐらいだからこの時代のロックスターは焦らしの文化でもあるのだろうか。

そして今日は15分遅れぐらいでスタート、かなり早く始まった部類だろう。

2013年以降のライブはほぼフォーマットが固定されていて入れ替え用のスロットが何カ所かあると言った構成になっているのでセトリバレしようがしまいがあんまり驚きがないこともあるのでセトリは積極的にチェックしている。

今日の席はアリーナAブロック14列目だが右側スクリーンのさらに右というポールが奥のピアノを弾きにいかない限りはまあまあよく見えるという某ファンクラブの評判通りの微妙な良席だった。まあ近いっちゃ近いので贅沢は言うまい。




そして予想通り"A Hard Day's Night"でライブは始まった。

そしてこちらも予想通りあんまり声が出ていない。
こういう日は13曲目の"Maybe I'm Amazed"ぐらいまでは高音が出ない。
この曲はいつも苦しそうに歌うのでセトリからそろそろ外せばいいのにと思うのだが声の調整曲という意味で外せないのではないかと勝手に思っている。

高音が苦しい中ではあるがニューアルバムの曲はいまのポールが歌えるキーなので当然ながら出来はいい。先行シングルだった"Come On To Me"は曲の出来もまずまずだし今回ツアーの目玉であるブラスセクションもいい感じだし聴いていてとても楽しかった。

なぜか93年以降セトリから外れたことのないレット・ミー・ロール・イット、いや、なぜかはわかっている。ポールがギター弾きたいからセトリから外れないのだ。もういい加減カンベンと思った時期もあったが最近はそんなにイヤじゃなくなってきた。これも継続は力なりという奴だろうか?

序盤のハイライトはなんといっても「幸せのノック」だろう。2002年以来16年ぶりのライブでの演奏、そしてブラスセクションが入った形では日本初公開だ。
これはさすがにちょっとジンときてしまった。

そし今日もやっぱり"Maybe I'm Amazed"が終わったあたりから声の調子がよくなってきた。

ここから先は文句なしのロック・ショウ、76歳なのにスゴイなんて言い方が失礼なくらいの素晴らしいパフォーマンスだった。
実は序盤はスクリーンに映るポールを見てかなり老けたなと思っていたのだが声が出てくるにつれてなんだか若々しく見えてたきはたぶん気のせいではないだろう。

きっとこの人に引退という2文字はないのだろうな、そんなことを思わせてくれた東京初日でありました。
"死ぬのは奴らだ"の爆音が去年より下がったような気がしたのは気のせいかな?




ライブ終了後はサークル同期5名でプチ同期会プラス2名の誕生会(一人は当日)を寒空の中テラス席で行ったのでありました。





11/1
今日は都内で予定を入れていたので15時過ぎには早々とドームに到着。昨日売り切れていて買えなかったポールのロゴ入りパーカーとエジプトステーション仕立てのマグカップと昨日プチ同期会をしたサークル同期の友人に頼まれたTシャツを購入し終わったのが4時少し前、会場の5時半まで暇なのでポールファンが集まっている22ゲート周辺にでも行こうかとも思ったが今日は休みを取っているわけではないのでさすがに良心がチクチクしたのでドームホテルのラウンジで時間まで見積作成することにした。




見積も無事完成して一息ついたのでTシャツを買っておいてあげた友人に「買ったよ」メッセを送ったらライブ前に着たいからどこかで待ち合わせしようとのこと、めんどくせえなとは思ったが断って後でブツブツ言われても面倒なので22ゲート前で待ち合わせ。同じくサークル同期の友人もそこに来ていたので二人で彼女を待つ。

ほどなくしてやってきた彼女にTシャツを渡したが「じゃあ着る」といきなりその場で着替えだしたときは二人ともビックリしたがシャツの上からきてくれたので一安心いたしました。

今日の席はスタンドのバックネット裏、野球ならSS席だが今日はカメラ用のタワーがど真ん中にあってかなり邪魔。本来なら注釈付きで売るべきじゃないのとちょっと思ったがどうせスクリーン観るんだから別にいいか椅子もクッション付きだしと自分を納得させる。



そして今日のライブはじつによかった。

ポールの調子は最初からいいしあんまり好きじゃない"Hi,Hi,Hi"が"大好きな"Junior's Farm"に入れ替わった上にあらたに追加された"Got to Get you into My Life"はブラスも映えて実に素晴らしかった。

エリナリグビーの出だし失敗はじめ色々ミスはあったもののポール自体の調子は昨日よりさらによくなっていたように思う。

そして昨日はステージ右端だったのでほとんど見えなかったセンタースクリーンの映像がすべてきちんと見えたのでまたちがった感動があった。
やっぱりサムシング演奏中の映像は泣けてくるし曲はともかくミスターカイトのライティングは美しい。
そしてライブを集中して見ていると真ん中のタワーもフォトショップで修正したかのように視界から消えて気にならなくなってくるから人間の脳って不思議だ。




そしてアンコールに入り、、いつもはイエスタデイの後にやるスタッフとのもう1曲演奏するかどうかを巡ってのお約束のやりとりが始まっているのであれ?と思っていたら結局アコギを持つことなくアビーロードメドレーが始まってしまった。

イエスタデイ無しでライブが終わったのは僕が知る限り初めてだったのでこれには驚いた。

まあ正直言えばイエスタデイは好きでも嫌いでもないんでやってもやらなくてもかまわないんですがね。

終了後は昨日とほぼ同じメンバーで同じ店に行き打ち上げしました。
今回は予約したので寒空で飲まずにすみました。



東京ドーム編はこんなところでしょうか。
国技館&名古屋編は来週末にでも書こうと思います。





ポール来日公演雑記その6(五月雨な感想)

2017-06-11 23:35:21 | music
今回は全体を通して感じたことなどを記します。
それぞれの感想の整合性がとれていないのですがどれも正直な思いなのでそのまま書いてしまいました。

・結局武道館スペシャルとはなんだったのか問題。

「特別な曲をやるよ」と本人が行っていた武道館公演だが、武道館だけでやってドームでやらなかったのは下記の3曲だった。

・ドライブ・マイ・カー(1993年以来)
・マジカル・ミステリー・ツアー(2015年以来)
・エブリナイト(2002年以来)
※サウンドチェック等ライブ本編以外での演奏は除く。

となると武道館スペシャルとは24年ぶりの「ドライブ・マイカー」だったということになってしまうがポールは本当にそのつもりだったのだろうか?

これはもちろん推測の域を出ないのだけれど武道館スペシャルとして演奏されたのは「ニホンハツコウカイ」と言って紹介された「彼氏になりたい」だったのではないだろうか。

前回武道館の「アナザーガール」と同じくビートルズ曲のお蔵出し的位置づけだ。
この「アナザーガール」も武道館のみではなくその後続いたツアーに組み入れられたので今回もそれと同じパターンだったように思える。
要するに武道館公演のために用意した曲だけれどもせっかく練習したんだから後の公演でもやるよ!ってことだ。
今回は武道館が初日でそのあとにドーム公演という日程だったのがスペシャル感を薄める要因となってしまったのだと思う。

とはいえ前回みたいにウィングス曲がほぼカットされてしまうという悲劇もなかったので個人的には今回の武道館のほうがバランスの良いセットリストだった。

・結局何日のライブが一番良かったのか問題。

ドーム初日か2日目がよかったのではないでしょうか。
初日は武道館での調子の悪さから見事に立ち直っていたし2日目はいい感じにリラックスしていたしセトリもよかった。
アンコールにふさわしい曲を選ぶのに「バースデイ」、「アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア」、「ゲットバック」の三択ならそりゃあ「アイ・ソー・ハー」だよね。


・次回武道館あったらどうするの問題。

今回は「またやんの?」、「チケットダダあまりじゃん」とか言われつつもまあまあ座席は埋まったので今後も武道館公演は開催されるような気がする。
ただ、今回のようにポールの調子が芳しくない場合武道館だと映像やライティングでカバーできないのでアコースティックライブにする等
武道館なりのセトリを検討したほうがいいかもしれないとは思う。

今回のようにポールが調子悪かろうと失敗しようとファンが温かく見守ることは間違いないだろうけどできればよいパフォーマンスを期待したいし
なによりポール自身がファンに見守られるようなライブをよしとはしないと思うので。

で、次回武道館あったらどうするかという話ですが、いろいろ心配で気になってしょうがないしたとえ今のポールに向いてなかろうがやっぱり小さい会場で見たいのでもちろん行きます。

・東京ドームのパフォーマンスは素晴らしかったけれどそれはホントなの問題

ドーム公演のポールは3日とも素晴らしいと思っていたが3日目だけ行った知人は「メイビーアイムアメイズド」で声が出ていなかったので心配したとのことだった。

僕を含め全公演行っている人はどうしても採点が甘くなるのでおそらく彼女の言っていることは正しいのだろう。

ポールのライブの場合、僕たちは目の前で演奏して歌っているポールだけを見ているわけではない。その歌を初めて自分が聴いたときの自分だったり、ポールがはじめてその曲を演奏したときの記憶、その頃の自分の生活などいろんなことを同時に思い出してしまう。

ポールのライブは目の前のパフォーマンスと、そこから喚起される自己の様々な記憶が複合されたものなのでより感動を呼ぶのだろう。

でもそれは人ぞれぞれである。

ポールが声が出ていないという意見は客観的には正しいのだろう。
でもそれを見てどう感じるのかはポールや楽曲に関する思い入れがどれだけあるかにより変わってくる。

そして記憶の喚起をパフォーマンスだけで行わなくてはいけない武道館よりパフォーマンス+映像が使用できるドームのほうが有利なのは明らかだ。

だから冒頭の知人の感想は正しいし東京ドームでのパフォーマンスは3日間とも素晴らしいライブだったというのも間違いなく事実なのである。


・むすび

武道館とドームどっちがイイかとかいろいろ書いたところで結局全部行くんだったら関係ないじゃんと言われちゃうと返す言葉がないなあ・・・

ポール来日公演雑記その5(4/29,4/30東京ドーム)

2017-05-28 21:01:03 | music
ドーム公演の感想は初日の際だいたい書いたので残り2日はまとめて。

4月29日

一昨日の公演があまりにも素晴らしかったので打ち止めにしていたグッズ購入を解禁してドーム限定シャツとウィングスのピンバッジを買ってしまい、 さらに気分の盛り上がるドーム2日目である。



ポールは今日も好調だった。
服装もジーンズ履いてたりしてリラックスしていていいい感じだ。

今日もセトリが少し入れ替わっていて出だし4曲のうち「ジュニアズ・ファーム→セイブ・アス」、「ワインカラーの少女→ジェット」となっていた。

「セイブ・アス」についてはポールお気に入りのようなのでとくにコメントしないが、ジェットはやっぱり嬉しい。
最近の公演におけるジェットが演奏される曲順は「あの娘におせっかい」や「ワインカラー」等のウィングス曲用のスロットとなっているがここは永久にジェットで固定にしてウィングス用のスロットは別に設定してもらいたいところだ。

そして「恋を抱きしめよう」のところで「夢の人」を演奏。
どっちも好きな曲だがはじめてのラバーソウルはなにも知らずにアメリカ盤を買ってしまったのでオープニングだった「夢の人」には思い入れがある分こっちのほうが嬉しい。

今日はステージ正面だったので昨日は歌詞が見えなくて歌えなかった"FourFiveSeconds"を歌うぞ!と思っていたら字幕が出るタイミングが遅すぎるので結局歌えなかった。

それにしてもこの曲、ポールはカニエ・ウェスト、リアーナと同列でクレジットされてはいるがギターのみで参加していてまったく歌っていないのにも関わらずわざわざライブでやるのは自分がクレジットされた曲がヒットしたとうことがやっぱり嬉しいんだな。
インタビューでは「もうヒットは狙わないよ」といいながら実はむちゃくちゃ気にしているポールを嬉しくそして頼もしく思ったのでありました。

今日のハイライトはやはりサムシングだろう。
毎回流れるあの映像はほんとうにズルい。昨日はスクリーンの半分しか見えなかったが今日は全部見えるので昨日以上にグッときてしまった。いつもは我慢していたのに今回はちょっと泣かされてしまったな。



アンコールでは「バースデイ」が「アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア」に差し替えられていた。
「バースデイ」はあんまり好きじゃないのでこっちのほうが嬉しい。

ジュニアズ・ファームをやらなかったのは残念だったけれどそれ以外は2日目のほうが好みのセトリでした。

そして終演後。 呼び込みのお兄さんに連れられてポールのビデオを流しているという店へ。
たしかに壁全面でアウトゼア2013のスカパー映像が流れている。
これもちろんスカパーにお金払ってるんですよね?

普段はジャイアンツファンを相手にしているらしくメニューには「ジャイアンツサワー」なるものがある。
オロナミンCで割っているそうで試しに頼んでみたがまずまずだった。

「ポールマッカートニーのコンサートお疲れ様でした。これから乾杯をしようと思いますのでご協力ください!」
との商売上手なマイクパフォーマンスがあったので もう一杯と言うことで次はたぶん今日だけのメニューであろう「ポール・マッカートニーサワー」なるものを注文。
なにが来るのかと思ったら青色のサワーだった。
ワンオンワンのイメージカラーは青だからって事だろうか。

あと、「ハイ!ポール」というドリンクもあった。
名称ですぐわかると思うがもちろんただのハイボールだ。
友人がそれを頼んだが店員は「ハイボールですね。」と言って注文を取っていたが、
ここはやっぱり「ハイ!ポールですね!」って言ってもらわないと。

彼はまだ修行が足りないというのが我々の共通見解でありました。

店内のほぼ全員がコンサート帰りなので隣も当然そうである。
いい感じに酔った隣のオジサン(こっちもオジサンだけど)が僕のTシャツをのぞき込み「おっ、行ってきましたねえ。ビートルズファンはみんな友達、乾杯!」ということでなんだかいろいろ話すことになってしまった。

オジサンはサージェントペパーのアルバムを10枚持っているらしい。
そんなにファンなのに店内に流れるビデオでポールが歌っている「アナザー・デイ」を「あれなんだっけ?」と僕に聞いているのはビートルズ特化なのか酔っていたからなのか。
でも「夢の人」でも同じようなこと聞かれたからたぶん酔ってたからなんだろうな。

そして定番の「ビートルズのアルバムで何が好き?」という質問が来た。
この質問、定番は定番だがわりとデリケートな質問だと思うんだよな。
とはいえ聞かれたからには答えましょうということで「ラバーソウルです!」と即答したら一瞬間があった。
どうも意にそぐわなかったようだ。
オジサンの好きなのは「ウィズ・ザ・ビートルズ」らしい。

いや、わかってたよ。こういうときは「ヘルプ」より前のアルバムを答えておいた方が盛り上がるってことはさ。
でもたとえもう会わないオジサンでも嘘はつかない主義である。
ちなみに同じ質問をされた友人は「いやあ、とても決められないですよ。」とニコニコ笑いながら回答。

大人じゃん。

そして会話は上映中の2013ライブへと移る。
「これ何日目でしたっけ?」
「3日目、11月21日です。」
「僕は初日に高校の同級生と観に行ったんだ。そして彼女はもういない・・・」

いや、その振りにどう答えろっていうんだよ。
ツッコんで欲しかったのかもしれないが地雷の可能性もゼロではないのでグラス片手にスルーした我々でありました。
ポールがバンドオンザランを歌い出したところで終電が気になるのでオジサンに挨拶して先に帰った。

本編もアフターも楽しかった2日目でありました。

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4月30日

3日目は母と兄を連れて観戦。

このパターンは2002年から続いているがその時は本人の希望で母はホテルで待っていた。
2013年からは「どうせ待ってるなら来れば?」とのことで参加しているので母も3回目のポールである。

席は公式サイトで1階スタンドBブロック1列目を購入。
この席は前が通路なので視界が開けていて見やすい。



今日もポールは好調、回を重ねるごとに調子が上がっていくのは例年通りといえば例年通りだが2日連続であることの疲れが全く感じられないのは素直に凄いと思った。

今日のウィングス曲は「ジュニアズファーム」と「ジェット」の組み合わせ。
武道館同様この組み合わせが一番いいな。

今日の席は通路前なので踊りたい人は踊り放題の場所だけあって3席ぐらい隣の人はとってもアクティブだった。
終始踊っていたのは当然として何度も後ろを向いて「みんなもっと盛り上がろうぜ!」と一生懸命アクションしている。
いや、野球の応援団長じゃないんだから普通に前見てた方がいいんじゃね?、チケット高いんだし。

2013年の時「死ぬのは奴らだ」の爆音で母を驚かせてしまったので2015年の時は事前に教えておいた。
今回はとくに何も言わなくていいだろうと思っていたのだが忘れていたらしく物凄く驚かれてしまった。
顔を手で覆っているのでちょっと心配していたが「ヘイジュード」になったら立ってサイリウムを振りだしたので安心した。
後で聞いたところによると音にビックリして手で顔を覆い、指の隙間から見ていたらしい。
なんだかよくわからない説明だったが別に体調を悪くしたわけではないのでよしとしよう。



2013年のドーム最終日と同パターンのサイリウム演出はよかったと思う。 やっぱりサプライズをするならオーディエンスも参加しないとね。
ポールもオーディエンスも関係なく招聘元だけが突っ走った武道館公演から反省してこうなったのだとすれば素晴らしいことだと思う。

そして今日も素晴らしいライブだった。
なんだかんで言ってまた来てくれそうだ。
「また来るの?」という人はチケットを買ってくれる人ではないので気にする必要はない。

元気にライブができる時間には限りがあるので毎年来てくれてもかまわない。

そんなことを思いながらみんなに手を振りながらステージを去るポールを見ていた最終日でありました。

ポール来日公演雑記その4(4/27東京ドーム)

2017-05-20 23:08:15 | music
さて、武道館は楽しかったけれどポールの状態は不安なまま迎えたドーム初日である。
とはいえ楽しみには違いないのでちょっと早めに会場に到着して周辺をうろうろしていてたら
ちょうどポールが会場入りする時間だったのでちょっと階段をおりて遠巻きに撮影。



ほどなくサウンドチェックははじまったようでドームの壁に耳を近づけたらなんとなくエブリナイトっぽい音が聴こえた。
今回も抽選に外れてしまったがいつかは見たいサウンドチェック、確実を期すなら海外公演を狙うしかないがなかなか覚悟がいるよな、
などと考えながらスマホを除いていたらSNSにこんな書き込みがあった。

「ポール絶好調」とのこと。

これは嬉しい情報だ。
一昨日の不調を払拭してくれるパフォーマンスを期待したい。

開場した少し後に入場し着席、今日は一階スタンド前方のステージ左の位置。スタンドとしてはわりとステージに近くてまあまあの席。
ファンクラブに全日程のチケットを頼むと Bブロック右、Cブロック中央、一階スタンドというパターンになるのがここ2回の来日の傾向である。
そんなによくもないが最悪でもないという文句の言いにくいポイントをついてくるのはさすがというべきか。



隣に座っているのはどうやら母親と息子らしい。ビール売りのお姉さんが二人に対しいろいろと突っ込んで聞いていたので息子が21才だということまで知ってしまった。
このチケットはどうやら友達に取ってもらったらしくこれからお金を払いに行くという。
ああ、このチケットを買った人はまずファンクラブでチケットを押さえてもっといい席がとれたからこの人に売りさばいたんだな。
VIPに当選したら同じようなことをするつもりだったのでたぶんこの予想は外れていないだろう。

などとほんとうにどうでもいいことを考えながらクルクル回る円筒形のグラフィックを背景にしたポールの写真がスクリーンに写るのを恒例のDJプレイと共に楽しんでいたらジ・エンドが流れ出した。いよいよポール登場である。



セットリストはこのツアーが開始になった頃に何度か見たが来日が決まった後は見ていない。
だから1曲目はまあわかっているけれどあとは新鮮な気持ちで楽しめる。

オープニングの「ハード・デイズ・ナイト」、アップテンポの曲なのでわかりづらいが武道館より大分調子がいいように感じる。
2曲目は「ジュニアズ・ファーム」、ああ、いいな今日のポールは。
そして武道館で聴いたけれどドームで初披露のこの曲はやっぱり格別だ。
ラストのシャウトも頑張っている。

4曲目は「ワインカラーの少女」、これをやるということは今日は「ジェット」はなしか。
バンドオンザランにおける「レットミーロールイット」みたいな位置づけのちょいヘビーなナンバー。
好きでも嫌いでもない曲だが日本初披露だしまあまあうれしい。
でも実を言えばそれでも「ジェット」は外さないで欲しいというのが本音ではある。

このまま「レットミーロールイット」かなと思っていたら「次はエレクトリック」とのことで「テンポラリーセクレタリー」、
アウトゼアツアーの客入れBGMから大昇格した曲だが、この曲がかかるともうすぐライブ開始なので場内が盛り上がっていたのをポールが勘違いして
セトリに加えたんだろうと個人的には思っていたので場内が思った以上にウケているのに驚いた。
いや、そんなに嫌いって訳じゃないけれど大して好きでもないしそもそもこれやるぐらいなら「カミングアップ」やろうよ、
なんでもお蔵出しすりゃいいてもんじゃないでしょと言いたかったところだがポールが楽しそうなのでまあいいかということでこちらも楽しんだ。


そんなこんなでライブは進みいろんな意味で序盤のハイライトとなる「メイビー・アイム・アメイズド」だ。

うん、一昨日よりずっといい。高音きつそうなのは変わらないけれどちゃんと声が出ている。
ここまで見ておいてこんなことを言うのもなんだが今日は安心してライブが楽しめそうだ。

「びいとるずぅ初レコーディング」との紹介で演奏された「イン・スパイト・オブ・オール・ザ・デンジャー」、
この曲が今回のライブで一番予想を裏切られた曲かもしれない。
オリジナルがテンションの低い正直言って退屈なナンバーなのでひたすら耐える時間になるんだろうなと思っていたのだが、
コールアンドレスポンスが楽しいライブ向きのナンバーに仕立てられていた。


武道館と同じ曲順なら次は「ラブ・ミー・ドゥ」、これも予想よりメリハリが効いていていい感じだったので楽しみに待っていたら
「作曲はこういうふうにやっていたんだよ」とアコギをつま弾きながらはじまった「ユー・ウォント・シー・ミー」に完全に意表を突かれてしまった。
ずっと聴きたかった曲が突然始まったのでいろいろこみ上げてきてしまって困ったがなんとか耐えた。
毎回思っていることなのだがやっぱり今日も思った。

「ああ、今日見に来てよかったな。」

「サムシング」もいつものように感動的だったが隣の席の女性が号泣していたのでこっちが泣くタイミングを失ってしまった。
よくよくみればスカートはアンソロジーのジャケ全面プリントだったのでかなりのファンだったんだな。
今回がポール初体験と思しき息子さんもファンになるといいねと内心思いながらサムシングのサビを小声で口ずさんでいたのでありました。


ライブもいよいよ終盤だが1階スタンドは誰も立っていないので開始からまったり座ってみている。
ずっと立ちっぱなしはもう疲れる年なのでありがたいし、ポールを見に来る大半の人達はできれば座ってみたいというのが本音だろう。

でもバンドオンザランで転調したら立とうと決めていたのでそれ以降は立って観戦。
やっぱりこの曲はいいね。 

一昨日の武道館、2015年の武道館ともにこの曲は演奏されなかったので実に3公演ぶりのバンドオンザランなのだ。
この曲こそ武道館でやるべきだと思うんだけどね。

ここから先はアウトゼアツアー以降固定された展開でとくに新鮮味はないのだけれど
よいものは無理に変える必要はないので別にこのままでいいと思う。いまさらレットイットビーやヘイジュード外されても寂しいしね。



それにしても今日のライブは本当に素晴らしかった。
武道館が終わった時点ではポールはもうパフォーマンスの出来不出来から解放されてそこにいてくれるだけでありがたい、
そんな存在になっていくことを覚悟したが、まだまだ憧れのスーパースターでいてくれそうなことがわかり本当に嬉しかった。

感動とともに感謝もしたくなってしまったドーム初日でした。


公演の翌日に友人からメッセージが届いた。
昨日の公演が素晴らしかったので最終日のチケットも買ったとのこと。

なんだかとてもうれしかった。
こんな公演があと2回も見られるなんて大変幸せなことだよな。







ポール来日公演雑記その3(4/25武道館本編)

2017-05-16 23:42:55 | music
さて、いよいよ本編である。
ポールは武道館公演において「スペシャルな曲をやる」みたいなことを言っていたがなんたって初日なので東京ドーム公演が
終わらなければなにがスペシャルだったかがわからないというメディア泣かせな状況だが個人的にはそれはどうでもいいことである。

そしてポール登場、もちろん場内は大歓声。
スクリーンがないから肉眼で見るしかないがまあまあ見えるし双眼鏡で見ればまったく問題はない。

1曲目は「ハードデイズナイト」、いまのツアーの通常セトリなのでそれほどの驚きはない。
ビリー・ジョエルが以前ライブでやったのを聞いた覚えがあるけれどやっぱり本家はいいね。
ポールの声は若干辛そうな気もするがアップテンポな曲なのでそれほど目立たないしなにより
2年ぶりのポールなのでそんなことを気にしている場合でもない。

そして2曲目はジェット。
前回の武道館ではやらなかった曲。
もはや演奏曲というより目玉アトラクションと化している「死ぬのは奴等だ」を除けば武道館で聴くはじめてのウィングスの
ヒットシングルである。実を言えばこの時点でかなり満足した。

前回武道館ではおそらくは80年公演のオープニングだったであろう「ガット・トゥ・ゲット・ユー・イン・トゥ・マイ・ライフ」
を聴いたときもなかなかにグッと来たがやっぱりウィングスのヒットシングルは別格である。
本当はこの曲はポールが左手、リンダが右手を掲げて「ジェット!」のコールをしてくれなくちゃいけない曲なんだけれどそれはもうかなわない。
そんなことを考えながらこの曲を聴いていたらちょと目が潤んだ。



そして「ドライブ・マイ・カー」、いきなり緞帳が落ちてはじまった93年公演のオープニングを飾った曲だ。
この曲を日本で演奏するのはその時以来なので実に24年ぶりである。
これもなかなかに涙腺を刺激してくれる選曲。

続けてこちらは日本初披露の「ジュニアズ・ファーム」。
アウトゼアツアーの時も当初はセトリに入っていたが来日直前にリリースされた「New]からの曲と差し替えられてしまったので
まさに待望の1曲だった。

ここまでは実に完璧なセトリでここでライブが終わってもかまわないとうぐらいに満足していた。

ここで個人的にはわりと完結してしまったためかいままでは気にならなかったいろんなことが気になり出した。

席は少々遠いものの肉眼でポールが十分見える距離なのだが3列前の細身の男(たぶん)が帽子を被っているので結構邪魔になる。
さらに時々カメラを頭上に掲げるのでそのときはつま先立ちにならないと見えない。
厚底サンダルを履いてこなかったことをかなり後悔した。※冗談です。持ってません。
しかもそいつは掲げたカメラをなかなか下ろさない。
「インディアンポーカーやってるんじゃないんだからさっさと下ろせよバカヤロウ」と内心思っていたがいかんせん3列前なので声も手も届かない。
ポールがセンターにいるときはこいつのせいでかなりイライラさせられた。

アリーナ席は段差がないのでこれがあるんだよな。
まあ仕方ないんだろうけどさ。

ポールがピアノ前に座っている時は特にストレスなく楽しめるのでまあいいかということで観賞していたところでメイビーアイムアメイズドである。
オーバーアメリカからシングルカットされるまでは隠れた名曲扱いだったこの曲もいまやすっかり定番の人気曲であるとともに
近年はその日のポールの調子をはかる測定器みたいな役割も果たしている。

そして今回はどうだろう?

・・・良くない。
声はひっくり返り気味だしシャウトしてようやく高音を絞り出している感じでかなり苦しそうだ。
聴きながら早くバックコーラス始まってくれと願ってしまった。この曲がここまで良くないのははじめてかもしれない。

いつもならこの曲を歌いながら調子が上がっていくのだが最後まで苦しそうなまま1曲が終わってしまった。

「おいおい大丈夫かよ。」と物凄く心配になってしまったがそんな思いはブラックバードで決定的になる。
やっぱり高音苦しいなと思っていたら演奏を失敗してやり直していた。
でも観客はそこからは演奏終了までやんやの喝采大拍手だ。

これが以前ポールがインタビューで答えていた「みんな失敗すると喜ぶんだよね。」というやつか、まさか実体験することになるとは思わなかった。
アットホームでとても楽しくて大ファンばかりの武道館ならではの得がたい体験だったことに異論はない。
でもこれは僕の見たかったポールではないというのもまた事実。

憧れのスーパースターから温かく見守られる偶像へと変わった瞬間だった。
同い年のブライアン・ウィルソンと同じ存在になった瞬間だった。

行ったことがない人のために説明すると現在のブライアン・ウィルソンのボーカルは大抵頼りないしそもそも本来の自分のパートを歌わないケースも多い。
でもブライアンの信望者である高い技量を持ったバンドメンバー達のバックアップというか全面支援、
そしてなによりファンの温かい声援で毎回素晴らしいライブとなっている。
ファンはブライアンが演奏しようがしまいがキーボードの前に座っているだけで大満足なのだ。
手でも振ってくれようもんなら大歓声だ。
あのブライアンが目の前にいるだけで感動を呼ぶ。
それはとても凄いことで僕も毎回感動させられている。
パフォーマンスではなくその存在自体で感動を呼ぶアーティストに昇華しているのだ。

さすがにポールはまだその域に達してはいないけれどこれからそうなっていくような予感がしてしまい、
それはそれで素晴らしいことなんだと思いつつもかなり複雑な想いを抱きながらアコギをつま弾くポールを見ていたのでありました。

さて、当然ながらそんなことを考えている人にまったくかまうことはなくライヴは続く。

もうすっかりポール頑張れモードになっていてハラハラしながら見ていたのだがやっぱり高音が辛そうだった「ヒアトゥデイ」
以外はなんとか無難にこなしている。
アップテンポでバックの厚い曲は粗も目立たないしいい感じだ。

そんななかではあるけれど久しぶりに聴いたエブリナイトはやっぱり嬉しかった。
この曲も2002年以来か。
こういう歌いやすくていい曲沢山あるんだからそういうライブもできるのに意地でもしないのがポールがポールたる所以なのだろう。


ここまでで武道館スペシャルと言えそうなのは「ニホンハツコウカイ」と言っていた「彼氏になりたい」あたりだろうか。
まあ前回の「アナザーガール」よりは好きかな。

ということでライブも大詰めとなりいよいよ「死ぬのは奴らだ!」が始まった。
ここまでくればもう出来云々は関係ない。
武道館という特別な空間でポールとの時間をただ楽しめばいい。

恒例の爆音はさすがアリーナだけあってデカかった。
前回は二階席まで熱風が吹いてきてスゲエと思ったが今回は爆発音そのものが耳をふさぎたくなるほどの音量だった。
最前列の人たちに「耳ふさいでください」との事前案内があったという話も頷ける。

正直言えば曲自体はあんまり面白くないんだがもうこの曲がセットリストから外れることはないんだろうな。ひそかにポール自信は楽だしね。




そしてヘイ・ジュード、さあみんなで歌おうと思ったら突然目の前が真っ暗になった。
なにが起きたのかと思ったらそこらじゅうで「NA]のペラペラな紙が掲げられていて思いきり視界が遮られていてポールどこ?の状態だ。
あのペラ紙はファンクラブがチケット購入者に「ヘイジュード大合唱時に掲げましょう」と送付したものだがとにかくペラペラなので両手で持つしかなく、思いきり後ろの視界を遮ってしまう困りものアイテムなのだ。そしてなにが一番困るって僕もファンクラブでチケットを買ったので視界前方をこのペラ紙が埋め尽くしているのである。



前回有償で販売していたものはもっとしっかりした作りだったので片手で持てたからこうはならなかったのに今回はタダな分だけできが悪い。
武道館のステージはドームに比べて低いからこれやられると見えないんだよ。

まあブツブツ言ってもしょうがないのであきらめてヘイジュード歌いましたけどね。

そんなこんなで武道館公演は終了。



感想を一言で言えというならばとても楽しかった。
また次回があるならチケット価格に文句言いながらも行くと思う。

でも今日の楽しさは場内にいた全員がポールの大ファンだったからこそ生まれたものだということがどうしても引っ掛かる。
どんな出来だろうと温かく見守る人達だったんだから一体感も味わえるしそれは素敵な体験になるだろう。

ポールはもうそういう存在になってしまったのだろうか?
まだ早いんじゃないのか?

楽しかったなら素直にそう感じていればいいじゃないと言われれば全くその通りなのだがどうしてもそんなことを考えずにはいられなかった武道館公演でありました。


----------------[ポール来日公演雑記その4]に続く