Some People never Know

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Oxgen to the Brain

2011-11-13 17:15:42 | music
ビーチボーイズのスマイルセッションズの発売が話題になっている。

Smile SessionsSmile Sessions
価格:¥ 13,541(税込)
発売日:2011-11-01


それほどコアなファンというわけではないけれどさすがに気になってアマゾンで製品情報などを見ていたら、
いっしょにおすすめで出てきた2枚のアルバムが目についた。

ブライアン・ウィルソンによるディズニーとガーシュインのカバー集だ。

ロッド・スチュアートとかならともかくブライアンが他人の曲歌っても意味ないんじゃというのが最初に思ったこと。
特に歌がうまいという印象もないし。

それに前作「ラッキー・オールド・サン」の元気なのはいいんだけどだれか注意しろよみたいなアルバムの印象もまだ色濃く残っている。
だって「酸素、酸素、能に酸素」みたいな歌詞を60過ぎのじいさんが歌ってるんだぜ。下手すりゃ病院送りだよ。

でも、ちょっと興味があったのでまずはガーシュインの方から聴いてみることにした。

そんな危ないじいさんのアルバム何で聴くんだといわれると答えに困る。
しょうがねえじいさんだとは思うけど嫌いになれないのだ
さっきの酸素ソングみたいに頭のネジが3本飛んだような歌を歌っていても見捨てられないのだ。

理由はいろいろあるけれど一番の理由は、ソロとしての初来日だった1999年のライブを見たときのこと。

「神のみぞ知る」を歌う前に「ポール・マッカートニーがこの曲をいい曲だと言ってくれた」とまるで昨日ことのようにう嬉しそうに語っていた。その時点でもう30年以上前のことなのに。
このエピソード自体は知っていたけれどブライアンがここまで大事に思っていたことは知らなかった。

このライブを見てから、多少のことはもう「オッケー」としようと決めた。
酸素ソングもオッケー、その前に出たスマイルのセルフカバーだってオッケーだ。
ライブでのスマイル全曲一気演奏も寝ないで耐えた。

前回ポールについて「才能あるけどだめんず」的な魅力があるということをコメントでちょっと書いたけれど、もしそういうランキングあるとしたらブライアン・ウィルソンはかなり上位にはいるだろう。
少なくともジョンやポールなんか問題にならない。

なんたって活動期間の倍以上の期間ずっとダメダメだったのだ。

それでもこの人は多くの人に愛されている。
僕の場合はポールがらみだったけれどみんなそれぞれの理由があってずっと彼のファンでいるのだろう。

そして、バンドのメンバーも全員彼のファンである。

ブライアンのライブはスゴい。なにがスゴいって本人がいなくても十分成り立つぐらいバックが充実している。
ブライアンが死んだら、グレン・ミラー楽団みたいなのを作れば成功間違いなしだと思う。
とくにライブで音楽監督を務めるダリアン・サハナジャなんかを見てるともうブライアンが好きで好きでしょうがないという気持ちが全身から滲み出ている。

ここまでバックバンドに愛されている人もなかなかいないのではないか。

そんなわけで多少の不安を抱きつつまあハズレでも許そうと思って聴き始めたこのガーシュインカバー集。

Brian Wilson Reimagines GershwinBrian Wilson Reimagines Gershwin
価格:¥ 1,308(税込)
発売日:2010-10-01



1曲目を聴いたらそこにすべて答えがあった。
統制の取れたバックコーラスとともに流れるラプソディ・イン・ブルー。
もちろんそれはソロキャリアで築き上げられた見事なブライアン・サウンドになっていて
ダリアン・サハナジャの顔が浮かんでくるような仕上がりだ。
もうこれだけでこのアルバムは成功したようなもの。

それにブライアンって思ってたより歌うまかったんだな。
よく考えたらビーチボーイズってコーラスグループだったな。
しわがれた声の不安定なボーカルの印象が強かったのでちょっと意外だった。
大変失礼いたしました。

カバー集なんて老後の余興みたいに思っていたのだけれど予想とは全く違っていた。
ぜひこの収録曲をライブでも聴きたいものだ。

さて、冒頭で話題にしたスマイルセッションズだが、たぶん買わない。
遺跡発掘の成果より現在の成果を聴きたいと思う。

まあ、両方買う金がない言い訳なんですがね。

などと書いているうちにディズニーのカバー集の方も届いた。



この週末は地味に幸せだったりする。


2011/11/12 のツイート

2011-11-13 04:43:12 | Twitter