錦里古街で楽しんだ、四方街という名のライブハウス
錦里古街にはギターを弾き歌うライブハウス(?)が数軒存在する。
四方街という名の店もその一つ。
歌声が一番好きな四方街は階段をかけのぼると、視界にはすぐに歌手が会釈する。
わたくしたちは、その歌手が見える席に座る。
メニューが渡される。
茶一杯三十元
蘇州(山塘街)の老舗の高級店で楽しんだ評弾
茶の値段は六十元だったので、半分
ただし、評弾は一曲歌って頂くと三十元から八十元、百元を超える曲も多いので、半端無くお高い。
評弾をきいた頃の中国の物価は 一元十二YEN
庶民の具が選べる麺類は、椀一杯二元であった。
『評弾』 蘇州の伝統芸能 /中国・蘇州(山塘街にて)
酒[口巴]歌男or茶[口巴]歌男と、表現すべきか?
[口巴]は中国語で[~しなさい、~しましょう]みたいな、そんな感じ。
二階から見ると、こんな感じ。
落ち着いた中国らしい窓の木枠は美術的で美しい。
開いた窓を見下ろすと、店が建ち並ぶにぎやかな街。
中国では雲南省や上海でも、このような店を楽しんだ事がある。
情緒のある造りで、齢を重ねた夫婦にとっては雑踏から逃れ、二人の時間を楽しむ事ができる貴重な空間だ。
四方街という店の弾き語りの歌手は、韓国のイ・ビョンホン似
声はきわめて美しい
アンディ・ラウと、甘えた声を取っ払った河村隆一を足して2で割った感じの声質。
優しく語るように歌われる彼は、音の領域も結構広く、裏返った声も天使のようだった。
上にも書いたが錦里古街には数軒のライブハウスがあった。
その中で、彼の声質は群を抜いてわたくしの好みであった。
上のように、錦里古街では、ライブハウスは一階の店が多い。
わたくしが気づいたのは三軒。
二階に上がる店は二軒。
丹念に見てまわると他にも多くあるかもしれない。
歌はおそらく中国の流行歌だろうと思われる。
二、三時間は聴いていたい気持ちのよい歌だったが、集合時間が押し迫り、泣く泣く店を後にした。
今回、個人旅行で行けば良かったと思った。
理由は二つ
長年憧れていた『川劇』を毎晩通ってみたいという衝動に駆られたのと、彼の歌声であった。
錦里古街で楽しんだ、四方街という名のライブハウス
2014年夏 中国 成都