塩湖
九月中旬。
イランで塩湖を 二度みました。
いずれもシーラーズ(Shiraz)と ダラ-ブ(Darab)との間を移動中のこと。
マハルル湖(Msharlu Lake)はどちらかというと、シーラーズ寄り。
イランの中で、一番大きな湖というわけではありません。
しかしタクシーから見る湖は真っ白。
先を急いでいたので行きの日は仕事の都合で見ることができませんでしたが、帰りは夫が気を効かせて、立ち寄ってくれました。
塩湖は私が思うものとは全く違っていて、あたり一面、塩。
それはまるで雪が積もったスキー場のよう。
白くて、表面が硬く固まり、車で走っても平気です。
近くには塩の工場のようなものもあり、作業をしている人や車。
『そうか、ここの塩は商品になるのか・・・』
私は一粒塩を味見。
塩は直径5mmから8mmくらいでしょうか。
ちょうど胡椒や塩をまわして使う時の、あの塩ほどの大きさ。
味は濃度が高く、非常に鹹く感じました。
横をみると、夫も塩をなめ、ばつが悪そうに首を引っ込めている様子。
夫婦そろっての 似たもの馬鹿。
塩湖は塩5%以上のことを言うのだそうですが、ここマハルル湖(Msharlu Lake)は見る限りでは塩の陸が続き、不思議な光景。
恥ずかしながら、私はここを訪れるまでは、塩湖とは、海水のように湖が鹹いのかと思っていました。
しかし地の塩分が溶け、水分が完全に蒸発した状態。
私は自然の不思議さと美しさにうっとりと見とれ、はしゃぎ、走り回っていると、いつぞや 夫の声で現実に戻されてしまいました。
「反射で目がやられるから、そろそろ行こうか・・・」
ガ~ン!!
『ずっといたい・・・』
そんな純粋な気持ちにさせてくれる塩湖。
何かひきつけられてその場を離れたくはなかったのですが、仕方なく、マハルル湖を去ったのです・・・・・・
私の手の中の小ビンに入れた 10粒ほどの塩。
今も9月の思い出と共に 心のなかで輝いています。
(写真は9月14日 ダラ-ブ(Darab)から シーラーズ(Shiraz)に帰る日の昼頃)