(写真は、セイダカアワダチ草。私は花粉症ですが、この美しい黄色には、負けてしまいます。思わず、パチり!)
孔雀 ー我が家の風景ー
満足度 ★★★★★+おまけ★(5段階評価)
映画の好きさ ★★★★★おまけ★★
感動度 ★★★★☆
お勧め度 ★★★★☆
2006年 中国監督 136分
監督 クー・チャンウェイ
キャスト チャン・チンチュー
ファン・リー
ルゥ・ユウライ 他
中国映画の好きな私としては好きな作品の一つ。
知的障害の兄を中心に、家族の心情の揺れ動きや行動を、きれいごとではなく、真正面からとらえた秀作。
10年間の文化大革命の後の中国(1977年)。
小さな田舎町を舞台に、自由と解放を求めた時代の庶民の哀歓がのなかでの 家族5人の物語。
家族、そして自分との葛藤。
なぜだかジンワリとした涙が出て、目尻をぬらす。しんみりとよさの伝わる映画。
中国映画で知的障害者を扱った映画としては 『こころの湯』を思い出すが、いずれも興味深い。
ではどちらが好きかといわれれば・・・どちらもと、いわざるを得ない。
ただ焦点をはっきりさせた点(分かりやすさ)から考えると、万人に分かりやすい 『こころの湯』の方がお勧め作品かもしれない。
私はどちらも好きだ。
10年間の文化大革命の後の中国(1977年)。
小さな田舎町を舞台に、自由と解放を求めた時代の庶民の哀歓がのなかでの 家族5人の物語。
家族、そして自分との葛藤。
ラスト。
動物園の孔雀の前で順番に足を止める 三兄弟の各三家族。
そこには 切なさや 一口では言い表せない人生の重さを感じさせる。
孔雀は真後ろからのカメラアングル。
美しい・・・
私たちは 孔雀の羽を広げる瞬間の 後姿に気を止めたことがあるだろうか・・・
この感性が、この監督の素晴らしさかもしれない。
なかなか真正面に向かない孔雀のフィルムを意図的にしよう。
やっと正面になったと思えば、向かって右の羽を切った、変形の構図。
この右の羽を切ったシーンが、この映画には重要な省くことのできない場面だと感じた。