(写真は2007年9月23日。
エスファハーンにある 『アーリー・ガーブ宮殿』の音楽室。
水差しのような 楽器のような穴が開いているのは、音が反響するようにと考えて造られた構造。漆喰造りの色合いがなんともいえず、落ち着いた雰囲気。ここで音楽が奏でられていたのかと思うと、ロマンを感じる。 )
こんなに近く、こんなに遠く So Close, So Far
満足度 ★★★★★+おまけ★★★
感動度 ★★★★★+おまけ★
影像美 ★★★★★
丁寧さ ★★★★★
イラン人の描き方(イラン人らしさ) ★★★★★+おまけ★★★
話の展開 ★★★★★+おまけ★
個人的映画の好きさ★★★★★+おまけ★★★
お勧め度 ★★★★★
2004年 イラン
監督 レザ・ミルキャリミ
キャスト マスウード・イーガン 他
イラン映画を見た。
さすがに映画に力を入れているイラン。というか、娯楽が少ない中で、映画館には多い。
感動し琴線に触れる場面もいくつかあった。
イラン人の頭の良さ、礼儀正しさ、親切さ、宗教観。反面 天邪鬼ぶり、調子のよさ(いいかげんさ)が 見事に映し出される。
イランの景色が美しい。砂漠あり、塩湖あり。土で作った家あり。放牧生活ののどかさや、結婚、葬儀といった内容も上手く織り込まれている。
テヘランの名高い 脳外科医アーラム。
仕事中心で、妻や子供との関係も、崩壊直前。
大晦日の夜、息子の脳が腫瘍に侵されている事を知る。
約束の誕生日に遅れた天体観測を持って、息子のもとに駆けつけようとする父。
波乱に満ちた道のり。
車にはコーランもなく、(車の前においているタクシー運転手は結構多い)時間が来ても祈りもしない外科医。
その彼が、
「今息子には、神が必要なんだ。」
と、嘆き悲しむ。
旅の中で、彼は失っていたものの大切さを知ることとなる。
息子のもとへ、一刻も早く駆けつけようとする父。
そして砂漠のなかでの迷子、砂嵐。
砂は、彼の乗った車を見る見る間に覆い埋める。
死の恐怖。
意識が消え筒ある中・・・
息子の手が差し伸べられた。
「父さん、この手につかまって。神のおかげ・・・」
車の前(バックミラーの部分)につり下げられた魔よけのお守りが、アップでうつる。このお守りやキーホルダーは、私もイランでは、タクシーなどで 度々見かけた。但し 映画のようなデザインではなく、紺色の中にに、目玉のような丸のデザインが描かれたものが多かった。)
バックからとられた息も絶え絶えの父の顔の一部と差し伸べた手は、なんとキリストのようにも思えた。
イランはイスラム教徒が多い中、キリスト教の映画や信者も多い。げんに 私がテヘランで見た映画は 『キリスト教がやってきた』という コメディタッチのものだった。
一緒に見ていた家族が、
「バムあたりだろう・・・。」
「イラン北部の砂漠地帯だ。」
「監督は名前から考えて・・・出身だ。」
と、興奮して、見ていた。
この映画も、個人的には、とても好きだった。