乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

蝉しぐれ/ソメゴロウ・緒方拳

2006年11月02日 | 映画

写真は先月ショウチク座『つたもようちぞめのごしゅいん』の舞台写真売り場。

ソメゴロウさんのお写真もよく売れていたようです。

 

今日はあらすじ無しで感想のみ(ちょっと長め)です

 

 

  蝉しぐれ

 

 満足度 ★★★★☆

 感動度 ★★★☆☆

 

 

 構図(A)★★★★★

    ぴったりと計算されつくした面白み。

 

 構図(B)★★★☆☆

    構図の遊びは少なめ……

    切り絵を観ているようで平面的

 

    

 色彩  ★★★★☆

    美しいが反面遊びは少なめ

 

 

 映像美(A)★★★★☆

    懐かしさを憶える風景は昔話のようで安心感がある

 

 映像美(B)★★★☆☆

    ①焦点以外の映像のぼかし方が単純

    ②遠方の景色をバックとしてとらえすぎていて、

       各場面がぼかしてあるのは意図としてはわかるが、非常に惜しい。

 

 効果音 ★★★★☆

     川のせせらぎや能の鼓の音が効果的に使われていた

 

 脇役キャスト★★★★★+おまけ★★★

     特に

      緒方拳

      三谷昇

      大滝秀治

      榎本明

      原田美枝子

      の演じ方は絶妙でした

      

 

   2005年   日本   131分

 

   原作    藤沢周平

   監督    黒土三男 

 

 

  キャスト  イチカワソメゴロウ

         木村佳乃

         石田卓也

         佐津川愛美

         緒方拳

         三谷昇

          榎本明

         大滝秀治

         原田美枝子  他

 

 

 コウシロウさんのご子息ということで、何かしら気になるソメゴロウさん。

 今回もがんばっておられました。

 

 

 この映画も先月ショウチク座で観た『つたもようちぞめのごしゅいん』 と同様で出だしから比べるとだんだんかっこよくなるソメゴロウさん・・・

 目と口が引き締まり最後にはカッコイイ。

 

 戦う場面でもキシリと額に黒い紐(?)を縛りつけ、形はカブキ。

 まるで『カンジンチョウ』の弁慶があらすじ変え 戦ってるといった具合に見えないでもない。

 

 コウシロウさんの面影が感じられて満足でした。

 

 

 『阿修羅城の瞳』ソメゴロウさんの感想です  ↓

 http://blog.goo.ne.jp/usuaomidori/e/5ec07b26593b4b4c34a24a6a9c735903

 

 

 

 この映画は脇役の役者さんがしっかりした方で固められていて、安心してみていられる。

 特に上に名前を連ねた役者さんたちはなにがしら心に残る演じ方をなさっていました。

 

 

 私の大好きな緒方拳さんはとにかくうまい。

 後姿の演技がうまい。

 朴訥としたしゃべり方が心引かれる。

 ナスを取った後の朝食の食べ方もうまい。

 裃を新調してもらえなかったすね方も魅力あふれて ひょうひょうとした彼らしい演技が好きだ。

 大雨で洪水のなか交渉する姿は寒そう……わざと口を小さく、もごもごと話すところがうまい

 大雨の中息子を助けたさるっげない笑みが魅力的でうまい。

 お世継ぎ問題で罪をかぶせられ、不本意な切腹が決まる。その前に息子と対面し廊下を去り行く後ろ姿がうまい

 

 さすがに私の大好きな緒方拳さん!

 彼の演技をみただけでも満足・・・

 

  『ミラーを吹く男』 緒方拳さんの感想です ↓

 http://blog.goo.ne.jp/usuaomidori/e/5746246ef1c1a0ee61cda8cd3973b0da

 

 

 三谷昇さんは船頭役。

 台詞も出番も少なかったが黒澤の『どですかでん』を思わせる白熱の演技。

 といってもこの方も力を要れずに自然体で演じておられる。

 彼も作品を上等にする一役をかっておられた。

 

 

 

 榎本明さんもよかった。

 この人も演技が な~んか好き!

 ただこの作品は彼のうまさを充分には引き出せてはいなかったのが残念でした。

 

 

 

 全体を通して楽しめる作品。

 映像や音楽、話の展開も満足のいくものです。

 

 ただ最後の手紙が届いてから再開した場面は特に説明的で、くどい感じはした。

 昨日見た中国映画の『わが家の犬は世界一』の結末の潔さまでは期待しないが、もう少し省ける部分があったように思う。

 

 

 

 構図はこと細やかに場面ごとに計算され、その決まりすぎた遊びのなさが時としてくどく感じる場合も合ったが、全体を通して上質で安心してみていられる。

 色彩は統一感を無し、上品で安心感を与える。

 だがやはり遊びの部分に欠け、どことなくきりえや昔話風になってしまうのが惜しい。

 一丁一端、賛否両論といった構図のとり方。

 

 

 

 この映画の中で興味を引かれた映像は二点。

 ひとつは海岸沿いの荒々しい伝統的祭りの様子。

 もうひとつはソメゴロウさんが剣術の心(「目で見るのではなく、心でみるんだ・・・・)」を教えてもらった時のこと。

 相手は急に能面をかぶり、頭に簡易薄衣をまとい、『杜若』(能楽)を舞いだす。

 静寂の中 鼓の音と「からごろも~~~」の響きが心に響く。

 舞い扇一本で相手の心を読み取る大切さを教えた場面は、日本的で素晴らしい。

 

 

 家族とともに楽しむことのできる映画のひとつでした。

 ああ、面白かった……


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