陳氏書院
いよいよ最終日の7日目。
この日は午前中に陳氏書院 を訪れた。
陳氏書院とは陳性の方々が資金繰りをして建てたという邸宅。
皆で金を出し合ったこの大邸宅は、豪華絢爛。
屋根には物語を考えたくなるような彫刻が施され、造形、色彩ともぬあでやかで美しい。
物語なのか、陳の集う歴史なのかは定かではないが、派手な色彩なのにどこかしっくりと感じるには、何故だろうか・・・本当に贅をつくしたつくりだからか、それとも他に理由があるのだろうか・・・
この屋根や館を見ると、陳という氏族が豪家の筋であったことを物語る。
このような館で陳性の人々が集い、語らい、学び、飲み明かしたにかと思うと、若干うらやましくも感じる。
そして時として孤独になりたい時には中庭のこもれびに光の下で、書物を愛したのかと思うと、嫉妬心さえ駆り立てられる・・・
この歴史流がるるロマンのなかで、人々は学問に勤しんだのであろうか・・・
室内は美しく残されていた。
外の庭に比べ、シックで落ち着いた雰囲気。
廊下からの適当な光の差込は、勉学に都合がよかろう。
大きな硯や複雑すぎる象牙の彫刻など例を上げればきりが無いくらいに見事な学用(研究)品や調度品が置かれている。
この大きな人の背丈ほどもある見事な硯で、陳氏はどのような詩を表したのであろうか・・・
詩・・・か・・・或いは書道。水墨画といったものかもしれない・・・
時の流れになじんだ艶のよい柱は、静かに陳をみまもっていたのだろう・・・
この静かで穏やかな時の流れをまむるべく、口に玉の入った阿吽(狛犬)や 門の仁王のような大きな二体(一対というべきか)の絵や 屋根の上の色々な生き物たちは、上からじっと睨んで陳たちをも守っていたに違いない。
階段では狛犬と蛙の組み合わせを見た。
狛犬は守り、縁起物としての蛙は栄光を願い、日々学問する彼らを下からも守っていたのだろう・・・
そのような妄想に囚われた私は、この陳氏書院が豪華で派手ではあるが、何となくしっくりとなじめるのであった。
今は十元で観光客に開放されている陳氏書院。
中庭で子どもが中国じゃんけんをしていた。
今も違った形ではあるが、人々の集う陳氏書院の館が好きだ。
TBいただき、ありがとうございます☆
中国広州紀行を楽しませていただきました。
ありがとうございました。
これからもよろしくお願いいたします。