乱鳥の書きなぐり

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『弥生時代の墓-死者の世界-』2014年度春季特別展  奈良県立橿原考古学研究所附属博物館

2014年07月04日 | 美術・文様・展示物



  

 


    『弥生時代の墓-死者の世界-』2014年度春季特別展  
     奈良県立橿原考古学研究所附属博物館



 6月
『弥生時代の墓-死者の世界-』2014年度春季特別展を見る。
 弥生時代の墓から発掘された遺物や埋葬された人骨が橿原考古学研究所附属博物館でこれだけの数が展示されたのは初めてだという。
 弥生時代の人骨は、成人した者からこどもまで、木棺のおさめられて残っていた。
 木棺などには水銀朱で赤く染められている者もあった。
 その赤は鮮やかに残り、弥生時代に水銀朱を使い防腐効果を認識していたのかと思うと、心がときめく。
 民俗学では赤は魔除けの意味合いも持つと言われているが、考古学の立場からは知らない。

 弥生時代の人骨は中背で、顔は長くは無かった。
 以前見た東大博物館では頭蓋骨が時代別に並べられていたので、それを思い浮かべながら顔の大きさにも注目した。

 人骨の体はおおむね横たえられていた。
 イランのタブリーズ(おびただしい数の人骨)やエジプト(ミイラ)で見た人骨はも横たえられていた。
 展覧会ではあったが、『ナスカ展』と『ペルー展』(いずれも京都文化博物館)に展示されていた人骨は、座形で、足と手は前で交差され、布に包まれてミイラ化した状態であった。

   Museum Site of Blue Mosque- Cemetery of lron Age. 3(16景)タブリーズ

 奈良県立橿原考古学研究所附属博物館 では、まずはじめに西向きに置かれたという埋葬された人骨が展示されていた。
 これには意味合いがあるのかと思いきや、しばらく見ていると東向きに置かれた人骨も展示されていたので、一概には言えないのかも知れない。

 上で、「民俗学では赤は魔除けの意味合いも持つと言われている」と書いたが、奈良県立橿原考古学研究所附属博物館でも木簡近くから出土したという鳥(古墳時代の墓と鳥)について記されていた。

 他に個人的に気になったのが、「木製四脚容器」(四条畷市 弥生)に描かれた双頭渦文。
 度々見る双頭渦文ではあるが、展示物の前で双頭渦文に意味合いを想像すると、楽しかった。
 ネットで調べてみると円渦の意味などを説かれた方が多くいらっしゃった。

『弥生時代の墓-死者の世界-』を見て美しいと思ったものの一つに「ガラス勾玉」(加美遺跡Y 1号墓 大阪)があった。
「ガラス勾玉」の美しい色合いの中に見える銀化したガラスの色合いに光を当てると、時代を経た光を放つ。
 そのガラスの美しさに見せられた。
 イランのアーブギーネ博物館が好きな私にとっては幸せなひとときであった。



 




 奈良県立橿原考古学研究所附属博物館  データーベースより
生きるものにとって「死」はいつか必ずおとずれるものである。
このことは弥生時代に生きた人々にとっても同じであった。
「死」に対して弥生時代の人々はどのように接したのだろうか。墓の形態、埋葬施設、着装品や副葬品の有無はその回答の一端を示している。また墓から発掘された遺物や埋葬された人骨の姿勢などから死に至った経緯や人物像がみえてくることもある。
今回の展覧会では、近年調査の進む弥生時代の墓に焦点をあて、.墓の種類、.供献土器、.副葬品と着装品から弥生時代の墓、そして死者への思いについて迫っていく。

 奈良県立橿原考古学研究所附属博物館
 〒634-0065 奈良県橿原市畝傍町50-2
 2014年4月19日(土)~2014年6月22日(日)









コメント (4)
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