(写真は先日、能楽講習で拝見させていただいた、貴重な翁の面です。悪戯するとは不謹慎ですね。申し訳ございません・・・。)
記録だけ 2008年度 22冊目
『木々高太郎全集 1』
著者 木々高太郎
朝日新聞社
上下・398ページ 980円
昭和45年10月25日 題1版発行
三月十二日、先日から読み続けていた『木々高太郎全集 1』を読了。
『木々高太郎全集 全6巻』は近隣の図書館三館には蔵書がない。
申し訳ないと思いつつも、図書館にお願いし、他図書館から全集を借りていただく。
親切が身に染み入る。
さてとりあえず3巻お借りしたが、398ページといった暑さで、おまけに上下に分かれている。
結構読み応えがあり、時間を使って楽しめた。
第1巻には次のような作品が載せられている。
「網膜脈視症」(1934)
「睡り人形」(1935)
「青色鞏膜」(1935)
「恋慕」(1935)
「就眠儀式」(1935)
「完全不在証明」(1935)
「医学生と首」(1935)
「幽霊水兵」(1935)
「決闘」(1936)
「胆嚢」(戯曲)(1935)
『人生の阿呆』(1936)
「印度大麻」(1936)
以上短編10と長篇1作品。
短編においては「」、長篇は『』という形で今回記録することにした。
『人生の阿呆』は単行本一冊の長さ程度。
もとはといえば、木々高太郎作品は ちくま文学の森の『恐ろしい話』の中に含まれていた「網膜脈視症」http://blog.goo.ne.jp/usuaomidori/e/d2cc0ab074848e4117525df0a87f4d30に心を奪われ、読みたくなった作家。
日本のコナン・ドイルとも言われていたらしい。
それはさておき、彼の感性は私の肌に合う。
推理小説のはずだが、なんだか見逃せない。
内容は全く違う方向から表現されているのだが、なんだか若干、私の好きな安部公房氏と共通するようにも感じる。
感覚の切れのよさが、私をひきつける。
二週間で 木々云々全集を3巻全て読めるかどうかは自信はない。
が、まぁ、このままマイペースで読み進めて楽しいひと時を過ごすとしよう・・・。
朝日新聞社 木々高太郎全集 全6巻(1970-1971)
1 「網膜脈視症」(1934)
「睡り人形」(1935)
「青色鞏膜」(1935)
「恋慕」(1935)
「就眠儀式」(1935)
「完全不在証明」(1935)
「医学生と首」(1935)
「幽霊水兵」(1935)
「決闘」(1936)
「胆嚢」(戯曲)(1935)
『人生の阿呆』(1936)
「印度大麻」(1936)
2 「女と瀕死者」(1936)
「無気味な老医]師」(1936)
「緑色の眼」(1936)
「盲いた月」(1936)
「死の乳母」(1936)
「夜の翼」(1937)
「ヴェニスの計算狂」(1937)
「大浦天主堂」(1937)
「女の政治」(1938)
「水車のある家」(1940)
「文学少女」(1936)
『折芦』(1937)
「女の復讐」(1937)
「蝸牛の足」(1937)
「封建性」(1937)
3 「風水渙」(1937)
「死人に口あり」(1937)
「秋夜鬼」(1937)
「柊雨堂夜話」(1938)
「永遠の女囚」(1938)
『笛吹-或るアナーキストの死』(1940)
「宝暦陪審」(1939)
「婚礼通夜」(1939)
「ベートーヴェン第十交響曲」(1940)
「ストリンドベルヒとの別離」(1940)
「東方光」(1941)
「葡萄」(1942)
4 「呪縛」(1946)
「新月」(1946)
「月蝕」(1946)
「無花果」(1947)
『彼の求める影』(1957)
「冬の月光」(1948)
「老人と看護の娘」(1949)
「人形師の幻想」(1949)
「少女の臀に礼する男」(1950)
「夜光」(1952)
「幻想曲」(1952)
「X重量」(1953)
「六条執念」(1954)
5 『わが女学生時代の罪』(1949)
「タンポポの生えた土蔵」(1954)
「千草の曲」(1955)
「バラのトゲ」(1955)
「オリムポスの山」(1956)
「異安心」(1957)
「細い眼の孫娘」(1958)
「悪い家系」(1959)
「銀の十字架」(1962)
「失踪」(1967)
「幻滅」(1968)
6 『随筆・詩・戯曲ほか』