乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

『木々高太郎全集 1』  朝日新聞社

2008-03-12 | 読書全般(古典など以外の一般書)

 

(写真は先日、能楽講習で拝見させていただいた、貴重な翁の面です。悪戯するとは不謹慎ですね。申し訳ございません・・・。)

 

 

記録だけ  2008年度 22冊目   

 

  

   木々高太郎全集 1

 

                   

 著者 木々高太郎

 朝日新聞社 

 上下・398ページ 980円

 昭和45年10月25日 題1版発行

 

 三月十二日、先日から読み続けていた木々高太郎全集 1を読了。

木々高太郎全集 全6巻は近隣の図書館三館には蔵書がない。

 申し訳ないと思いつつも、図書館にお願いし、他図書館から全集を借りていただく。

 親切が身に染み入る。

 

 さてとりあえず3巻お借りしたが、398ページといった暑さで、おまけに上下に分かれている。

 結構読み応えがあり、時間を使って楽しめた。

 

 第1巻には次のような作品が載せられている。

  「網膜脈視症」(1934)   

  「睡り人形」(1935)   

  「青色鞏膜」(1935)   

  「恋慕」(1935)   

  「就眠儀式」(1935)   

  「完全不在証明」(1935)   

  「医学生と首」(1935)   

  「幽霊水兵」(1935)   

  「決闘」(1936)   

  「胆嚢」(戯曲)(1935)   

  『人生の阿呆』(1936)   

  「印度大麻」(1936)

 以上短編10と長篇1作品。

 短編においては「」、長篇は『』という形で今回記録することにした。

 

『人生の阿呆』は単行本一冊の長さ程度。

 もとはといえば、木々高太郎作品は ちくま文学の森の『恐ろしい話』の中に含まれていた「網膜脈視症」http://blog.goo.ne.jp/usuaomidori/e/d2cc0ab074848e4117525df0a87f4d30に心を奪われ、読みたくなった作家。

 日本のコナン・ドイルとも言われていたらしい。

 それはさておき、彼の感性は私の肌に合う。

 推理小説のはずだが、なんだか見逃せない。

 内容は全く違う方向から表現されているのだが、なんだか若干、私の好きな安部公房氏と共通するようにも感じる。

 感覚の切れのよさが、私をひきつける。

 

 二週間で 木々云々全集を3巻全て読めるかどうかは自信はない。

 が、まぁ、このままマイペースで読み進めて楽しいひと時を過ごすとしよう・・・。

 

 

 

 朝日新聞社 木々高太郎全集 全6巻(1970-1971)

1 「網膜脈視症」(1934)   

  「睡り人形」(1935)   

  「青色鞏膜」(1935)   

  「恋慕」(1935)   

  「就眠儀式」(1935)   

  「完全不在証明」(1935)   

  「医学生と首」(1935)   

  「幽霊水兵」(1935)   

  「決闘」(1936)   

  「胆嚢」(戯曲)(1935)   

  『人生の阿呆』(1936)   

  「印度大麻」(1936)

 

2 「女と瀕死者」(1936)   

  「無気味な老医]師」(1936)   

  「緑色の眼」(1936)    

  「盲いた月」(1936)    

  「死の乳母」(1936)    

  「夜の翼」(1937)    

  「ヴェニスの計算狂」(1937)    

  「大浦天主堂」(1937)    

  「女の政治」(1938)    

  「水車のある家」(1940)   

  「文学少女」(1936)   

  『折芦』(1937)   

  「女の復讐」(1937)  

  「蝸牛の足」(1937)   

  「封建性」(1937)

 

3 「風水渙」(1937)   

  「死人に口あり」(1937)   

  「秋夜鬼」(1937)   

  「柊雨堂夜話」(1938)   

  「永遠の女囚」(1938)   

  『笛吹-或るアナーキストの死』(1940)   

  「宝暦陪審」(1939)   

  「婚礼通夜」(1939)   

  「ベートーヴェン第十交響曲」(1940)   

  「ストリンドベルヒとの別離」(1940)   

  「東方光」(1941)   

  「葡萄」(1942)

 

4 「呪縛」(1946)   

  「新月」(1946)   

  「月蝕」(1946)   

  「無花果」(1947)   

  『彼の求める影』(1957)   

  「冬の月光」(1948)   

  「老人と看護の娘」(1949)   

  「人形師の幻想」(1949)   

  「少女の臀に礼する男」(1950)   

  「夜光」(1952)   

  「幻想曲」(1952)   

  「X重量」(1953)   

  「六条執念」(1954)

 

5 『わが女学生時代の罪』(1949)   

  「タンポポの生えた土蔵」(1954)   

  「千草の曲」(1955)   

  「バラのトゲ」(1955)   

  「オリムポスの山」(1956)   

  「異安心」(1957)   

  「細い眼の孫娘」(1958)   

  「悪い家系」(1959)   

  「銀の十字架」(1962)   

  「失踪」(1967)   

  「幻滅」(1968)

 

6 『随筆・詩・戯曲ほか』

 

 

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雲崗石窟  中国 山西省・大同

2008-03-12 | 中国 2006~2019(7回)台湾、ベトナム、

 

    雲崗石窟

    (中国 山西省・大同)

 

 北京から西にバスを走らせると、右手には、万里の長城が続く。

 驚くばかりの長さと立派さ。

 宇宙ロケットから万里の長城が認められることにも、納得がいく。

 

 北京近くは修復された万里の長城も、山西省付近では昔のままの姿が残されているという。

 

 最も大きな石仏は、17メートル。

 奈良の大仏が14,7メートルであることを考えると、相当でかい。

 

   

 

 雲崗石窟の岩には、写真のような穴が多く開けられており、中には仏像などが細やかな細工で彫られている。

 仏像は平面的なものや立体的なもの、彩色したもの、きれいな姿で残っているものや 形をとどめないような風化したものなど、各種残っている。

 

   

 

 ツアーではきれいな形で残された重要な部分とされる題一窟から二十窟までを案内される。

 

   

 

 六窟の釈迦の一生を描いた石窟や、写真上(十二窟)の音楽を奏でる石窟は物語性を感じた。

 

   

 

 雲崗石窟は、北魏仏教文化の隆盛を今に伝える貴重な文化遺産だという。

 敦煌の莫高窟、洛陽の龍門石窟とともに中国三大石窟のひとつに数えられ、今や世界に輝く貴重な文化遺産とされる。

 結構近い龍門石窟を訪れる旅を選ぶべきだったと後悔している。

 

 写真のような素晴らしい浮き彫りがどこの石窟を除いても、姿を現す。

 雲崗石窟もイランの浮き彫りとはまた違った面白みがあった。

 

   

 

 ツアーでご一緒させていただいた知性的な殿方が、大きな仏像の両側左右の小さな仏像を比較して、

「どうして、右側が風化が強く、左がきれいな形でのこっているのでしょうか・・・。」

と質問される。私は、

「風向きの関係でしょう・・・。」

と、その場を取り繕ったが、正しいかどうか、その時点では確信は持てずにいた。

 メインの石窟前は強風と黄砂が吹く。

 

   

 

 20窟までを一通り見た後、短いが自由行動が与えられる。

 洞窟は全部で53窟とも言われている。

 

 私はみんなから離れ、一人持ち前の好奇心で なんとか西のはずれまで ダッシュ。

 西部窟群を楽しむ。

 そこは細かな洞窟が掘られ、風化したものも多い、細かな仏像の浮き彫りが認められた。

 道は至って細い。

 急な小さな崖を西側から恐ろしい強風が吹きつけ、吹き荒れる。

 

『右壁面仏像の風化の原因は、この風によるものか・・・。』

と、とりあえず一人納得。

 わかったような錯覚に陥り、夫に知らせる。

 彼は足早に写真下の小道を途中まで行き、自分の目でも確認。

 

   

 

 あわただしく走り回り、私たち家族は雲崗石窟の偉大さと素晴らしさに、後ろ髪を引っ張られる思いで、その場を離れた。

 

 西部窟群を含めて 雲崗石窟をしっかりと見たいならば、最低二日間は欲しいと、痛感。

 雲崗石窟も素晴らしい遺跡のひとつだと感じる。

 飛鳥文化の源流ともいわれる雲崗後期の諸仏像を今のままの保存状態で後世にも残すことが出来るならば、どれだけ素晴らしいことだろうか。

 雲崗石窟の潔いほどの立派さを感じると共に、何かてを打たねばならないのではないかと考えさせられる、今回の遺跡見学であったことを付け加えておく。

 

  

中国文化というHPに、雲崗石窟説明のページがありました。http://japanese.cri.cn/chinaabc/chapter22/chapter220103.htm

 

 

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