日常

「イメージの力」「コメ展」六本木

2014-03-20 09:53:17 | 芸術
いろいろとやりたいことも多々ありますが、3月末は異動が多い時期で。
いろんな仕事が雨嵐のように降ってきて、なかなか静かに読書する時間もとれず。

それでも、見てきた展示は面白かった。



イメージの力―国立民族学博物館コレクションにさぐる
国立民族学博物館創設40周年記念
日本文化人類学会50周年記念
2014年2月19日(水)~ 6月9日(月)


六本木の国立新美術館でやってるこの展示はすさまじかった。
パプアニューギニアとかアフリカとかアボリジニーー・・・
いろんな民族の民俗学的資料が多くて感動した。
国によってカミサマや精霊へのイメージが違うのは不思議なものだ。
やはり、その土地の地霊や風土、それこそ人間が認識できない歴史のような多層の上に、カミサマも精霊もおられるのだろう。

こんなに巨大なものを東京まで運んできていることがすごい。
カミサマも、世界各国から旅をしてきて楽しいのかもしれない。


カミサマや精霊の力はかなり強大なので、いい方向(白魔術)にも悪い方向(黒魔術)にも使われるようだ。
結局は、人間側の心持ち次第なのだということがよくわかった。

芸術(アート)の原型も、ああいう見えない世界やカミサマをなんとか可視化して表現しようとしているところから生まれるのだろう。
そのままの原型の形ではあまりにも強烈過ぎるので、人間が受け入れやすい形に加工する。その加工そのものがアート(技術)でもある。
そうして、人間の自我に受け入れられるものが少しずつ拡大していくのだろう。



この展示こそ、その場で行かないと見れない展示。
いろんな部族や国のカミサマや精霊を肌身で感じる稀有な機会。
是非行ってみてください!

この展示の元になっている国立民族学博物館(みんぱく)(大阪府吹田市。太陽の塔もある!)にも、是非とも行きたいと思った。一日中遊べそうだー。

人間の「違い」を知ることも大事だし、「同じ」を知ることも大事。
「知る」ことにも、「あたま」で知ることもあれば、「からだ」「こころ」で体験として知ることもある。
そして、浅く知ることもあれば深く知ることもある。量の問題も質の問題もある。

何にしても、貴重な展示です。


そのときはまだ開催されていませんでしたが、
●中村一美展
2014年3月19日(水)~5月19日(月)
も素晴らしく面白そう!
抽象(情報密度の高い世界)と色の世界。
見に行かなきゃー。





六本木の国立新美術館のすぐ近くにある「21_21 DESIGN SIGHT」。
デザイナーのイセイミヤケさんが運営されている場所。

ここは展示の良しあしに差が大きかったりするのですが、今回のは素晴らしく良かった!



企画展「コメ展」。
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「まったくのいきもの、まったくの精巧な機械」
宮沢賢治『春と修羅・第三集』「和風は河谷いっぱいに吹く」より引用

21_21 DESIGN SIGHTでは2014年2月28日より、企画展「コメ展」を開催します。
コメは、私たちの暮らしにとても身近で、日々の生活に欠かせないものです。日本では、コメを中心とした食文化を深めつつ、稲作の歴史とともに様々な文化が発展してきました。しかし、私たちは食としてのコメ以外の姿を、どれほど知っているのでしょうか?

籾(もみ)から目を覚ました稲(いね)の住む水田は、様々ないきものの生態系を受け入れ、育むとともに、水害を防ぐ貯水機構や温暖化を抑える調温装置として、自然のサイクルを支えています。
そして、稲穂(いなほ)3株分の約3,000粒がおいしく封じ込められたお茶碗一杯のご飯。この一粒一粒には、これまでコメづくりに携わってきた人々の弛まぬ努力や工夫と、循環する膨大な地球のエネルギーが蓄積されています。

「まったくのいきもの、まったくの精巧な機械」。自らコメづくりをするなかで、稲の本質を見事に言い当てた宮沢賢治の言葉です。私たちの生命と文化を繋ぐコメ。また、それを形成する緻密な環境システムには、私たちの学ぶべきデザインのヒントが秘められています。それは、未来を切り開く多くの「糧(かて)」をもたらすでしょう。

激変する地球環境とライフスタイルや価値観の転換期をむかえ、主食としてのコメの位置づけも揺らぐなか、この展覧会では、私たちの文化の根幹をなすコメのありようを新鮮な目で見つめ直していきます。そして、社会全体で引き受けるべき大きな課題として、その未来像を来場者の皆様とともに考えていきます。

本展ディレクターは21_21 DESIGN SIGHTディレクターでグラフィックデザイナーの佐藤 卓と文化人類学者の竹村真一。異なるバックグラウンドを持ちながらも、同じ行き先を見つめる二人のディレクションによる「コメ展」に、どうぞご期待ください。
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米にまつわるいろんな展示がされていて、本当に面白かった・・・。
お茶碗一杯はお米が3000粒らしいのですが、もともとは稲穂たったの3株!からできるとのこと。すごいことだ。まさに自然からのGiftとしか思えない・・・・。


いろんな観点から「お米」にアプローチしていて、アートやデジタル技術ともうまく融合している、工夫に満ち満ちた素晴らしい展示!

こちらも2014年2月28日(金)から2014年6月15日(日)まで。
ぜひ時間をたっぷり準備して見に行ってみてください。
40分で上映されているお米にまつわる映像も、全部見れなかったけど、今度改めて見に行きたい。





こういう展示って、裏方の準備をされている方々にはほんと大変なことなんでしょうね。
展示の準備をされている方々には頭があがりません。いつもありがとうございます。