日常

「ミリオンセラーの絵本原画と世界の絵本画家たち」

2009-08-23 10:51:39 | 芸術
新宿西口に損保ジャパン東郷青児美術館ってのがあります。
20年前のバブル時代に、ゴッホのひまわりを58億円!くらいで購入したことで有名な美術館です。
(ちなみに、ゴッホのひまわりは常設で展示してあるのでいつでも見れますよー)


この美術館で、「ミリオンセラーの絵本原画と世界の絵本画家たち」っていうのをやっているのですが、最高によかった!!強く激しくお薦めします。
と言っても、もう来週くらいまでしかやってません。気づくの遅くてすみません。


絵本に描いてある絵って、子供を喜ばせないといけないし、親のような大人も喜ばせないといけないし、マンガと同じで大衆受けもしつつ、普遍性を持ちつつ、それなりにオリジナリティーがないと面白くない。
その上で、絵本の文章がつくる物語の世界観ともうまくマッチしていないといけない。
色んな制約を受けつつ、それでいて自由な世界。
とても面白い絵のジャンルなんだと改めて思いました。


今の現代美術とかって、見に行っても自作自演の自意識過剰なものが多い気がして、鑑賞者が取り残される作品が多い気がする。
いまいち心に響かないというか。
別に意味があるとかないとか、分かりやすいとか分かりにくいとかそういうことではなくて、自分の心に何も刺さってこない作品が多かったりする。
そういう意味で、現代美術からは少し遠ざかってます。古典作品の方が深みや奥行きや質量があるような気がしまして・・。



そんな昨今でも、絵本に描いてある絵は、マニアックさと大衆さのうまいバランスがとれていて、絶妙で素晴らしい絵が多い!日本の漫画文化と相通じるものを感じる。
心に何かが刺さるし、確実に自分に何かが残る感覚が伴う。
しかも、原画で見ると、美しいこと美しいこと!


一気に絵本の絵が好きになって、会場で売ってあった「ちひろBOX2 世界の絵本画家たち」(講談社ART BOX)にも、今回展示されていた絵本の原画がいっぱい載ってて、思わず買ってしまった。今パラパラ見ながらこのブログも書いてますが、家で見ているだけでも楽しめる。
絵本や写真で見ても十分素晴らしいし、生原画で見るとさらにすばらしかった!


今回の展示では、日本はもちろん、キューバとかチェコとかロシアとかフランスとかアフリカとか・・・全世界中のあらゆる絵本作家が紹介されてあって、微妙に絵の世界観や色遣いが国によって違っていて、並列に見ているとそれもすごく興味深かった!


僕の中で、すごくテンションあがった展覧会でした。
8/30までなので、時間あれば是非行ってみてください!



ちなみに、この美術館は42階で眺めが最高!
入場直後の空間で、新宿が一望できる。


横にはモード学園のコクーンタワーっていうすごい造形の建物がありますが、僕はこの地下にあるbook 1stを愛用してます。すごく広くて清潔で、なかなかセレクションのセンスがいいんですよね。
土日とかに行くと人も少ないんで気持ちよく本を探せますが、人が少ないんで、逆につぶれたりしないかなーなんて心配になります。渋谷にあった、でかいbook 1stがつぶれちゃったときも悲しかったなー。


・・・・・・・・
そういうことで、「ミリオンセラーの絵本原画と世界の絵本画家たち」は、あまり宣伝されていない気がしますが、すごく素晴らしい展覧会だったので、お時間あれば立ち寄ってみて下さ~い。

2 コメント

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まじですか (H.P.)
2009-08-23 17:40:39
今月は29日からおのぼりしようと目論んでおり
でもイベント的に行くところがなく
また、インフルエンザも
なんだかかかっていないと村人じゃねえくらいに流行っており
しか-し
このお知らせをみて、やっぱり行くか‐と
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もう少しで会期が終わってしまうわけで・・ (いなば)
2009-08-26 11:18:58
今、沖縄はインフルエンザすごいみたいですねー。
ウイルスって目にめえないから恐怖ですが、逆にいえば、日々いかに目に見えるものに依存しているかってことを感じます。
インフルエンザウイルスも、眼に見えない敵と戦っているような感じですが、人間がいかに努力して防ごうとも、なんだかんだで日本に上陸してきますしね。


話が脱線しましたが、本当にお薦めですよ!きっとH.P先生はああいう世界観好きだと思うなー。
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