日常

木琴 通崎睦美さん

2013-07-06 10:34:13 | 音楽
通崎睦美さんからお誘いを受け、木琴とリコーダーの演奏を聞きに行ってきました。

○平河町ミュージックス 
第21回 通崎睦美(木琴)
モッキンソロとリコーダーとのデュオ2013年7月5日(金) 19:00開演

○<場所>ROGOBA DESIGN ON LIFE_Tokyo

○<通崎さんのblog>通崎好み製作所

○<2008年>田口ランディ・通崎睦美 ジョイント朗読会in法然院 「転生」(2008-10-05)

○<2009年>田口ランディ×通崎睦美「転生」 at四谷(2009-04-18)




場所は半蔵門にある平河町ミュージックス。
素敵な場所だったー。
北欧家具を販売しているスペースを使っての演奏会。
座れる椅子も60万!近くする椅子に座って鑑賞出来たりして。




木琴は音がより粒子状にポーンと飛んでくる感じ。
マリンバは音が水面の波のように中心性を持つ波動の残響で響かせる感じ。


通崎さんの演奏はマリンバをいつも聞いていたので、木琴の演奏は新鮮だった。
貴重な木琴を使っていて、当時の樹齢千年などの大木が使われているらしい。


確かに、巨大な空洞の木の中に入り、雨降るしずくの音で残響音を聞きながら瞑想しているような、なんとも言えない不思議な音空間だった。


時に抽象画を見ているような感覚だった。幾何学模様の抽象ガ。モンドリアン、カンディンスキー。
それでいて、人体内部にこだまする音を聞いているような不思議さ。



人体の中では血液がすごい勢いで流れているし、心臓が1秒に1回のリズムで脈打っている。ただ、胎児で生まれてからずっと内部に鳴り響いているから、普段意識の上に上がらない。血液は出血することで、心臓の拍動は停止することで逆説的に意識しやすくなる。それは、地球上の重力のようなもので、重力に反した動きをして初めて重力を自覚できるのと似ている。



血液がものすごい勢いで体内を流れ、心臓はビートをうっている音。
沈黙の中ではその音を感じる事ができる。そういう音との連続性を感じた。
音は波となり、物質的な境界を通り抜け、波同士でつながり共鳴する。





最近、自宅ではカラヤン、バーンスタインのマーラーやチャイコフスキーなどの本格的なオーケストラを聞いている。
この音楽は、どこか激情的で、頭の中の感情をかきまわし、引っ張り上げ、どこかに連れて行くような音楽として感じている。


それに対して、木琴やリコーダーの音は、あくまでも雨のしずくや風の吹きぬける音のようなもので、支配的ではない。独自に一定のリズムを刻みながら自生している自然物のような感じ。
その支配的ではない音の世界に感じいった。
音そのものが持つ、粒子(かたまりが飛び込んでくる感じ)と波動(骨と鼓膜が振動する感じ)の重ね合わせを感じた。





音楽っていいものですねぇ。

第21回 通崎睦美(木琴)
モッキンソロとリコーダーとのデュオ
2013年7月5日(金) 19:00開演

<当日のプログラム>
<木琴ソロ>
J.ファン・エイク:「笛の楽園」より

相馬地方民謡/野田雅巳編:相馬流れ山

沖縄民謡/港大尋編:ちんさぐぬ花

P.ソフィッチ/当摩泰久編:砂に消えた涙

T.B.ピットフィールド:ソナタ~独奏木琴のための より

鷹羽弘晃:木霊~独奏木琴のための(新作初演) 他

<木琴+リコーダー>
J.C.ノード:かるわざ師
野田雅巳:発明家
当摩泰久:斜面のクーラント 他

木琴:通崎睦美
リコーダー:本村睦幸(ゲスト)




今後開催されるのもとても魅力的。
時間合わせて聞きに行きたい。

・第22回 2013年09月13日(金) 御喜美江、大田智美
アコーディオン ソロとデュオ
・ J.S.バッハ:幻想曲とフーガ ハ短調 BWV.562
・ 林 光:裸の島/蜜蜂は海峡を渡る
・ 高橋悠治:雪・風・ラジオ/谷間へおりてゆく

・第23回 2013年10月18日(金) ル・クラブ・バシュラフ
アラブ古典音楽の夕べ
・ インタ・オムリ(ムハンマド・アブデルワハーブ作曲)
・ リッサ・ファキル(リヤド・ソンバーティ作曲)
・ サマイ・サバ(松田嘉子作曲)
・ ルンガ・ブスタニカル(竹間ジュン&スラーフエッディン・マナー作曲)
・ ガザーリー・ナファル(ケマイエス・テルナン作曲)
その他

・第24回 2013年12月06日(金) 溝入敬三
山椒魚は悲しんだ。コントラバスも悲しんだ。
 ~井伏鱒二が亡くなって20年らしい
・ むなしい人間の努力の唄 作詞/溝入敬三、作曲/クルト・ワイル
・ 小吉の夢 作詞・作曲/溝入敬三
・ In and Out 作曲/パスカル・デュサパン
・ 怪盗キクノロと名探偵アキチくん 作詞・作曲/溝入敬三
~休憩~
・ 春暁(厄よけ詩集より) 作詞/井伏鱒二、作曲/溝入敬三
・ 山椒魚 原作/井伏鱒二、作曲/溝入敬三





鑑賞後にみんなで寄った「麹町カフェ」(食べログ)ってのも雰囲気良くておしゃれだったなぁ。